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2019年06月08日

国立環境研究所 五箇公一氏の講演会を開催

日本WPA第9期適総会後に、五箇公一氏の講演会を開催した。

学者らしくない風貌の五箇公一氏ではあるが、立て板に水の語り口で、演題は「生態地球環境変動がもたらす生態リスク」で、次々と馴染みのある生物の例を挙げながらの90分の分かりやすい講演会、あっという間に終わる素晴らしい、また楽しい講演会であった。
とても書ききれませんが、講演内容の極々一部を紹介する。
トップバッターの生物は、ヒラタクワガタでした。520万年もかけて地球の北と南で個々に進化(多様化)し、人間とチンパンジーくらいの遺伝子レベルで差ができている。南のヒラタクワガタをネットで購入し、北のヒラタクワガタである日本のヒラタクワガタと交配させれば、簡単に新種が生まれてしまう。人間はこの様に生物多様性を簡単に壊してしまう。
今や、人間が感染すれば100%死亡する狂犬病のキャリア動物であるアライグマが野生化している、その他の外来種も含め、結局は我々のライフスタイルが招いており、貴重な生態系を破壊している現実がある。
一昨年にヒアリが日本で見つかったが、このヒアリが一旦コロニーを作れば、他国の例ではとどめなく増殖している。五箇公一博士は、世界に先駆けて駆除システムを開発されている。
ところでは、五箇博士は、「ダニ愛」が半端でない。得意のCGで制作された「ダニの画像」がお気に入りとのこと。ダニ画像と一緒に有名人とのツーショット(ダニも加えてスリーショット)写真が、次々に出るわ出るわ!
遺伝学を駆使しての研究に加え、CG制作、講演、TV出演のマルチタレントぶりに感心するとともに、何よりも「生態リスク」についての警告に衝撃を受けた。
そして聴講者には、特製のヒアリ・エコバックまでプレゼントをいただきました。