ニュース

セミナー・見学会

2015年11月02日

LCA日本フォーラム20周年記念シンポジュームと祝賀会

DSC01407 (2).jpg
我々のカーボンオフセット、カーボンフットプリントの根幹を支えてくれているLCA日本フォーラム結成20周年を迎え、盛大に祝賀会とシンポジュームが10月30日、霞ヶ関ビル35Fで開催された。
LCAに関するポリシーステートメント(講演・山本良一氏の内容)
地球環境問題の高まりの中で、「持続可能な発展」が最重要課題に掲げられており、この考え方をあらゆる社会活動に組み込むことが必要である。
LCAを「持続可能は発展」のより幅広い枠組みの中の一つの手段として正しく位置づけるためには、LCA手法の開発とデータベースの構築を行い、これを実務の場で活用評価を進め、LCAが公正かつ信頼性ある環境問題の評価ツールの一つとして認知されることが不可欠である。
LCAが幅広く活用されるためには、産業界からの信植できるデータベースの提供やLCA結果
の積極的な公表により、各種データベースが充実され、かつ、簡易なシステムとして利用できる必要がある0このために、わが国の標準データベースにかかわる総合機関の設立やLCA日本フォーラムをさらに発展させた恒久的なLCAにかかわる機構の創設が必要である。
LCAはその基本的考え方は確立されているが、手法としては発展途上の開発段階にあり、総合評価方法は未確立である。今日、我々が用いているLCAの結果は、設定された前提条件および引用データに強く影響されることを勘案すると、代替材料および代替製品の環境インパクトの比較評価等にLCAを用いる場合、慎重な対応が要求される。また、優先順位を
置くべき環境要素と課題は、社会・場所・時代によって異なる0したがって、現状では複雑な課題について、LCA手法だけで意志決定をすることには危険性があることを認識する必要がある。
今後の地球環境問題を考えるとき、産業界のLcA手法の導入に留まらず、一般市民を含めたぁらゆる階層の人々が、ライフサイクル的な考え方、さらにはライフスタイルの見直しを行うことが必要となる。
LCAに関する知識を理解し、行動できるように啓発を進めることも重要であり、そのために行政は一致して、市民がエコライフを実践できるインフラ整備等の総合的な支援並びに施策を取るべきである。
産業界からは、新日鉄住金株式会社・副社長・柳川欣也氏が「エコマテリアルとしての鉄鋼製品」、トヨタ自動車株式会社・専務・伊勢清貴氏が「トヨタ環境チャレンジ2050」についての環境面を先導してくれる講演があった。
我々印刷人も、この両者の取組の一端でも見習いたいものである。