日本WPA : Japan Waterless Printing Association

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日本WPAの活動  - 2013年1月 -

次の一手は「きらら折り」

ハリセンスで静かなブームを呼び起こした佐々木さんは次の一手として、きらら折を考案してくれた。今度は逆転の発想できらら抜き加工した用紙を販売し、手持ちのプリンターで手軽に印刷して自社製品にしてもらえるように願っている。きらら折を紹介させていただくと・・・
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きらら折ではドブとつなぎを入れた箇所が折り目となるが、折って仕上げた形状が膨らまないのがミソ、さらに、どんな折り方をしても膨らまないのだ。詳しくは現物を手にしてみていただきたい。
見込める分野はダイレクトメールであるが、どの小口紙面も素直に広げられるのは今までにない方式。
小ロットものはプリンター刷りだが、佐々木さんの作った今年の卓上カレンダーのきらら折は水なし印刷機で印刷してくれている。

2013年1月30日

これぞ小企業印刷人の魂だ

光本好雄さんがハイデルベルグ本社で1ヶ月に渡るプレスマンスプールに参加してくれたのが47年前、当時高校生の美少年が、その後、自営のわかくさ印刷(兵庫県西宮市)を興し、今は孫を抱える爺となってしまった。でも、そのドイツで見聞き、経験した原体験が印刷業への執着心を持つ続け、独特の印刷業を築き上げた。
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愛機SM52-4Pを前に光本社長とオペレーターの方たち

こんな世の中だから、うんと儲けることは出来にくい、でも、しぶとく生き延びている。社員7名は全部女性、平均年齢も若い。彼女たちはDTPもこなせるし、印刷機も操作できる。原稿が入ってくると一斉に2階へ上がってプリプレス作業に取り組む。下版されると、下へ移動し、印刷、製本作業にかかるのだ。見事な多能工化の仕組みになっている。
ハイデルベルグSM52-4Pは5年前にGTOVと入れ替えた。GTOVはまだまだ使えるものであったが、光本社長の凝り性でSM52-4Pの機能に惚れ込んで設置した。社長はプリプレス担当のS嬢を徹底的に仕込んで印刷を習得してもらった。機械操作の基本はメンテということを徹底したことがその後の花を咲かせる。
水をできるだけ、絞り、粉を最小に抑えて水あり印刷をする、その結果、普通のカラーものだと15分でひっくり返して裏刷りへ持ってゆけるまでになった。(第1の印刷常識の打破)水なし時でも15分でひっくり返し印刷ができている。
次にチャレンジしたのが水なし印刷だった。経産省のグリーンパーフォーマンス事業に取り組んだのが縁でCFP計算法、後に、PGG計算法を習得してくれ、印刷LCAをこなすまでになってくれた。
世の中の印刷の常識では水あり印刷と水なし印刷を混在させて印刷するのでは非常識としている。ところがここでは水あり、水なしを頻繁に切り替えて使っている。(第2の印刷常識の打破)湿し装置の着脱とローラー上のインキ洗いだけの手間で切り替えはすむ。肝要なことはウエスは水あり、水なしでは分けて使っている。
この機械にはローラー冷却装置はついていない。にもかかわらず、アルポインキを使ったら、5000枚までは地汚れなしで印刷できる。夏場はちょっと工夫して、クーラーは冷やし目、昼休み時は機械カバーを解放して置く、これだけのことで水なしが問題なくこなせる。
封筒の水なし印刷が割合に多いが、封筒を横積みして通している。封かんシールのついた封筒でもシールの巻き込みなしでスイスイ通すではないか。普段は機械は一人操作だが、封筒の時はデリバリーにもう一人付いている。
封筒印刷は割合、再版が多く、水なしは再販にはうってつけと評価してくれる。
ローラーは5年間、巻変えていないがまだ使えるという。ローラー洗浄は洗い油のあと、仕上げ洗浄にローラークリーナーを使っているのがコツという。
たえず、現場の工夫を凝らし、印刷常識に挑戦した結果がこのような独特の印刷作業形態を作り上げたのだ。それにしろ女性社員7人に囲まれた光本好雄さんは羨ましい・・・
印刷の常識を打破して新しい仕組みで運用、光本さんにぜひ、見習っていただきたい。
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封筒の原材料から、生産、廃棄までの工程にかかった温室効果ガス量を算出して表示するLCA算出法を体得し、印刷商品につけてくれる。

2013年1月26日

水なし印刷技術は欧州新聞印刷で最高の評価を得る

ヨーロッパでの水なし新聞印刷の評価は、小部数下での生産性の高さ、さらに品質と環境性能の高さを得て、非常に高いものがある。
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ヨーロッパでは新聞社が水なし印刷を採用して、大変高い評価を産んでいる。

フライブルガー印刷に驚嘆の声が発せられる
フライブルガー印刷社はヨーロッパの新聞印刷技術を牽引する会社である。2006年、2008年と2010年の受賞に続いて2012年も4度目の、印刷・メディア協会からその年の最優秀新聞印刷賞を獲得した。今回は、KBAコルチナ水なし輪転機に東レ水なし版を装填し、Rene Staud photo agencyの協力を得て、ニスコーティングを行ったが、審査員たちを驚かす出来栄えだった。
別の部門の受賞候補者、コンスタンツ印刷はコルチナの使用者であるが、同社の印刷物もエネルギー、紙、化学材を節減していると高い評価を受けた。同社も最初の受賞でなく、今回は印刷革新スター賞2012第2位を獲得した。審査員評としては「高い技術要素を組み合わせて、コンセプトの完璧な再現」を図り、時代の様相を打ち出しているとした。
審査委員長・マイケル・シェーファーは「革新的なコルチナ輪転機を駆使し、‐暖饉圓悗旅發ど床舛琉刷物を効率化とグリーン化を併せ持たせて作り込む、この3視点アプローチ」を評価していた。

ヨーロッパ新聞賞
第14回ヨーロッパ印刷全国紙賞の第1位はベルギーのDe Tijd紙、第2位はオランダのThouw紙が獲得した。両紙ともEco Print Centerで水なし輪転機で印刷されている。
De Tijd紙は2010年の発行数36,000部から2012年には39,000部に躍進させたオランダ語のビジネス新聞である。同紙は2012年3月にベルリン判(315 mm×470 mm)に変えて成功した。105,000部を発行するThouw紙はタブロイド判で数册の折込紙が折り込まれている。この授賞式は2013年3月にウィーンでのヨーロッパ新聞で行われる。

ヨーロッパ新聞業界へ喝采
東レインターナショナルの印刷化成品担当マネージャーの石井潤一氏は「素晴らしいKBAコルチナ輪転機に東レ水なし版技術を採用した組み合わせで高い品質の新聞印刷を達成しているのは大変喜ばしい。お陰様で欧州で幅広くこの方式が定着してきた。湿し水にある化学材もなくせ、これほどの受賞に認められた環境対応した上に、その生産性も周知の通りとなってきた。」さらに、「このユニークな生産方式で品質改善が図られた結果、編集者のご注目をいただき、画像とかグラフィックスをもっと盛り込んだ、見やすい新聞紙面にまでになってきている。」と、語ってくれた。

2013年1月19日

油性インキでの速乾印刷法

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日本印刷新聞の1月7日号に興味深い記事が掲載されていた。「油性インキでの速乾印刷法」とは今の印刷現場の悩みを解決してくれる方策であるのは確かだ。これを打ち出した関係者の皆様に深く敬意を表したい。
この手法のポイントは、水をできるだけ絞る、そのための機械コンディションをベストに保つと言うことであろう。

まさにこの手法を水なし印刷で10年前から実践されていた技術者Sさん(現在、印刷訓練校講師)に体験談を聞いてみた。
「機械メーカーに在籍中の昨年、この手法を新聞記事で知り、都下のあるユーザー印刷会社でも高い関心を寄せていたことを思い出した。
この手法で基本となるのは、印刷機械の正しいメンテである。自分の理解するところでは、多くの印刷会社の経営者はメンテのために機械を停止し掃除をするのは時間を無駄と見がちだ。少しの時間でも、紙の上にインキを乗せる作業をしていないと不安であるし、メンテは非生産活動だから現場が暇なときにやらせれば良い・・・・と、こんな感覚であろう。
一方、水なし印刷の元祖、B印刷社でのやり方を振り返ってみると、この速乾印刷記事に掲載されているような日常メンテを既に現場で行っていた。定期的なメンテ・掃除の時間を就業定時時間内に設定し、必ず実行していた。結果はどうであったか?
ある時オペレータ達から、仕事をどんどん入れられたためにメンテをする時間が取れない・・・と、クレームが出た。週末にメンテができないときは、必ず翌週にそれを行っていたのだ。
印刷品質維持のため機械のメンテは必要な作業であると、これは誰もが認めるところであり、全員が同じ意識で生産活動を行っていた。
メンテも仕事のうち、と経営者が認識を改め現場にその考えを浸透させていけば、速乾印刷法は水なし印刷でもできたるのだ。そう、水を絞りきった印刷が水なし印刷なのだ。
水なし印刷を使いこなすには、「メンテも仕事のうち」という考えを理解することにあると思う。中途半端な考えで水なし印刷を始めた会社は、途中で挫折することがままあり、そのことが水なし印刷の評判を下げる一因にもなったりする。
ある地方のF印刷のA社長に4年くらい前に、品質の向上のためには工場の環境と機械のメンテが重要であると説明したところ、即座に実施に移し成果を上げられたと喜んでくれた。そして、その延長線上で水なし印刷導入に結びつけることができ嬉しく思っている。
印刷は手間仕事である。手抜きを行うとやはりその影響は避けられない。他人任せのメンテは、結局品質維持にも良い結果をもたらすことが出来ないのだ。
メンテを徹底させて水なし印刷を運用すると、品質向上→ヤレ紙削減→資源削減→CO2削減→地球温暖化削減効果と、大きな好循環につながってくれるのだ。」
Sさんの体験実践論には奥深いものがある。

2013年1月14日

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