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2014年04月12日

Ipex2014報告(6)

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Printing Summitセミナーの大盛況の様子
世界の印刷界が大きなうねりを見せている様子が、Ipex2014を契機として露見されてきた。
Ipex2014終了後数日して、過去4回のIpexを取り仕切ってきた実務責任者のTrevor CroffordがIpex運営から降りると発表された。Ipex運営チームのリストラもなされるとした。また、今年10月に開催されるCross-Media2014は開催中止とした。Ipex2014でCross Media Productionとして開催してしまった経緯があり、出品者が集まらないのが理由である。今までのような大規模ipexは成り立たなくなってきたし、今回のIpex展は小イベントを吸収して開催した余波とも言えよう。
iPEXイベントは限りなく、わが国のPageに似た仕組みに作り変えてこようが、これはそれなりに意義のあるイベントと評価したい。ただ、展示会を商売ベースで見るとどのように採算を取っていくか、あらぬ心配もしてしまう。
これがdrupa2016にも微妙な影響を及ぼして来ている。ハイデルベルグは社長交代の新体制になって、次々と斬新的な政策を打ち出している。Ipex2014が規模縮小を強いられたのも、ハイデルベルグの出品中止が引き金となり、主要機械メーカー、デジタル印刷機メーカーが追随しての中止につながった。
ハイデルベルグは最近になって、drupa2016での1・2号館出品中止もありうる、出すとしても、パートナー企業と組んでの出品となるかもしれないと、言い出して来た。一つに、デュッセルドルフ展示会公社の高圧的姿勢への牽制と受け止められている。他方ではハイデルベルグの社内での都合もある。1500人のスタッフを2週間、デュッセルドルフに詰めさせて4年に1度の大展示会を履行するメリットが見出しにくくなっているのだ。
4月の最上旬に本社研究所に業界記者を集め、Digital Sneak Peek(デジタルの覗き見)なる、思い切った記者発表を行ったが、その席で同社はデジタル他企業とパートナーシップを組んだ上でのデジタル印刷機を作り始めると言う、あの孤高のハイデルベルグにしては大転換の姿勢を打ち出した。まさに、大きなうねりが見え出して来ている。
ハイデルベルグのパートナー企業とは主に、日本勢をさすが、日本勢が世界的なキープレイヤーになってきているのだ。