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2008年04月19日

UV水なしFM印刷限定勉強会を清水印刷紙工・群馬工場で開催

 PETなどの特殊原反にFM高細線、水なし、UVと言う斬新な印刷手法で新印刷技術の開発、合わせて新需要に結び付けられた清水印刷紙工様のサクセスストーリーを勉強する会を4月18日、清水印刷紙工株式会社・群馬工場で限定人数の参加者にて開催された。
 呼びかけの案内をした途端、あっという間に定員数に達し参加できなかった方にはお詫びを申し上げる。
 開会に先立ち、日本WPA会長・田畠久義から、この会の開催にあたって、清水宏和氏の心広い厚意に謝意を表し、同時に、今日では環境保全として単にバタフライロゴを表示するだけでは提案力は薄く、水なしとMUD、水なしとFM/UVと言う複合提案が求められてくるが、清水印刷紙工様はまさにその先端を実践されていると述べた。
 清水宏和氏(清水印刷紙工株式会社社長)は従来の印刷企業の脱皮をはかり、独自の事業領域の確立を目指す具体計画に取り掛かったのが7年前。都心の工場を売却し、思い切って創業者と縁のあった群馬県館林市への移転を決意。その前から欧米の先進印刷工場数十社を見学し、理想的な印刷企業モデルの掌握に努められた。具体的な工場移転シミュレーションのもとに、計画は実行されたが、印刷オペレーター達は全員、自らの住居を引っ越して館林に移り住む忠誠心を見せてくれたのだ。
 理想形の印刷方式として水なし印刷に目をつけ2年前に導入されたが、特殊原反にUV、水なし、FM印刷を実践されている印刷会社はなく、印刷材料・インキの開発には苦労を伴った。適正なアンカーコート材、マッチングするインキ、このめどがついたものの、ゴミ対策、静電気除去法の確立、安定した印刷標準条件の確立。これらは一つ一つ、試行錯誤を重ね実用技術として確立していったのだ。清水社長は参加者におしげもなく、その神髄を公開してくれた。
20μのファインドットを安定的に印刷するには、水なし印刷は大きな要件となる。水があるとファインドットに回り込み、本来の点質をゆがめてくれる。水なし化して分かったことだが、一旦、色調整のスライダーが決まり印刷にかかったものが、印刷停止をしたのち、印刷再開にかかってもスライダーは動かさなくて色はそのまま保持されている。水があるとそうとはいかない。
この技術を駆使し、同一版を使って4色+4色による、PETへの高濃度印刷を実演してくれた。その出来栄えはまさに写真並みの高濃度が上がったものであった。
 しかし、印刷条件の標準化を維持し続けることは容易ではない。同社では50倍顕微鏡で拡大撮影した網点を恒常的にサーバーに落とし込んでいる。この手法で印刷条件の標準化を維持している。参加者との質疑応答の中には、水なし6色分解による特色再現の可能性など、水なしの将来性の核心を突く鋭いものも飛び出した。
 もう一方のテーマ、UV水なしFM印刷における、従来の水ありオフセット方との比較した、Kg-CO2の優位性につき講演していただいた。これは何とあるクライアントにプレゼンして評価された内容のものである。アルコールを使わない点、FMよるインキ節減効果、水を使わない点をある標準ジョブでのKg-CO2換算した節減量を提示してくれた。今まで、印刷人は観念論・概念論で印刷の環境取り組み度を訴求をしていたが、最近のクライアントは具体的な数字でどれぐらいのkg-CO2量が減ったのか、と言う数値表現を求めてくる。その自社におけるモデル量を公開してくれた。さらに、大事な視点は、環境省の身近な地球温暖化対策−家庭でできる10の取組みの数値を引用され、日々のCO2削減量は「取り組み」をしても極わずかに見えるが、年間に累積すると大変な数字となる。この累積年間削減量と言う意識喚起を訴えられた。
あっという間の、2時間で大変中身の濃い勉強会を清水印刷紙工様で開催させていただいた。
清水印刷紙工様のご厚意にこの場を借りて深く感謝申し上げたい。
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UV水なしFM印刷限定勉強会で熱心に聞き入る参加者
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UV水なしFM印刷はKg-CO2上でも従来印刷法より優位と説明する清水和宏氏