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VOC測定、削減

2014年07月22日

新潟市2社でVOC値を測定、水なし印刷機の値はやはり低い

7月16日(水)生憎の雨ではあったが、前より約束の日であったため2社を訪問することになった。
最初の訪問先は、港南区のA社。A社は、高付加価値・特殊加工印刷で他社との差別化を推進し、パッケージや厚物印刷で顧客の心をしっかりとつかんでいる。訪問本来の目的は、日本WPA・水なし印刷会員への入会案内とCFPシステム認証参加勧誘であった。こちらの方は、ご対応いただいた製造本部長の一声で、ご入会及びご参加いただくことになり大変ありがたく感謝している。一方、他の要件でたまたま持参していたVOC測定器の話になり、急きょ工場内を測定することになった。A社では、それまで工場内のVOCを測定したことは無かったため、測定数値を見るまでは多少不安を隠せない状況であった。測定結果は次の通り(限られた時間であったため、要所要所の測定を行った)
2020PRO.jpg
大変ハンディな高性能VOC値測定器2020PROを携帯して測定した。ご要望があればどこでも計測に行きますよ。
正面玄関    0
事務所      0
応接室      0
入場準備室 工場に入る前の防塵服を着用する部屋  8 
工場入口     20 
水あり機�UV機胴間 20~25、
  インキツボ上、  35
  機械の周り   20~23 
水あり機�油性機胴間 36  
        機械周り 20~23
水なし機� 胴間   15  
        排紙部 10  
         機械周り 10~15
この結果から、工場の換気が十分に行われているため、工場の入り口と機械周りで大きな差が出なかったと推測される。また水なし印刷機は、水あり機に比べ10PPMCほど数値が低く表示された。全体的には工場のVOC濃度が大変低く抑えられ、優れた環境であった。これら結果を受け、ご担当の製造本部長はほっと胸をなでおろしていたが、翌日には工場の関係者にこの結果を伝えたいとも話されていた。測定させていただいた当方も、この結果には大変うれしく思っている。
引き続き、同市南区のB社訪問。
B社は、全社で環境問題に積極的に取り組み、コミュニティー紙や各種出版物など幅広く手掛けており、常にお客様の視点に立った物づくりにこだわっている。
VOCの測定が訪問の本題ではなかったが、社長様のご要望もあり測定を行う。
既に水なし印刷に取り組まれて数年は経つが、工場内のVOC濃度が気になるところではあった。結果は、ユニット間や工場中央では、15〜20PPMCであった。空調はもとより、十分な換気を行っているためか低い数値しか示さなかったのである。ただ、工場2階の事務所で測定を行った際には、工場と同様の数値20PPMCが現われた。階段伝いにVOCが上昇したのであろう。二階に通じる階段入口(1階)にも何らかの仕切りを設ければ、この数値は下がってくるであろうと推測する。
2社工場に共通して言えることは、印刷工場の換気が十分に行われていたこと、そして使用済みウエスの缶に蓋をしてあったことだ。このことが、VOC濃度を著しく下げたことは間違いないであろう。また、水なし印刷を採用し行っていることが、その数値を更に押し下げたといっても良いであろう。工場環境を更により良くするために、これからもVOC測定などで会員企業様をサポートし、水なし印刷化を進めていかなくてはならない。