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2005年05月01日

全印工連水内印刷研究会での全印工連・会長・浅野健氏のご挨拶

この新しい研究会の第1回目の催事(平成17年4月22日開催)に当り、全印工連・会長・浅野健氏より、力強い、励ましのご挨拶をいただきました。
全印工連・会長・浅野健氏のご挨拶
全印工連水なし印刷研究会の誕生をうれしく思います。
この会の発足に当り全印工連の内部のことを話せねばならなりません。全印工連は47都道府県の印刷工業組合を会員とした、業界団体です。業界団体として、業態変革推進プランを各組合に提示させていただいているところですが、全印工連には業態変革、マーケティング、技術、環境などの5つの常設委員会があります。この常設委員会は年に2回、上期に1回、下期に1回しか、予算の関係上、開催できません。年に2回の委員会開催で何ができるか、かねがね問題を感じていました。これでは各地の組合の情報発信と受信のことしかでききれないのです。
ところが、印刷業界にはさまざまな課題が浮かんで来ています。業界団体として、何か具体的な成果を上げるべきでないかと考え、昨年度から研究会を発足したいと皆様方にお話をさせていただいていました。基本的には受益者負担、ご興味のある方が手弁当でお集まりいただいて、そこで意見交換、研究されてその成果を共有されると言う仕組みです。
受益者負担であり、全印工連の予算は全くつきません。予算付けがないため、逆にさまざまな制約条件から開放されることになります。いつ開始しても、いつ終わっても良いし、これは自分たちだけの情報だ、これは業界全体でもつ情報だと、情報の色分けも配信も可能となります。
現在までマーケティング研究会、産業ビジョン研究会が発足され、既に1年間活動を続けています。昨年、水なし印刷で先行されている、田畠久義様、奥継雄様、柏木恵太郎様が要望書を持って私のところに訪ねてくれ、水なしの研究会を全印工連の中でつくったらどうかと言うご提案を頂きました。先ほどの思いがございましたので、まさに渡りに船となりました。こう言う研究会こそ私が望んでいたものなのです。
印刷産業にはさまざまなサークルがあります。無論、業界団体としての工業組合はありますが、それが全てではありません。例えば、メーカーさんのユーザー会もあります。印刷産業にあるさまざまな集まりが相互乗り入れをすべきではないでしょうか。いろんな団体・グループが相乗効果を出しながら、大きな成果を導き出す。こんな時代になったのではないのかと思います。
そんな思いの中で、日本WPAのお三人の方がお見えになって、全印工連を通じて、自分たちが研究してきたことを全国発信してあげるとの趣旨を述べられましたが、喜んで全印工連内にその組織を作らせていただきましょうと言うことになりました。そして第1回目のセミナーを開催することになったのです。これからはさまざまな業界課題がありましょうが、大きな課題の一つとして資源環境問題があります。枚葉機の両面機化が進み、水なし印刷がスポットライトを浴びようとしています。日本WPAの皆様は既に水なし印刷に取り組んでおられるが、全印工連水なし印刷研究会の方はこれから水なし印刷に取り組もうとされている方かと思います。先行者が後から来る方に情報提供しようと言う話が今まで印刷業界にあったであったでしょうか。大きく捕らえていかねばならない環境変化の中で、プロの印刷業者同士がレベルの低い段階での競争をするのでなく、新しい環境価値を創造し、どのように顧客に付与していったらいいか、それが印刷産業の活性化に繋がり、顧客の信頼獲得につながっていくのではないでしょうか。改めて、今まで研究を重ねられた日本WPAの皆様方にお礼を申し上げるとともに、全印工連水なし印刷研究会の皆様がぜひ、水なしの足がかりを掴んでいただくようになり、まだ市場単価の高い、水なし版の消費拡大を通して値下げになることを祈ってやみません。これが水なし先行の日本WPAの皆様への恩返しになるものと信じます。本日は新藤様の工場見学もあり、盛りだくさんの行事ですが、参加者が勉強され、成果を上げられることを祈ってやみません。
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184名の参加者の前でご挨拶の全印工連・会長・浅野健氏