ニュース

展示会

2017年10月05日

ラベルエキスポヨーロッパ報告(2):欧州で独自進化する水なし印刷(1)水なし欧州ブランド

labelimprimia.jpg2016年東レは、中央ヨーロッパのチェコ共和国で製造する水なし平版の欧州ブランドとして「IMPRIMIA」を制定した。
日本の印刷市場との相違もあり、欧州製造製品は日本製とは仕様が異なっている点や、「Waterless Plate」だけではインパクトも弱く、また欧米で水なし平版を販売するPRESSTEK社の水なし版との差異を明確にするのが狙いである。label10(toray2).jpg
更に欧米の市場にニーズに合った製品の開発を加速するため、チェコの工場内に水なし版開発専用の研究開発棟を設置し、2018年早期の業務開始を目指している。
欧州ブランドの「IMPRIMIA」のラインアップは、IMPRIMIA LA:高耐刷版、IMPRIMIA LB:高精細版、IMPRIMIA MC:完全水現像版(ケミカルフリー版)であり、10ミクロン以下の網点を再現できるIMPRIMIA SD、完全水現像版で高対刷力のあるIMPRIMIA WCを計画している。
label7(prsstek1) (3).jpgのサムネール画像のサムネール画像
一方、独自の水なし版を製造しているPRESSTEKは、高出力レーザーでシリコーン層を焼き飛ばす方式(アブレーション方式)の「Pearl Dry」と、従来のサーマルセッターで露光可能な完全水現像版「Zahara NWL」を展開している。PRESSTEK版は、DI機に搭載され脚光浴びたが、DI機の衰退とともに、水なし印刷に消極的な時期もあったが、現在では、「Zahara NWL」でショートラン、小サイズ印刷に軸足を移して再参入し、積極的な事業展開をしている。東レ・PRESSTEKの2社の競合による水なし印刷市場の更なる活性化、技術の進歩に大いに期待したい。