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日本WPAの活動  - 2014年10月 -

Graph Expo 2014レポート(5)

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先にも触れたが、展示会は規模の大きさではない。来場者にとってためになる、買いたいものが見つかるものであり、出品者にとっては購買意欲のある来場者が来てくれ、多くの購買に結びつくことである。主催者はその取り持ちの土俵を作り、双方の魅力造成に勤めることである。Graph Expo 2014(GX14)は今までにない大変濃い内容の展示会と関係者は証言している。実にうらやましい限りである。
 展示会にハプニングはつきもので2001年Print展では例の世界貿易センタービルへの突入テロが起き、残り何日かのところで大手の出品者は引き払った展示会の会期前閉めを起したりした。今回はそれほどまでもないが、開催直前にオーロラ市の連邦航空局(FAA)での火災がおき、4251便もの欠航が発生、シカゴ近辺2空港で12,000便の深刻な遅延が起きた。
Discovery Print Houseのオーナー、Igbanny Kaluは28時間かけて会場に入ってきたりした。こんなハプニングで、Technology Watch のオーナー、Henry Freedmanは15の面談約束を履行できず、商売チャンスを逃したりするケースも出た。しかし、結果は昨年度の8%減、19,229人の入場者が来てくれたのだ。
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 開催直前の日曜日の午前中に開催されたExecutive Outlookセミナーは印刷会社の近未来の立ち居地を示してくれる洞察に富んだ話と評価され、また、Dr.Joe Webbの講演も大胆な近未来暗示を示すものとして大変好評であった。
 業界紙の取材録を見ても大半の出品者は売れてよかったとしている。売れ筋の大半はデジタルにまつわる商品であったが、アナログ商品でも光るものがあったとしている。後付LED-UVは前述したが、Presstek社はこの度、エプソンのプリンタをそのまま使い、アルミ生版の上に描画する低廉CTPシステムを発表し、これが受けているとのことである。エプソンプリンターをCTPに転用した発想で、インキは純正品でOKとする。また、このプリンターは校正用途としても使える2機能製品とするのが面白い。いわば、小企業向けの簡易CTP機+校正機と言う位置づけの商品である。
 また、ECRM社とのジョイント・ベンチャーを発表した、CRON(中国のCTPの最大のメーカー)が高機能・割安版をこの場で発表し、これが受けてきている。やはり、価格指向は今の世の中では避けられない嫌いがある。
 Drupa2016年は1・2号館を占めていたメーカーが方針の大転換を図り、パートナーと組んでの1号館出品としている。アナログ系印刷機メーカーも今までと違うデジタル印刷機を出品しそうである。その一方でHPは17号館を占有出品する。drupaの姿勢も大きくデジタルへ向かうものと思われる。
 GX14展はコンパクトにして大変見やすい、実のあるセミナーが充実した展示会とし、今後、印刷人の必見の地位を築く気がしてならない。ある種、drupaの先を暗示する展示会になっているのかもしれない。時代の変化が展示会の地位も変えてゆく可能性を感じた。

2014年10月24日

Graph Expo 2014レポート(4)

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後付けLED-UVを推進 AMS社
今年のノーベル物理学賞は日本の3人、赤崎・天野・中村氏に耀き、LEDが改めて注目されるようになった。この発表の前、GX展では重量印刷機の影が薄くなる中で、会場のGREENspace展示館で最大ブースを占めて出品したAir Motion Systems社(AMS社)、その印刷機用の高出力LED-UV装置が光っていた。
同社はこのLED-UVランプを既存のあらゆるメーカーの印刷機に後付けするサービスを打ち出している。電気エネルギーが世界的に高騰する中で、また、なかなか新規設備がし難い中で、この「LED-UV装置の後付サービス」が受け、この数年で70台を設置し、今展示会での受注数を入れると100台にまもなく達するとしている。
新製品・XP7 シリのーズLED-UV装置はGX展の「Must see賞」を獲得している。

南ホールS404bcで9月30日12:30より特別セミナー開催されたが、大反響であった。
この装置は最短で1日、通常は数日で後付けができる素早さ、ソリッドステート構造で長寿命と言うのが売り文句である。
使用者側のメリットとしては、スプレー不要で、裏をひっくり返して通してもそりが出ない。傷・汚れがつかない。刷了後、直ぐに加工に回せるとし、納入先では生産性が30%上昇した例(Thysse Printing, Wisconsin)が出ている。
UV方式に比べ省エネで、各種法令に準拠している点が評価されている。

このような既存印刷機に付加装置を後つけして、生産性向上・機械の再使用を目指す動きはある意味では、今日の象徴ではあるまいか。先々が不透明な世で、既存設備の更新は図りにくい側面があるからだ。
我々は既存機での「水なし化リノベーション」を提唱しているが、形は違えども米国を始めとして各地でLED-UVの後付が受けてきているのもうなづける。

2014年10月13日

Graph Expo 2014レポート(3)

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web-to-printはさらに進化する
Midstates Groupは南ダゴタ州にある印刷会社で、その子会社Quality Quick Print(QQP) は一歩進んだweb-to-printで業績を上げている。Sales & Marketing担当副社長、Justin Feickertによると、同社は小ロットデジタルもの、大判プリンター、Tシャツ印刷などこなし、この度、web-to-printを手直しして売上げ増を果たすことができた。
従来のweb-to-print上のjob flowでは標準もので11タッチを要した。これは今日では多すぎよう。そこで、基幹のソフト・PreseWiseにSmartSoftを付加させる必要が出てきた。
直接、後方のMISを動かせることで操作が軽くなえり、タッチ数を減らせられる。
そのために、MIM(Marketing Inventry Management)なる顧客向けサイトを作りこんでいる。
1)大会社向けにはその会社のERPに合わせた作りこみをする(MIM Pro)
2)中小企業向けにはちょっと手を加えられるだけの作りこみ(MIM Light)
を作った。
これで11タッチから2〜3タッチで注文ができるようになり、結果、同社の受注高は8〜10%増加し、利益は20%増加してくれたのだ。

本体部門のPrint & Media SolutionsがPreseWise(在庫・フルフィルメント管理付)を導入したが、そのお陰で250,000ドルの売上げ増をもたらし、そのフレームを使って商売をしているQQPも、一歩進んだweb-to-printのお陰で受注増につながったのだ。

ある製造業者で1500店のディーラーを持ち、200もの品種(写し絵からマグネット品、製品ブローチャー)を扱っていたが、ここにはMIM Proを使ってもらった。Midstatesは1日、20〜40のフルフィルメント(詰め込み)の仕事がくるようになる。これだけで年間、100,000ドルの売り上げ増となってくれた。

Midstatesは毎月のサイト管理料、在庫保管料、詰め込み発送料をいただいている。PressWiseのお陰で業際を超えた仕事ができるようになった。名刺を1箱の処理に15〜20分もかかる仕組みでは、儲けが薄くなる。お客さんからたくさん仕事を頂き、新規開拓を重ねると、値段も下げられ、儲けもついてくるのだ。


Graph Expo 2014レポート(2)

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RITの名誉教授・フランク・ロマーノはこのGragh Expoについてこう言い切る。
「Graph Expoの規模の大小が問題ではない。過去、41回Graph Expo展に参加し、今回の展示会についてコメントしたい。展示会を規模で評価する議論は間違ったことだ。過去の展示会よりも、今年の展示会ではより多くの新しいソリューションが出ている。つまり、新しい、産業を変えるソリューションがあるかないかが問題なのだ。」

米国の景気が上向いていることも手伝い、会場での商談は近年になく、活発を極めたが、特に新規ビジネスのための投資が目立ったと言う。印刷会社の業態変革姿勢が目立ってきているのだ。売れたのはデジタル印刷機、web-to-printソフト、その関連品である。購入者は事前に下調査をし、複数の購買候補を選定して、会場ブースを訪問する。最終判断を会場で行うが、売り手の方も展示会価格を切り出して対応する。デジタル製品とかソフト類は見て直ぐ見極められるものではなかろうが、バーチャルのデジタル展示会の機能がここでは販売促進を発揮してくれる。主要な出品社は以下のような展示会での反応結果を示してくれている。
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Graph Expo 2014の総括として、Chris Bondyはこのように言っている。
.妊好トップからクラウドへ向かう。
その主導はAdobeでCreative Suiteの成功が引っ張ってくれている。そのdata management, web-to-print, print management systems、ほとんどはクラウド化されている。
なぜ、クラウドというと、それは費用の問題である。クラウドだと迅速設置ができ、リアルタイム更新がきき、全台のPC移行が簡単に行える。
いままでのデスクトップはコスト高につくし、融通性に欠く。ソフトウエア技術屋のメンテはクラウドの方が効かせやすい。
EFI, Adobe, Xerox, GMC, Avanti, MindFireの製品はクラウド化されている。

▲ぅ鵐ジェット洪水が起こってくる。
主たる業界ベンダーが新機種を投入、または、コア技術活用のパートナー路線が打ち出されてきている。
CanonとOce, XeroxとIMPIKA, HPとKBA, KomoriとLanda, KodakとBobst それに RicohとScreen、それに、HDとFujiという具合だ。
2年前のdrupaと比べ、品質、用途開発で向上し、インキジェットは今や小ロット専用だけではない。
「生産インキジェット機」(プロ仕様機)が登場してきている。まもなく、印刷会社が印刷実機の購入の一候補にまで上げてこよう。

自動化へ向かう製本加工分野
デジタル印刷方式が一気通貫で製本加工まで自動化するには2つの関門がある
1)RIPとDFE(digital front-end)間のVDP page description language (PDL)つまり、 PDF/VTの標準化
2)加工工程に渡すジョブチケットの標準化である。
しかし、他方ではHorizon, Duplo, C.P. Bourg, Hunkelerの例を見るように、JDF/JMFを使ってのニア・ライン、インラインの自動化が着実に進んできた。
将来は、前もって製本設計をして加工機に自動化して流せられるようになっていこう。

2014年10月12日

Graph Expo 2014レポート(1)

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Graph Expo展(GX展)は米国で開催される印刷展示会でPrint展のない年に、毎年開催される展示会である。かっては重量印刷機メーカーが中心部に構え、アナログ印刷を謳歌していたものがこの数年ですっかり形が変わってしまった。当然、展示会規模は小さくなり、来場者数も減ってきた。今年のGX展の裏側の空きスペースには無残なものがある。

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しかし、さすが、デジタル先進国の米国では展示会+バーチャル展示会の素晴らしい仕組みを整えつつあり、時代のニーズに応えられる形となってきた。いわば、リアルとバーチャルの仕組みを複合させ、難解なデジタルの知識、製品を見極め、選択するにはうってつけとなってくれている。

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展示会は4日の会期で終わる。バーチャルの展示会はそれに比べ会期が終わっても何ヶ月かは残せる。ちょっとした、見落としとか、調べ物をする、または、同僚に伝えるにはこのバーチャルの仕組みは有効である。開催日の朝は、Show Dailyなる展示会の出品・イベント広報が紙媒体で配られるが、今回からこれがサイト上のpdfで見られるようになった。これで展示会に行かなくとも展示会の雰囲気をずいぶん掴められるようになった。
従来の冊子案内カタログの情報が何と、今回からスマホに格納され、紙本でなくスマホディスプレイを頼りに会場のブース回りができるのだ。

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GX展の来場者は事前登録した上で、固有バーコード番号のついた名札をいただく。入場時は必ず入り口係員の手でバーコードがスキャニングされ、入門者の実数が把握されているのだ。また、会場内イベントとか、カタログをもらうにしろ、名札のスキャニングが求められる。よって、出展者とか、イベント担当者は誰がブースを訪ねたかを把握できる。

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今年の入場者数はまだ、発表されていないがおよそ2万人ちょっとという感じだろうか。しかし、購買意欲の旺盛な客が押し寄せ、会場が狭まったせいもあるが、ひっきりなしの応対に明け暮れたと述べる出品社が多い。また、商談成約も多くできたとしている。
出品社の規模別ランキングで見ると、何と日本のデジタル機メーカーが大規模ブースを構えているのだ。日本勢なくしてGX展は成り立たないといっても過言ではない。驚くことに重量印刷機はリョービMHIのLED-UV機とPresstek社の小型4色機だけとなってしまった。今や、PX展はデジタル展と言う形に変質してしまっているのだ。

2014年10月11日

カーボンオフセットにかく取り組んだ

 我々は既に、6年間にわたり印刷物製造時の負荷であるCO2排出量の「見える化」を実施してきているが、これを一般市民にどのように訴求するかの問題に当初、突き当たった。当時は、カーボンフットプリントは一般的に認知されておらず、より社会貢献につながるカーボンオフセットをまずは活用することから始めた。
 当時、カーボンオフセットプロバイダーは限定的であったが、そのなかでも先行していた(一社)日本カーボンオフセット(COJ)の支援を受け(図1)、CERをトン当たり4000円の価格で購入したものを会員企業へ譲り渡すことから運用を開始した。ところが、この価格ではクライアントが負担しにくく、割安クレジットを探すなかで、東日本大震災が発生し、価格をさらに低減したものが求められた。他方、震災の余波でせっかく盛り上がったカーボンオフセット事業にも冷水を浴びせられた。
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図1: COJと共同で構築した水なし印刷の国内クレジット・ カーボンオフセットの仕組み

 そこで我々は思い切って、在庫していた国内クレジットの販売促進も狙い、クレジット購入者には別途、協会の原資からトン当たり3500円を東北復興義捐金の積み立て基金に充当する、東日本復興義捐金付き・カーボンオフセットの国内クレジットを考案し、促進キャンペーンを打ち出した。 2012年6月5日、この義捐金は目標の150万円に達し、日本赤十字社において贈呈式をさせていただいた。
 その後、あの痛ましい東日本大震災への継続的な支援の意思表示として、経済産業省が作り上げたトン当たり1500円(義捐金充当750円、クレジット分750円)の東日本復興支援・国内クレジットの活用に取り組むこととなった。
 2014年度からは、この意思を引き継ぎ、カーボンフリーコンサルティング(株)のより安価な東日本震災被災企業支援クレジット(図2)を活用している。

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図2: カーボンフリーコンサルティング蠅療貽本復興支援・国内クレジットを活用した カーボンオフセットの仕組み

 他方、国内クレジットは地産地消でこなしたいというニーズが、最近富みに増してきている。この声に応え、滋賀県版地元クレジット(図3)を2014年4月から始めることになり、順調な滑り出しを見せてくれている。

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図3: カーボンフリーコンサルティング蠅涼六挫肋叩国内クレジットを活用した カーボンオフセットの仕組み

 地産地消のクレジットで地元企業、行政からの受けの良い仕組みである。この計算と運用は会員ならば無償のPGGクラウドを使って運用できる。

2014年10月 4日

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