日本WPA : Japan Waterless Printing Association

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日本WPAの活動  - 2013年4月 -

第3の水なし版メーカーが来日、新製品テスト

VIM社はDI印刷機用の互換版のメーカーとして、2000年に誕生した。当時、ハイデルベルグ・クイックマスターGTOVが脚光を浴び、その後、クイックマスターの登場、さらに、KBA
カラット(B2)が出てきて、これからはDIの時代と一時はもてはやされた。ところが、プレステック社のDI版は1社独占の商品にてその版は大変高価についていた。
イスラエルに本拠地を置くVIM社は機敏に時代を読み取り、このプレステックDI版に挑戦する互換版メーカーとして登場してきた。
DI版のある特許が昨年に切れたことにより、米国でのVIM社のDP-R版(DI互換版の名称)の販売がうなぎのぼりに上昇してきた。DI版の本拠地の米国で成功を収めてくれている。同社は2006年に日本WPAの協賛会員となり、我会員のDIユーザーに購買会という仕組みでDI互換版を供給してくれ、購買会の実績も63回も続くものとなっている。

この度、VIM社のCEO・Ronen Frishと技術者・Yuval Duboisが来日し、水なし版新製品・DOS版(無化学処理現像・高細線・高耐刷力版)のテストのために来日した。24日は西宮市のわかくさ印刷で、CTP焼き付け、印刷テストを行った。
ハイデルベルグのTop SetterでDOS版を焼き付ける。光源のモジュール度のデーターがあいにくなく、手探りでの焼時間の設定を行ったが、東レ版に比べ、35%増のレーザー量を与えたところ、満足のいく結果が得られた。
わかくさ印刷の水なし版は外注に依存していて、現像装置がなく、やむなく、テスト版は手現像で行った。ところが、この版の色は真っ黒で検版が非常にしにくいものである。この理由は8月に切れる特許をまって、可視検版のできる色に変えるという。まだ、第1次製品テストという段階であったのだ。東レのイノーバ版とその性質は限りなく似ていて、手で擦っただけで非画像部は落ちてくれる。
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東レイノーバ版の概念図、DOS版は限りなくイノーバ版に似た性質の版である。

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角2封筒をSM52-4機に積んで印刷テストへ

試しに、日本WPAの角2封筒、本番の仕事を通してみた。手現像不備の箇所が露見され、その箇所だけ機上の版を水を含ましたメリヤスウエスで軽くこすって、さらなる部分現像を行った。これで版は目指すところの現像は達成でした。しかし、実用としてはやはり、水現像機が必要であるのは論を待たない。わかくさ印刷の女性オペレーターは慣れたもので、あっという間に、製品の角2封筒500枚を刷り上げてくれた。
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角2封筒の刷本を点検するYuval Dubois

22日は岩崎鉄工株式会社のTR-2ラベル印刷機でのテスト刷り試験を行ったが、同社の井後課長から刷出しの地汚れがなく、インキの着肉性の良さを評価してくれるものであった。
テスト版では300線を再現してくれる内容で、高細線は確認できたが、残念ながら耐刷力のテストまではできなかった。秋には再度来日し、完成版を持ち込んでベーターテストをしたい意向のようである。
3日間、水なし印刷関係者のお力を得て、テストをさせていただいた。彼らと同行し感心したことは、顧客に入り込み、単にテストをするだけでく、顧客の悩み、泣き所を丁寧に聞き出していることであった。一人何役もこなす役者たちで、必死で水なし印刷人の悩み、展望の余地を聞き出し、解決策を編み出していこうという姿勢に感心させられた。短期間で、イノーバーに似た製品を作り出し、さらに今以上の製品開発を目指す所存がはっきりと読み取れた。
水なし印刷人にとって力強い味方になってくれそうである。

2013年4月26日

印刷物、VOC排出ゼロ 日精ピーアール 新装置導入(日経産業新聞4月8日号)

日精ピーアールの水なし印刷を前面に掲げた、環境に取り組む活動が日経産業新聞4月9日号に取り上げられた。以下その記事の本文を転載させていただく。
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保有する印刷機全2台をエッチ液などの薬剤を使わない「水なし印刷」装置に改めた。従来型は色をつけない部分にアルコールを含んだ水を流し、水がインクを弾く性質を利用して印刷する。この際に出る廃液からVOCが発生していた。新しい装置は薬剤と水の代わりにシリコンを使う。インクの原料も石油製品から植物性に変え、VOCの排出をゼロにした。
再生可能エネルギーで発電したグリーン電力は昨年度に、年間30万キロワット時の消費電力のうち、2万5000キロワット時を購入しており、今年は2倍に増やす。将来は全量をグリーン電力で賄うことを検討している。印刷用紙はNPO法人の日本森林管理協議会が承認する森林保全に配慮した製品を使用する。
印刷物には/紊覆薫刷、⊃∧性インクの使用、グリーン電力の活用、た肯喨歔粥宗修鮠斂世垢襯沺璽を付ける。環境配慮をしたい企業や自治体からの受注拡大を見込む。同社の売上高は2013年3月期に約8億円。16年3月期に売上高2割増、売上総利益3割増を目指す。中村社長は「環境対応で印刷物の付加価値を高めたい。」と話す。
VOC排出量の抑制は印刷大手も取り組んでおり、大日本印刷が11年度に前年度19%、凸版印刷が7%削減した。VOCを回収して焼却したり、有機溶剤に戻して再利用している。両者とも水なし印刷を一部で導入しているが、顧客の様々な要望に応えるため印刷機を全て入れ替えるのは難しい」(凸版印刷)と言う。

▼揮発性有機化合物(VOC) 英語でVolatile Organic Compounds。トルエンやキシレンなど石油化学製品が代表的な物質で、塗料や接着剤に多く含まれる。大気に放出されると光化学スモッグの原因となり健康に悪影響を及ぼす。
 政府は大気汚染防止法を改正し、06年度から施設ごとに排出基準を定める規制を開始した。10年度の国内の排出量は05年度に比べて3削減の79万トンだった。印刷業の排出量は全産業の6%を占める。                ‐‐

2013年4月14日

これぞ生産性と環境のベストミックスだ

4月5日、株式会社ウエマツの戸田新工場の工場内VOC測定を行った。3月末に古い測定器で計測をしたが、測定器の調整ミスで正常に計測することができなかった。今回は念を入れ、測定機も新しくした2020PROで行った結果、素晴らしいウエマツ・戸田工場の姿が浮かび上がってくれた。

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左のA機はダブルデッカー4/4・8色機で17年の経年機である。これを整備し、水なし化することで以前、露見されていたファンアウト現象を押さえ込むことに成功し、本機は再度、現役復帰してくれたのだ。品質面での改良が図られただけでなく、計測の結果、新鋭の水あり兼用8色機より、はるかに低いVOCの放散値を見せている。この機械から出ているVOC値は平均28.7ppmで、水ありのB機から見ると半分以下ではないか。全ての水なし機がこのような結果となならなかったが、言えることは確実に、水なし化した機械のVOC値は低く出る。
ウエマツの技術陣が取り組んだこの着想はまさに、環境面から見て大変素晴らしいことを実践されている。カーボンフットプリント(CFP)の観点から見ると、既存機をさらに延長して使用することにより、新台1台分のCFP値を節減したことになる。日々発生するVOC値を大幅削減し、合わせて新台1台分に相当するCFP値を削減する画期的なサステナビリティ(資源好循環)を実践してくれていたのだ。
むろん、最新の水あり新鋭機の生産性の実力には経年機ではかなわないが、要は印刷総需要が伸びない世の中で、このような両者の合わせ技のベスト・ミックス手法を編み出したことは実に素晴らしい。

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工場内と外の主要なVOC放散ポイントを計測してみた。このオレンジ色の部分、排気されているVOC値は工場内のVOC放散値より低いではないか。徹底した、外への排出防止に努めている姿勢が読み取れた。各階の資材庫には廃ウエスドラムが置かれているのでやや高い値を示したが、最高でも70ppmに留まった。また、廃ウエスドラムにはしっかりと蓋が取り付けられていて、VOC対策は万全である。
4階の会議室は最上階の密閉された部屋になっているせいか40ppmを示した。これは何ら問題のない値である。感心したことは1階の水なしA機のVOC放散値は、4階会議室の値より低いのだ。それだけでなく、食堂と同等の値なのだ。
これは印刷室環境に大変勇気づけられるる朗報と受け止めた。昨年度、印刷界は胆管がん騒動に見舞われる不幸に遭遇した。こと、株式会社ウエマツはそれを撥ね退けてくれる、生産性と環境の調和と向上を巧みにはかっているではないか。株式会社ウエマツの工場関係者の努力に敬意を表したい。

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2013年4月 6日

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