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セミナー・見学会

2008年11月22日

日本WPA第15回セミナー見学会・近江八幡市で開催

日本WPA第15回セミナー見学会は環境に厳しい県、滋賀県の近江八幡市にあるアインズ株式会社の環境先進工場を総勢、69名の参加者を得て11月20日(木)の1時から開催された。この会には全印工連水なし印刷研究会の方々も、11名参加された。
工場単に先端の印刷機をそろえているだけでなく、営業マンのPCと工場の進捗管理、原価管理が直結していて、仕事の進み具合を製造・営業で共有する仕組みを作り上げていた。今年からはこの管理部門はフレックス制になっていて、朝7時から夜中まで仕事の進み具合を営業マンも捕まえられるようになった。また、校正もpdfリモート校正で遠隔出先機関でもリアルタイムに出力できる。
滋賀県の広報紙プラスワンは完全に水なしオフ輪に移行して印刷されていた。このオフ輪機(A横輪転機)は9月からは100%水なし運用に切り替えている。
水なし剥離機を導入したおかげで、月間5000版の水なしCTP製版が楽にこなせられるようになった。ハイデルベルグのコールド箔押し印刷機・フォイルスターが菊全機と菊半機の2台を装備されたが、多様な原反、素材の印刷加工をこなしていた。
枚葉機の分野の水なし比率は相当上がってきている。これからの課題はUV水なしへのチャレンジであるとしていた。
この春先、ハイデルベルグのA3アニカラー機(キーレスアニカラー印刷機)を導入されたが、これは前準備での損紙率を大幅な削減を狙ったものである。しかも、新人の女性オペレーター二人でこの機械をこなしていた。
印刷技術の向上と伝承を狙い、社内マイスター制度を作っている。26歳までの方は、ギムナ(徒弟)であるが、経験と試験を重ね、星1つから5つまでのマイスター昇進の道が開かれる。
驚いたことはとにかく工場内は清潔そのもので、自分たちで夏休み中に床ペンキを塗布したのだと言う。
14:30からホテルニューオウミに場所を移し、大森社長のあいさつ、田畠会長のあいさつ、奥継雄全印工連水なし印刷研究会会長のあいさつ後に、アインズ株式会社の谷康夫取締役から、アインズの環境への取り組みにつき、体験談を講演していただいた。同社は創業130年以上を迎えた会社で、時代とともに、たゆまざる前進を重ね、近年は環境意識の高揚を図った、ものづくり、社会貢献を目指されている。
樹脂パレットの採用、グリーン購入ネットワークへの加入、2003年には水なし印刷の導入、チームマイナス6%への参画、2006年には環境見積書の運用を開始、FSC認証取得、水なし印刷によるCO2削減証明書の発行、エコ通勤推進キャンペーンの実施、琵琶湖環境ぺーパーLBEPの提唱、また、商品群としては、グリーンプラ、オリジナルマウスパッド、ポケットティッシュボックス、ミルクうちわなどのユニークな環境商品を作り上げている。
マザーレイク琵琶湖を抱える滋賀県は環境にはことのほか、熱心な県で今後とも、環境を意識して水なし印刷を通して印刷ものづくりに励まれるお考えを力強く述べられた。
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セミナーに熱心に聞き入る参加会員