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2020年09月15日

サンアート印刷がオンライン検査装置の導入で品質管理体制を強化

愛知県春日井市の株式会社サンアート印刷は、デザイン力のある若園社長のもと、企画から制作・製版・印刷・加工・配送までのワンストップサービスを提供している。 特に土日の対応面で、他社と差別化できる納期対応を実施し、「鬼納期対応」と名付けて幅広い支持を受けている。

(左:若園宣治会長
右:若園俊介社長)

サンアート印刷は、昭和21年に靴下製造と輸出用コースター製造業から印刷業に進出したことから始まった。
昭和59年に靴下、輸出用コースター製造部門を廃止し、社名をサンアート印刷に変更した。平成5年にはカラー製版システム一式を導入して製版分野に進出。昨年10月には若園俊介氏(37)が社長に就任された。

仲間仕事がメインの同社は32年間、水なし印刷の高品質を追求してきた。若園宜治会長は「水なし印刷のきっかけは、湿し水のトラブルを無くすことで高品質の印刷物を実現することでした。インキがにじみやすい薄紙・凹凸のある紙では水ありと水なしの違いは一目瞭然でした。絵柄の大きな紙面はもちろんのこと、高精細な描画ができるため文字のカスレはありません。くっきりした文字が再現でき、微細なデザインを必要とする印刷に最適です。また水を含むことで紙そのものが伸びることがあり、紙伸びが発生すると見当ずれなどの原因になります。水なしは水を使わないため、紙伸びが発生する心配がありません。CTPになってからはピンホールが無くなり、さらに高品質になりました。愛知県で水なし印刷を導入したのは2番目でした。日本WPAの会員番号は7番目でしたから、全国でも最初に水なし印刷に取り組み、高品質を実現して顧客から信頼を得てきました」と語る。

3台の菊半裁4色機は全台を水なし印刷で運用している。KOMORIリスロン26菊半裁4色機の2台、三菱DAIYA菊半裁4色機の1台を全て水なし印刷で行う。このうちKOMORI機の2台にはダックエンジニアリングのオンライン検査装置TrinityTLC401Mを後付搭載、校了紙検査装置、ジー・ティー・ビーのCorrectEyeを導入して品質管理を万全にした。

若園俊介社長は「特色の両面印刷や金銀の印刷といった付加化価値の高い宣伝印刷物やシール・ラベルの印刷物を常時受注しているため品質検査を万全にしている。検査装置の導入は従来の抜き取り検品の作業負荷を削減し、検品工程をシステム化した。特色の両面刷りや金銀など高級印刷に検査装置は欠かせません」と検査体制を強調する。

また若園社長は、「水なし印刷は湿し水を使用しないので、エッチ液IPAなどの有害物質が含まれていません。また現像工程の現像液使用量・廃液量も大幅に減り、環境への負荷が格段に少ないことが明らかにされています。グリーン購入法やSDGs社会を迎えて、水なし印刷の役割を高めていきたい」と語る。環境配慮印刷と品質管理体制の強化を合わせ、今後の営業活動に自信を深めている。