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日本WPAの活動  - 2015年7月 -

環境と未来を考える(株)ハンソン実業〜水なし専用印刷機に転換させて水なし印刷を専用実施〜PrintingKorea誌で大きく報道

隣国・韓国の印刷人は世界マーケットを見据え、環境と高品質を前面に出し、先進的なパッケージ印刷分野に狙いを定め、水なし印刷の導入に踏み切った。相当に腰を据えて水なしパッケージ化を狙っている。我々も対岸の事象と見過ごすべきではないのだ。

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水なし専用機に改造した印刷機を東レ本社技術スタッフが再点検している。

多くの産業がそうであるように、印刷産業も環境という側面では様々な問題を抱えている。印刷工程ではインキを始め、数多くの薬液が必要不可欠である。しかし、印刷産業を含むあらゆる製造業において環境に関する制約が強まる流れのなか、環境に優しい印刷方式も様々な形で導入されてきた。水なし印刷はこれまで知られている環境に優しい印刷方法の中、最も根本的な方式として知られている。VOC発生の主な原因であるIPAを使う湿し水の介入を最初から排除するからだ。既存の印刷機を専用機に切り替え、韓国で最も早く高品質で環境に優しい水なし印刷を実現した(株)ハンソン実業(会長 キム・チュンウン)の取り組みが注目されている。

クライアントの理解度の向上と使いこなし
ハンソンは、昨年から水なし印刷を実施してきた。しかし、インキと湿し水との反発原理を活用した従来のオフセット印刷方式に慣れている韓国では、水なし印刷では予想もしなかったいくつかのハードルにぶつかった。ドットゲインの少ない水なし印刷の特性は、従来の印刷物よりさらにシャープで力強いトーンで仕上がってくれ、色目は元のデータにより近いが、韓国の顧客は従来の水ありの品質に慣れていることでそれに違和感を感じ、鮮明でシャープな水なし印刷よりむしろ網点のゲイン量が多い従来の印刷品質に戻してほしいという要求も出てきた。今は実績が増え、顧客の理解も高まっており、新版を中心に水なし印刷が徐々に増えている。水ありで刷ったリピートの仕事もトーンカーブを調整し、色目の誤差も最小限にしている。

水なし専用機への切り替えと機械の最適化
2015年3月、ハンソンは三菱D3000LSを水なし専用機にすることを決めた。東レ本社のエンジニアを招待し、水なし専用機としての機械設定を三菱重工の協力のうえで行って、以前と比べて確実に進化した完璧な水なしの品質が実現できるようになった。
代表取締役であるキム・チュンウン社長は、「水なし印刷の発祥と言える日本でも水なし印刷は兼用ではなく専用機で使用していると聞いている。今回、三菱D3000LS機を水なし専用機化にして品質が安定し、ノウハウが蓄積されたら、KBA RAPIDA-105も水なし専用機に切り替える予定である。」と話した。また、「ハンソンは水なし印刷を通じ、韓国で環境に優しく、高品質印刷の先頭に立つことを実現していきたい。」と強く誓った。
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ハンソン実業は印刷室の環境を改善し、騒音·振動を最小限に抑えるために、中央コンプレッサー室を設置した。

温度管理と水なし標準データの蓄積
水なし印刷の導入に成功するためには、水なし印刷に必要な室内環境作りが何より重要である。つまり、室内温度の管理が最も大事だが、おおむね25℃前後が適切であり、現場に温度が調節できるような設備が必要である。水なしは温度に影響を受けるため、年間温度の統計データを蓄積することが望ましい。特に、夏と冬場の温度管理が大事である。また、版面温度に適合するインキの使用が重要であり、インキが硬すぎるとゴミを呼び込み、軟らかすぎると地汚れの問題が発生する。
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東レの技術専門家を招聘して水なし専用機の印刷物の上がりを確認している。

人体に直接接触する食品・製薬箱への水なし展開
水なし印刷は、環境に優しく高品質印刷の代名詞として知られており、韓国の印刷環境と技術を飛躍的にアップグレードできる技術である。そのためには、水なし印刷を通じて、品質を向上させ、顧客の理解も得ながら、従来の色目との差を最小限にすることがポイントだ。
水なし印刷に成功すると、それに相応する成長のチャンスも訪れる。湿し水の介入がないことは、印刷物に薬液が混ざっている湿し水が転移されないという意味でもある。そのため、今後、社会的かつ政策的に強化される環境への要求にも対応できる有力な印刷技術になると思われる。特に、人体に直接接触し、健康に直結する食品および製薬箱の印刷には最適である。水なし印刷は環境が配慮される将来の市場をリードしていくことが期待されている。
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東レ本社の技術専門家と一緒に、印刷環境のデータを記録して議論する様子。

2015年7月31日

北の大地で活躍を重ねる・・・

北海道で活躍する会員・総合商研株式会社を訪問させていただいた。
札幌地区で4版を発行するフリーマガジン、ふりっぱーは8月号では、869,000部を自分たちの手勢、ふりっぱーメイトの手で全戸に近い形で配布している。この印刷は、経年機のA1横輪転機により水なし印刷でこなしているのだ。水なし印刷のお陰でなんと言っても、色の差がロット間によって出難くなる。これは広告出稿クライアントにとって大変喜ばしいことなのだ。
このフリーマガジンがこの秋から、月2回の発行となり、いよいよ本格的に折込をこの雑誌にはさむ形を作って行く。新聞の読紙率が低下する中で、プッシュ媒体のチラシのよさと、効果を高める、ある種、素晴らしいソリューションを作ろうとしている。
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ふりっぱー8月号は、「日帰り夏旅」特集であるが、札幌1日帰りのできる近郊市町村の観光呼びかけ広告が出ているではないか。地方創生の呼び声がかかり、各市町村もあの手この手で街おこしに励んでおられる。この時流を早くも紙面に取り込み出していたのだ。

さらに次の格調高い、フリーマガジン、季刊誌、北海道応援マガジンJP01(ジェイピーゼロワン:通称ゼロワン)は、道内179市町村、14振興局のありのままの、でもありきたりではない魅力を共有し、「思わず出かけたくなる北海道」として読者にお届けする無料季刊誌である。
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web上でデジタルブックとして公開する一方、無料雑誌として道の駅を中心に5万部を置き本配布している。広告らしく見えない広告編集と言うのがその見もの。文字通り、市町村の魅力発信と、街おこしにつなげる意気込みをこめている。

同社はこの度、季節商材の受注増に合わせ、小森・菊半裁4色H−UV機2台の増設に踏み切ったのだ。入れ替えでなく、増設と言う話は最近あまり聞かなくなっていて珍しい。そのインキもK-サプライインキを選定され、速乾印刷を駆使して、需要増に応えようとされている。

北海道の土地柄は、決して好景気下にあらず、むしろ、全国的に見ても、陽が当っていない地区である。にもかかわらず、元気企業が存在することに感銘を受けた。

2015年7月24日

水なし印刷2氏が印刷学会誌に素晴らしい、体験上の総説を投稿

北東印刷工業株式会社・金本貴広氏が印刷学界誌第52巻第3号で総説「Japan Colorと水なし印刷による相乗効果」を、さらに、今野印刷株式会社の河内和史氏が総説「水なし化による自社色基準の確立への取り組みともたらされる効果」を執筆してくれた。

金本貴広氏はこの中で、次のように述べられている。

若手オペレーター教育への効果
弊社では、Japan Colorと水なし印刷による印刷の標準化により、オフセット印刷オペレーターの育成に数年の年月がかかると言うのは過去のものとなった。3ヶ月から6ヶ月の研修期間でメインオペレーターとして印刷機を稼動できるようになり、勤務体制を柔軟に組むことができるようになった。

新技術への迅速な対応
2014年7月、LED−UV水なし印刷の商業ベースでの実運用を開始した。(日本国内では初) 開発当初はトライアル・アンド・エラーの繰り返しであったが、インキメーカーや資材メーカーなど関連協力会社にも尽力いただき、安定して印刷できるレベルに達することができた。直ぐにカラーマネージメントに取り掛かり、後述する見える化により特徴的なトラッピングの問題が見つかったものの、さらなる改善に向け改良を進めている。

河内和史氏は引き続き、体験興味深い見解を披露してくれている。

5Sや「カイゼン」のよって得られる変化は小さく、多くの中小企業では思ったような効果を上げられないでいるのが本音ではないだろうか。弊社では、Japan Colorを自社色基準とすることや、「水なし印刷」の採用といった取組によって、新台導入にも勝る大きな変化をオペレーターにもたらしたと感じている。標準化や基準づくりは、どこからどう取り組んだら良いのか分からないことも多い。認証取得への取組によって得られる効果は、手段・手法を学べる点が大きい。変化が必要でどうしたら良いか分からないなら、認証が必要でなくとも、取得に向けて取り組んでみると良いだろう。

強い現場力を引き出し、競争力をつける一助とされているが、詳しくは、このpdfでご覧いただきたい。

2015年7月18日

第26回国際文具・紙製品展ISOTで光る印刷会社

ISOT Konno Printing.jpg仙台活版の展示物
 雨上がりの中をぬって、ISOT2015を見学した。
 我が協会の会員、今野印刷株式会社(仙台市)が「活版印刷でつくる、こだわりの名刺」と言うブランドを掲げ、始めて出品してくれていた。こだわりのもの造り、仙台活版と言う屋号での出品に逆の新鮮さを感じる。

ISOT-grand prix.jpgグランプリでかした、おめでとうございます。
 この展示会で一段と光った印刷会社は2015年の日本文具大賞・機能部門のグランプリに耀いた大和出版印刷(株)(神戸市)である。万年筆専用のふき取り紙「スイト クリーニング ペーパー」がその受賞となった。武部健也社長は実は、7月4日、仙台で開催されたSOPTECとうほく2015で、演題「独自紙製品ブランドを構築。ものづくりの衿持を見詰め直す。」にて、印刷人への発奮を促す講演をされ、大喝采を受けておられた。
 同社は従業員約30人。カタログやチラシの印刷から電子書籍の出版などまで幅広く手がける。「印刷だけでは受け身になってしまう」と考え、11年に文房具ブランド「神戸派計画」を立ち上げ着々と独自紙商品の開発に当っておられたのだ。もの造りには今も、活版印刷機を温存して、こだわり印刷にも励んでおられる。
 スイトは万年筆のペン先のインクをふき取りやすいよう、紙に独特な切り込みをつけたもの。紙の使い方を広げたことなどが評価された。今後も「ありそうでなかった文具を開発したい」と意気込んでおられる。
 ISOTには斜めモールで有名な中央区の印刷会社、名古屋の特殊印刷で名を馳せた印刷会社、大阪のシール印刷会社、松山のシール印刷会社、新潟県でネット通販をされつつ紙製品販売にも当る印刷会社、さらに、複数の紙工会社などが出品されていた。
 筆者は7月始めに開催されたブックフェアーも見学させていただいたが、印刷人の目から見ると、ブックフェアへの印刷関連出品者は激減しているのと対照的である。ブックフェアーは出版社とクリエーターの展示会になってきていて、その中での生き場所を確保している、大日本印刷、H印刷、M製本などは常連として光っているが、多くの印刷会社は出品撤退となっていた。
 今野印刷、大和出版印刷の果敢な挑戦と今後の活躍を祈っている。

2015年7月10日

SOPTECとうほく サンフェスタ会場・満杯の盛況で開催される

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 7月3〜4日に仙台のサンフェスタで開催された、SOPTECとうほくは展示会出展者73社・コマ数120コマ、セミナーは20講座の内容で開催された。サンフェスタ会場全館を使い切ってのイベントとなったのだ。2日間の延べ来場者数は9880人となった。
 東京ではプリメデックス展から印刷組合は手を引いたが、仙台では何と、地元印刷人のニーズをうまく引き出し、13年かけて、有意義な印刷産業啓発イベントを作り上げている。会場の容積に合った、ぴったりした規模に育ち、当然、採算性もしっかりしたものになってくれた。
 地方の印刷企業の印刷の情報収集はdrupaとか、IGASとかまでなかなか、手が届かず、中核都市仙台で身の丈に合った、内容的にも地方の実情に合うものが欲せられていたのだ。
 (一社)日本WPAはバタフライロゴ、AR日本WPAアプリの展示、応援してくれた東レ(株)からは、リノベーションの提唱、さらに、(株)アイカからは、ARを活用したクロスメディアツールをFFGSブースの中で展示・案内させていただいた。
 意外にも反応をいただいたのが、ARを活用したクロスメディアツールで、これはまさに、印刷物だけでなく、クロスメディアで印刷物を補強する斬新な手法に注目されたのである。応援してくれた、FFGS仙台支店の佐藤所長始め、スタッフの皆様方、東レの辻旭弘さん、アイカの添川雅紀さんに深く、感謝したい。
 協賛セミナーは26年度の印刷産業環境優良工場表彰・経済産業大臣賞を受賞された、六三印刷の三島専務、岩淵工場長から、「六三印刷の環境対策」について、2時間にわたる、その経過と報告を語っていただいた。我々はFFGSとともに、本セミナーの協賛をさせていただいた。

2015年7月 6日

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