導入事例7

株式会社ホーナンドー

工藤社長

工藤社長

第一工場外観

「水なし」弾みにSDGs企業へ 環境企業へ次のステップ

株式会社ホーナンドー(大阪市、工藤裕介社長、従業員数46人)は、印刷業からプロモーションサービス企業へ見事な業態変革を遂げたことで知られる株式会社シー・レップ(東京&大阪本社、北田浩之社長)のグループ印刷会社である。東大阪市にある生産工場の別フロアには、別会社で製本業の株式会社邦南堂(東大阪市、北田真也社長)もあり、プリプレスから印刷・製本加工までの一貫生産体制で社業を伸展させている。そのホーナンドーが2019年8月から水なし印刷の採用を開始した。

品質向上と修理費減へ

ホーナンドーでは現在、4台(菊全8色機、同4色機、同2色機=東大阪第一工場、菊四裁4色機=東大阪第二工場)が稼働している。

今回、「水なし仕様」に転換したのは、東大阪第一工場にあるアキヤマ製ダブルデッキ型の菊全両面8色機「J‐Print」だ。

転換に踏みきった理由について工藤社長は、「10年選手ということもあり、銅メッキローラーのメッキ摩耗による交換頻度が高くなり、そのコストの見直しが必要になった」と明かす。

インキングローラーとして親油性の高い銅メッキローラーを使用している場合、湿し水中の炭酸カルシウムがローラー表面に蓄積し、これを除去しているうちに銅メッキが摩耗してインキが転移しにくくなるため、ローラー交換が必要となってくる。これに加えて、「湿し水装置の老朽化や、通し枚数の多い仕事で色ムラが発生しやすくなってきた」という。

こうした機械修理に関わるコスト高要因や印刷品質の改善向上を図るため、日頃からお世話になっている印刷機メンテナンス会社のタケミ株式会社に相談したところ、勧められたのが「水なし」仕様への転換だった。

水なし印刷を採用した秋山菊全8色機

アキヤマ機械
菊全8色機

見当精度の良さに高い評価

さっそく、タケミ株式会社の指導や東レの協力を得て、5月から印刷品質の確認テストに入り、インキも水なし印刷に最適と言われる銘柄の油性インキに切り替えた。

ファンアウトの解消による見当精度の向上、安定した再現色などテストの結果は上々で、8月から本格運転に入った。

同社の場合、毎週、水曜日と土曜日の2時間、月1回の半日というメンテナンス時間を確保しているので、小まめなインキツボの清掃など水なし印刷に欠かせないメンテナンス作業も苦にはならない。水あり版と比べて割高と言われる水なし版だが、水に起因するメンテナンスコストを考えると十分吸収できるレベルだという。

「私も含めて皆が初体験だったが、きわめて順調に立ち上がった。なかでも見当精度の良さに対する現場の評価は高い。また、給水ローラーの拭き取りといった作業がなくなることでオペレータの負荷低減になるし、その分の時間を他に振り向けることもできる」と水なし化のメリットを高く評価する工藤社長。その水なし化に合わせて、8色同時にフィードバックできる色調装置(X-rite社製)を新たに導入し、数値管理によるさらなる品質向上を目指す。

さらに、「湿し水に含まれる揮発性溶剤の排除や現像液回収の手間やコストが不要という水なし印刷の強みは環境問題にも貢献できる」と期待している。

SDGs企業宣言へ

「SDGs」とは2030年に向けて世界が合意した「持続可能な開発目標」のこと。印刷業界の識者によれば、印刷はすべての産業と関わりがあり、その意味ではSDGsにきわめてフィットした産業だという。昨年あたりから、業界団体や個別の印刷会社でも問題意識に上がるようになっている。

「当社は現在、エコアクション21、FSCという2つの環境に関わる認証を受けており、今回、水なし印刷を採用したことでバタフライマークを使うことができる。これらの内容は、SDGsが掲げる17の目標のうちの11目標と重なる。これに恥じない会社となるために、次のステップへ目標を掲げたい」というのが工藤社長の思いだ。一歩先行く環境企業へ、着実な前進が期待される。

株式会社ホーナンドー
代表者:工藤裕介
大阪府大阪市中央区南本町1-8-14
U R L:http://www.honando.net/index.html
導入日:2019年8月