日本WPA : Japan Waterless Printing Association

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日本WPAの活動  - 2014年7月 -

まさにアンコールの喝采の(株)ウエマツ戸田工場の工場見学会

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参加者を魅了してくれた福田浩志氏の講演風景

7月18日の(株)ウエマツ戸田工場のアンコール見学会は既にご報告させていただいたが、同社社長・福田浩志氏の経営の体験談には我々に大きな刺激を与えてくれた。リーマンショックの最中にこれほどの工場建設に踏み切られた心意気、先見性、それに、ものの見事に社員を統率され、一つのベクトルに向かう様子をとくと見聞きさせていただいた。
工場見学に移ったが、工場の随所に環境配慮がものの見事にされている。単に、ハード面の素晴らしさだけでなく、運用する方々のソフト面に思わずうなってしまった。
福田社長の講演をここ.pdfに掲載させていただく。

参加者からいただいたアンケートを異口同音に絶賛の声となってくれた。
アンケート回答抜粋
・印刷環境をよく考えて作られた工場と志気の高い社員の方々の取り組みや成果を見させていただき刺激を受けた。
・どの職場でも社員の方々の明るい挨拶が印象的だった。
・印刷機の古さを感じなかった。
・他社の工場全体を見る機会がないので大変ありがたい。
・廃棄物の分別、工場内美化が徹底されている。
・印刷現場のパウダー汚れやインキ汚れなどあって当然のものが無く気持ちの良い現場だった。
・紙の出し入れのシステムがすばらしい。
・新人教育、オペレーターの育成の仕方がすばらしい。
・空調管理、工場内の5Sが徹底している。
・三菱8色機で両面刷なのに1.2万回転と高速稼動していることに驚いた。
・会社全体が一体化している。
・品質管理以前に企業コンセプトの確立が立派で流石と感心した。福田社長様の経営方針がゆるぎなく実施されている。

会を催したものとして参加者に喜んでいただき、大変、やりがいを覚えさせていただいた。感謝!感謝!

2014年7月23日

新潟市2社でVOC値を測定、水なし印刷機の値はやはり低い

7月16日(水)生憎の雨ではあったが、前より約束の日であったため2社を訪問することになった。
最初の訪問先は、港南区のA社。A社は、高付加価値・特殊加工印刷で他社との差別化を推進し、パッケージや厚物印刷で顧客の心をしっかりとつかんでいる。訪問本来の目的は、日本WPA・水なし印刷会員への入会案内とCFPシステム認証参加勧誘であった。こちらの方は、ご対応いただいた製造本部長の一声で、ご入会及びご参加いただくことになり大変ありがたく感謝している。一方、他の要件でたまたま持参していたVOC測定器の話になり、急きょ工場内を測定することになった。A社では、それまで工場内のVOCを測定したことは無かったため、測定数値を見るまでは多少不安を隠せない状況であった。測定結果は次の通り(限られた時間であったため、要所要所の測定を行った)
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大変ハンディな高性能VOC値測定器2020PROを携帯して測定した。ご要望があればどこでも計測に行きますよ。

正面玄関    0
事務所      0
応接室      0
入場準備室 工場に入る前の防塵服を着用する部屋  8 
工場入口     20 
水あり機。妝峙‘拘屐20~25、
  インキツボ上、  35
  機械の周り   20~23 
水あり機¬性機胴間 36  
        機械周り 20~23
水なし機 胴間   15  
        排紙部 10  
         機械周り 10~15
この結果から、工場の換気が十分に行われているため、工場の入り口と機械周りで大きな差が出なかったと推測される。また水なし印刷機は、水あり機に比べ10PPMCほど数値が低く表示された。全体的には工場のVOC濃度が大変低く抑えられ、優れた環境であった。これら結果を受け、ご担当の製造本部長はほっと胸をなでおろしていたが、翌日には工場の関係者にこの結果を伝えたいとも話されていた。測定させていただいた当方も、この結果には大変うれしく思っている。

引き続き、同市南区のB社訪問。
B社は、全社で環境問題に積極的に取り組み、コミュニティー紙や各種出版物など幅広く手掛けており、常にお客様の視点に立った物づくりにこだわっている。
VOCの測定が訪問の本題ではなかったが、社長様のご要望もあり測定を行う。
既に水なし印刷に取り組まれて数年は経つが、工場内のVOC濃度が気になるところではあった。結果は、ユニット間や工場中央では、15〜20PPMCであった。空調はもとより、十分な換気を行っているためか低い数値しか示さなかったのである。ただ、工場2階の事務所で測定を行った際には、工場と同様の数値20PPMCが現われた。階段伝いにVOCが上昇したのであろう。二階に通じる階段入口(1階)にも何らかの仕切りを設ければ、この数値は下がってくるであろうと推測する。

2社工場に共通して言えることは、印刷工場の換気が十分に行われていたこと、そして使用済みウエスの缶に蓋をしてあったことだ。このことが、VOC濃度を著しく下げたことは間違いないであろう。また、水なし印刷を採用し行っていることが、その数値を更に押し下げたといっても良いであろう。工場環境を更により良くするために、これからもVOC測定などで会員企業様をサポートし、水なし印刷化を進めていかなくてはならない。

2014年7月22日

アンコール見学会に65名のご参加 ウエマツ戸田工場見学会

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福田社長の熱のこもった講演の様子

7月18日(金) 14時から17時まで、ウエマツ戸田工場見学会は65名の参加者を得て、遠くは徳島県、山形県からの方も見え、盛会裏に催された。
冒頭、主催者を代表して日本WPA/田畠会長が挨拶に立つ。
「当工場は、25年度印刷産業環境優良工場表彰・最高位表彰を受賞されたが、そのハード面での整備のみならず、ソフト面で従業員様のモチベーションの高さ評価されている。2月に開催された見学会では多数の方々にお断りをしてしまい、そのアンコールの意味も込め、開催させていただいた。新鋭の設備をご覧いただくとともに、経年の廃棄しようとしていた印刷機を水なし化に転用し、機械整備をかけた結果、新台性能に復帰して使えるようになってきたが、これを水なしリノベーションと呼んでいる。6台の機械を水なしリノベーションしている姿も合わせてご参考いただきたい。」とした。
次いで、ウエマツ(株)の社長・福田浩志氏が「同社の概要紹介と環境問題への取り組み」について講演される。その後、4班に別れて工場見学へ移る。
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15時50分より、タケミ株式会社・社長・柴崎武士氏から「水なしリノベーションの実用化報告」と言うテーマで、経年機を軽整備して水なし印刷に転用し、再延長して使うリノベーションの成功例を披露してくれた。オフセット印刷のトラブルの主原因は水から来る問題で、経年機ではメンテ不良などが重なり、見当不良、色むら、生産性阻害の事象が起きている。よき時代だと、機械の入れ替えでことを済ませたが、現下の経済状況では、費用対効果を重視すると、水なしリノベーションは理にかなった方式と映る。事実、ウエマツ様でもこれで成功されたし、各地でこのリノベーションの成功例が続々と誕生してくれている、とした。柴崎氏の講演録の一部を披露させていただく。
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2014年7月19日

進取の杜の都・仙台を再発見

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仙台で11年続いているソリューション・イベントSOPTEC2014に始めて見学させていただいた。かつては日本各地で印刷地方展が数多く開催されていたが、印刷展示会そのものがどこも規模縮小する中で、SOPTECは展示会でなく、ソリューションイベントとして発足した経緯があり、昨年より出展者も1/3も増えた形になってくれた。
地場の印刷人のニーズに合う課題を拾い上げ、ミニセミナーと言う形を20本も設けていた。
何とこれはロンドンのIpex2014が今回見せた形を11年も前に仙台で開催してくれていたのだ。まさに、時代の先見性を利かせたイベントであったのだ。無論、この間、試行錯誤を重ねられ、今の形のイベントに落ちついたのである。
このイベントを編み出されたのは針生英一氏であるが、11年前に出品者から数多くの展示会はもういい加減にしてくれとの出品者の声に応え、新しい形を打ち出された。当初はセミナー中心のイベントであったが、やはり、展示物もないと寂しいものがあり、今の形に落ち行いてきたのだ。
知人のメーカーの方が東京から駆けつけてこられたが、その熱気を感じ取り、来年はぜひ、出品したいともらされていた。聞くと、他の地方の展示会主催者もSOPTECのイベントに注目し、見学にこられたと言う。

仙台の印刷工業団地は日本第1号の印刷工業団地であり、50周年を終えた歴史を持つ。先代の故今野氏、故針生氏らが中心となり苦労を乗り越え、進取の気構えのもとで協同組合団地を設立されたが、そのDNAがしっかりと現世代に受け継がれ、発展されている。SOPTECを発案されたのも団地組合・2世経営者の針生英一氏である。
また、印刷団地協同組合はビジネス・デザイン・センターなる斬新な構想を掲げた、地元企業活性化を狙った、インキュベーション+ビジネスデザインの新事業に取り組みだしている。ものづくりの達人は仙台でも多数おられるが、これをどうマーケティングし、消費者に届けるか、その具体的なソリューションに手を染め出そうとしている。実に、印刷人としては夢があり頼もしい事業である。
幸い、その支援を背負ってくれる人材も現れ、グラフィックデザイン、CI、VIも含め、販促展開をした結果、既に成功事例も数例誕生してきている。いわば、これこそ米国で今言われている、マーケティング・サービス・プロバイダーではないか。
東日本大震災で仙台は相当に痛めつけられたが、この負荷をばねとし、生まれ変わりの兆しを見せてくれていた。

2014年7月 9日

3工場とも低VOC値の環境優良工場だ

7月4日(金) VOC測定器を携え、東北地区の会員企業3社のVOC値の測定に当たった。各社とも、細心の注意を払い、VOC抑制に努めておられる様子が伺えた。
A社はラベル・パッケージに特化された工場で、水なしUV機(この春先に導入した最新型菊全6色コーター印刷機)と水ありUV外国機(菊半歳6色コーター印刷機)を計測させていただいた。
水あり機の方は、アルコールを最少量添加して使う以前の機構のもので、水なし機から見るとVOC放散値は高めに出ていたが、一般的事例から見ると大変低い数字になっている。UV印刷であるゆえ、使う洗浄液類が油性印刷とは異なり、この影響は見られるようだ。
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B社はチラシ、冊子ものをこなす、商業印刷工場であるが、高い天井と低速扇風機による空気の攪拌のバランスが取れていて、大変低いVOC値を示している。1箇所、空気溜りのところがあり、高めの数字となったが、他社から見るとこれでも低い数値である。同社は大阪市で起きた胆かん発症事件を反面教師とし、洗浄時には毒マスクを着用しての作業に当たらせる徹底ぶりである。
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C社の機械保全はすばらしいものがある。経年機をものの見事に自主メンテナンスのもとで機械を動かしている。基本は水なしで逆を言うと、水なしであるがゆえ、メンテも行き届くのかもしれない。全般的にVOC値も低いが8色機などは機械が長く、奥まったところに設置されているので空気溜りが起きている現象が見られた。気になる数字ではないが、空気溜りをとる工夫を凝らすに越したことはなかろう。
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全般的に、我が会員企業は環境への意識が高く、VOC放散値でも低い値を示してくれていたる。

2014年7月 5日

ところ変われば品変わる・・・欧州の水なしUVではEPDMローラ、日本では樹脂系ローラ

 EWPAの方々と意見交換する中で、欧州での水なしUV印刷ではゴム系のEPDMローラ(UV専用ローラ)が必須とAlexもDetlefも主張する。ところが、日本では専用ローラでなく兼用タイプのローラが好まれてきた経緯があり、兼用タイプの樹脂系ローラが普及してくれている。

 汎用ゴム種として名だたるEPDMゴムは、印刷用ゴムローラとしても、古くからUV用専用ゴムローラ材質としてシール印刷分野などで使われている。EPDMローラは欧米でも、日本でも各社ゴムローラメーカーから提供されているが、この材質はUV専用タイプで油性インキとの兼用ができない。

 日本市場ではEPDM系の専用ローラより、UV兼用ローラが好まれたため、特殊NBRゴム系材質の方が主流であったが、その流れに沿って同じく兼用タイプの”樹脂系ローラ”が普及されたため、今では、EPDM系材質はごく一部のユーザー層で使われ、日本市場ではあまり使われなくなってしまったのだ。

 現在、日本では、一般的にUV用ローラとしては樹脂系ローラが大半を占めてしまっている。樹脂系ローラの特長として、ゴム系よりUVインキ・洗浄液にも耐膨潤性があり、表面強度もあり、ローラの発熱性が小さく(水なしにも適する)、また、ローラ表面上でのインキしまり(乾き)障害等がほとんどなく、さらに、印刷紙面へのUV硬化障害もなく(LED-UV系でも問題ない)、ゴム系UV用ローラに比べて樹脂系ローラの方が大幅に使いやいとの評価が出ている。

 日本のUV印刷市場での普及度で見るとEDPMローラでなく、樹脂系ローラであるが、欧米では逆に、樹脂系ローラーの普及度は低く、この樹脂系材質は、欧米では敬遠されているきらいがあるのだ。
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加貫ローラ製のUV水なし印刷に適する樹脂系ローラ、アバントUV30

 その主な理由は樹脂系では、加水分解(軟化劣化)を懸念されているためであろう。日本市場では使用される洗浄剤の影響度も含め加水分解の発生はほとんどいないが、日欧間での使用される洗浄剤の違いが加水分解を誘発する要因の一つにあるようだ。

よって、欧米では、現在もEPDM系のUVインキ専用ゴムローラが広く好まれる傾向にあると解釈した。

2014年7月 4日

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