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カーボンオフセット

2012年02月12日

低炭素化の啓蒙を巻き起こそう(その2)

今年の寒さは異常気象によるもので、地球温暖化に起因する要素があります。ならば、少しでも低炭素化への意識を向けなければなりません。低炭素化の運動は総論では理解していますが、今日の経済情勢下ではなかなか、人々は身を乗り出そうとしてくれません。でも、身近なところから、毎日、小さい心がけを積み重ねてゆくことから始めたいものです。前のブログで、卓上カレンダーの例を取り上げました。
この卓上カレンダー3点をくらべ、どの製品が低炭素であるのでしょうか。あるモデル工場で作り上げたという前提で、3点の製品のLCAで言うKg-CO2値をPGGで計算してみました。感覚ではA社が低く、ついでB社、最後がC社と思いがちですが、結果は、A社が一番低く、次いで、C社、B社となりました。
印刷物でKg-CO2負荷が一番かかるのは用紙です。
A社の製品はカレンダーの玉用紙を両面刷りで作り上げ、用紙枚数を減らしているのでLCAの負荷をかけていません。1点あたり147g-CO2と出ました。また、特殊な加工はなく、目下は手作業組立であり、この項目はLCA計算に入れていません。A社の計算結果です。
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ついで、C社のCO2排出量が低く出ました。
玉の用紙サイズが117×117mmとA社・B社のものよりワンサイズ小さく、紙の分の負荷がかかっていないのです。ただし、プラスチックは紙よりも廃棄時の負荷量は紙よりもかかっています。1点あたり181g-CO2と出ました。C社の計算結果です。
120212C-Co.jpg
B社の製品は使う方での実用性は群を抜いています。玉用紙の裏白は一見、無駄とも思われがちですが、重要なことが書き留められるメモになってくれます。しかし、LCAのKg-CO2量は一番かかっています。1点あたり216g-CO2と出ました。でも、悲観することはありません。玉を両面刷りにしてしまうと数値は激減します。B社の計算結果です。
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卓上カレンダーを作るにしろ、今ままではデザイン性、実用性、経済性の追求ですみました。でも、地球温暖化の対処が叫ばれる今日、製品にかかるKg-CO2を自ら算出し、できるだけ低炭素化につながる製品づくりをすべきでしょう。日本WPAの会員になれば、クラウド上のPGG(印刷排出量計算ソフト)を無償で使え、しかも、その使い方、活用の仕方まで無償で講習しています。
印刷物には余白部があり、ここにバタフライCO2ロゴを掲示することを通して、消費者に知らずうちの低炭素化への感心を引き起こす、これが我々水なし印刷人の勤めと心がけています。