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2014年04月01日

Ipex2014報告(5)

東レがチェコにこの時期に水なし版製造ラインを新設したことは欧州の印刷人には大変注目されている。これで水なし印刷に対する安心感が増大したと評価は高い。水なし版の主たる需要先はコルティナ水なし新聞輪転機用とGeniusを始めとするUV印刷用というところである。日本では商業印刷用に水なし版が主に使われているがその状況は全く異なる。普及機材の差が違いを際立たせるとも言えるが、欧州では水なし版は日本より価格が高い結果の差とも言えよう。
英国では水なし版の採用先は全部、カード印刷などのプラスチック素材へのUV印刷となっている。これをバックアップしているのが東レの英国代理店・Classic Colour社である。同社は水なしインキに特化したインキ会社で欧州一円に水なしUVインキを供給している。
欧州では水なし印刷は、いわば、UV水なしと言う、ニッチ市場で活躍してくれているのだ。よって、導入先は商業印刷のような競争には巻き込まれていない。
今後のことを考えると、競争市場の商業印刷だけでなく、ニッチ市場の水なしUV印刷市場を狙うのが生き道かもしれない。
第2の水なし版版材メーカー、Presstek社は意欲的にIpex2014に出品していた。彼らはクイックマスターDIやリョービのDI機向けのDI版を供給してくれている。この度、Presstekはイスラエルの第3の水なし版メーカー・VIM社を買収し、体制強化に乗り出した。
我々にとって困ったことに、今までDI版を比較的安価に購買できた先が吸収合併されたことで、強気の値上げを通告してくれている。DIと言う独特の水なしオフセット方式で小ロットカラー印刷をこなしてきた需要層にとって突然の値上げは手痛いものである。何とか値上げの抑制の折衝を重ねたが、新しい相手は強気の一点張りであった。
Zahara wl-plate.jpg
旧VIM社か開発した新しい水なし版、Zaharaはいよいよ、Presstek社のZahara版と言う名で市場に投入される。これは東レのイノーバのように水現像でできる版であり、再現性は20μを保障、耐刷力は10万枚と言うから仕様上ではすばらしい。日本でもテストし、ぜひ、製品評価をしてみたい。水なし版の商品幅が増えるのは結構なことであるが、強気でない価格の設定をしてもらいたいものだ。
Presstek社の出品機は新台でなく、整備された中古機であるが、今やメーカーが新台を売るだけでなく、整備機をも売る時代になってきているのだ。
LED-UVはこの1年で後付の形で米国、欧州で普及しだしてきている。各市場で20セットほど投入されていると言う。今の段階では水ありLED-UVで残念ながらまだ、水なしLED-UVの事例はない。
誰しもが水なしLED-UVはインキ−水バランスをとる必要がなく、印刷速度も上げられると評価するが、いまひとつ、対応するインキメーカーが少ないのが困りものである。
欧州では水銀ランプの使用規制の網が2年後からかかるため、LE-UV(低出力UV)は使えなくなり、勢いLED-UVを指向している。
今メーカーが必死に開発しているのは、高波長+低波長のLED-UVランプの登場で数年後には市場に出てくるとしている。すると今までのUVインキはそのまま流用できるようになり、これがひとつのブレークスルーになって行こう。問題は複合波長LED-UVランプの素子の開発で各メーカーが目下、凌ぎをけずっている。
欧州の事例を見ると水なしUV印刷分野にはまさに、ニッチの儲かる市場として存在している。彼らに見習ってぜひ、この市場を開拓してみたいものだ。