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日本WPAの活動  - 2012年7月 -

「水なし印刷による印刷物PCR」申請と意見公募

7月30日 我々の申請提出した『水なし印刷による印刷物PCR』が公示され、意見公募にかかることになった。
我々は算定の簡略化を目指したが、既存の印刷PCRと比べての正確性を問われる趣もあり、ここで我々の考えを表明したい。
『水なし印刷による印刷物PCR』による10項目限定のCFP算定の正確性について言及する前に、まずは既存の印刷関連PCRの正確性について考えてみたい。我々が作成した資料「印刷物CO2算定の簡素化について」を用いて;

A)紙のCO2排出原単位の差異によるCFP算定の正確性
B)積上・按分方式の差異によるCFP算定の正確性
について検証してみた。

Aについては、現行のCFP算定では紙の排出原単位は板紙・洋紙を全て一つの種類の紙として一本化しているが、LCA日本フォーラムの紙に関するインベントリデータを見る限り、種々の紙に対応した数値を活用していないことにより、正確性の問題が内在することを知っていただきたい。また、仮に複数種類の紙の排出原単位を活用しても、複数工場の排出原単位が荷重平均されていることを勘案すると、その正確性は完璧には程遠い(完璧にすることが不可能)と言うことを併せて理解しなければならない。印刷製造における最大負荷となる紙の調達にかかるCFP算定の正確性は、この程度の精度しか達成されていないのだ。
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Bについては、既存の印刷関連PCRでは積上・按分の何れの方法でもCFP算定は可とされているが,どちらの算定手法でも可とするほど狭い範囲内の誤差に収まっているものではない。一般的には、CFP算定対象物の製造ラインにおけるCO2排出には積上方式が概ね採用されているが、個別の生産設備の電力使用量測定などが困難である大工場や小工場では、製造と非製造を明確に区分けせずに按分方式で算定しているところも結構、多いのだ。同一の製品が、異なる会社により異なる算定手法で計算されることが許されてしまうことで、消費者へのミスリードが誘発されうる懸念を考えると,ここでもCFP算定の正確性が十分であると断言することはできまい。

従って、既存の印刷関連PCRからのCFP算定が絶対値で、『水なし印刷による印刷物PCR』による10項目限定のCFP算定では正確性が担保できないと妄信することこそが、正しい見方ではないと考える。

CFP算定をする上で、その絶対基準というものはどこにあるのだろうか。上記の何れの既存のCFP算定も“正確性”という観点からは問題があるというのが正しい見方ではないだろうか。ここで明確に認識すべきことは、CFP算定では(LCAでは)絶対的な“正確性”を求めることは不可能であるということなのだ。まずはこの点について十分に認識して頂く必要があろう。

どのようにCFP算定を試みても,絶対値とすることが不可能であるならば、短時間で算定が可能となることを志向することをめざすべきではないだろうか。算定項目のなかで、実際に生産に取りかかる前に想像の域を超えない項目や,投入量や稼働時間などの一次データ収集が困難であるような項目を算定対象から外すことでスピードアップを図り,その負担軽減により中小企業を含めた数多くの印刷会社にCFPプログラムに参加してもらうことが最終的な狙いなのである。

CFPが販売増・コスト減に効果を発揮できるのか、そして消費者の環境意識をさらに高めて低炭素なライフスタイルへ転換することのお手伝いができるのか、今こそ英断を持ってその効用を試してみようと思っている。以上をまとめた清水宏和博士(学術)の資料.pdfご一読いただきたい。

2012年7月30日

地球温暖化ガス抑制の運動はまったなし…九州の記録的集中豪雨、アメリカの熱波…

九州を襲った記録的な豪雨。梅雨末期の大雨は珍しくないが、「これまでに経験したことのないような大雨」(気象庁)となると明らかにこれは異常を指す。
気象庁によると、被害の集中した熊本県阿蘇市では、12日の1時間あたりの最大雨量が108ミリ。午後1時20分までの24時間雨量は507.5ミリで、観測史上最多となった。平年の7月1カ月分の平均雨量は570.1ミリなので、ほぼ1カ月分の雨が1日で降ったことになる。こうした異常事態を見越し、同庁では「これまでに経験したことのない−」といった表現を用いた。これは異常気象と言いたげなのは明らかだ。
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梅雨末期の集中豪雨は西日本を中心に、ほぼ毎年のように発生。発達した積乱雲へ、水蒸気をたっぷり含んだ空気が継続的に注ぎ込まれ、短時間で局地的な大雨が降る。それにしても、昨夏の紀伊半島豪雨など、近年の大雨災害は規模が大きい。その原因は、地球温暖化による海水温の上昇だという。
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米国ではついこの間、灼熱の熱波が東部から中部にかけて襲った。航空機のタイヤが駐機場で沈んでしまうとか、まさに、異状づくめである。IPCC(2001)のSRES A2シナリオ(経済重視で地域志向が強い)による温室効果ガスの排出が続けば40年後には今年のような熱波の発生リスクは100倍になるとする見解が出てきている。

地球温暖化ガスの抑制は待ったなしに事態になってきている。日本人一人一人にこの自覚が生まれないと行動にはならない。我々は地球温暖化ガス抑制の意識付けのために、産環協のカーボンフットプリント・マーク(CFP秤マーク)をあらゆる印刷物に発注者の理解を得て付けまくり、印刷メディアを活用した社会貢献活動を興したいと、印刷人に呼びかけていく。

2012年7月14日

「水なし印刷PCR推進協力者会議」をちよだプラットフォームで開催

経産省によるカーボンフットプリントの試行事業は平成23年度末で終了し、産環協への民間事業移行となった。多くの方々の努力の積み重ねでこの事業は曲がりなみにもひとつの基礎固めとはなってくれた。これに関わった一人として、ぜひ、本格普及へ持ち込み、究極的には国民、消費者の地球温暖化防止の意識の高揚へつなげたい思いでいる。
我々印刷人がこの事業に関与できるものではないのか? いや、我々印刷人こそ、印刷メディアの余白にCFPマーク(カーボンフットプリント・マーク)を意識的に着けまくり、一種のスポット広告まがいの効果を生み出せるのではないのか? 印刷物は消えて亡くならないし、再読性・回覧性があるのでとてつもない、累積効果を生むのではないのか?

そのためには、印刷人が簡易にして、正確な値を算出できる計算ツールをもとに、水なし印刷PCRとして新体制の産環協に申請するための、会員協力者で基礎資料整備、見解整合の会議を催した。この場には、申請代行・支援をして下さるTCO2株式会社のM氏にもご参加いただいた。清水宏和博士が長年かかって研究され、欧州や東南アジアの国際舞台でもその内容につき、高い評価を得つつ、現実的な運用構想を備えたPGGをベースにした斬新な構想の10項目代替・印刷PCR計算式を提唱してくれている。
早朝から、M氏を交えて申請素案の検討会を催した。同氏の見解では6月1日に発表された産環協のPCR要求事項に沿う内容が必要とされる。
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これを受けて、12日(木) 10:00から会員企業6社が集まり、現行の印刷PCRを申請して認可を得た会社3者も加え、問題点に踏み込んだ、突っ込んだ内容を討議した。

1)10項目代替案は現実的で、印刷現場を知り尽くした素晴らしい内容である。日本WPAが実際に昨年度に印刷PCRを申請して認証を得たCFP認証値3点につき、清水博士が示してくれた10項目代替値の差異を映したが、何と10%位に収まっている。
2)プリプレスのデザイン制作など外注の制作者にいちいち、所要時間を聞いても、実際にその振れ幅は大きい。結果、全体のCFP値から見ると取るに足りない数字で、なぜ、このような無駄なことを作業として義務付けるのか、疑問に感じる。
3)シナリオを作ってそれに当てはめようとする考えの実技上の不要な労力度に疑問を感じる。シナリオとは作成者本人の印象とか、意思がはいってしまい、その割に実際の数値と合っているのかもつかめない。一種のルールの作った側の自己満足の感じがして、運用者のことを全く考えてくれていない。シナリオなど一切なくし、必要10項目の値で出した数字でCFP認証値と差異が出ないなら、ぜひ、このような運用にしていただきたい。
4)まずは、10項目代替案のPCRをぜひ、申請して認めていただきたい。その後、名刺、封筒、典型的なパンフレット類、冊子類などのシリーズ認証が取れるように計らってもらいたい。

印刷媒体にCFPマークをつけまくる、これを印刷人が乗れるようにするには、現行のCFP値の計算手間を根本的に考え直す必要がある。清水博士は良く我々の感覚をつかみ、素晴らしい提言をしてくれている。
参加者から大変な激励を受けてしまうとともに、その責任の重さを痛感した。
12時で貸室は時間切れとなり、その後、1階のロビーに席を移し、M氏と清水博士を交え、素案と今会議で受けた会員からの要望事項のすり合わせ作業を重ねた。最後に会員の総意を込めた「水なし印刷PCR」推進の趣意をスライドでまとめさせていただく。

2012年7月12日

東京ブックフェアーに「イシイ」が意欲的な出品

第16回国際電子出版EXPOは 2012年 7月4日(水)〜7月6日(金) 2012年 7月4日(水)〜7月6日(金) ビッグサイトで開催された。ソニー、パナソニックが従来は大きく陣取ってくれたが、今年は業績のこともあってか、出品されていなかった。しかし、印刷界の雄、大日本印刷DNP(会員企業)はHontoを前面に出し、ハイブリッド書籍を打ち出す一方、凸版印刷Toppan(会員企業)はBookLIveを通して専用電子書籍端末を発表し、電子書籍時代を先導する展示をしてくれた。
製本会社が24時間対応をするとか、電子出版を支援するとかの新しいサービスをこの場で披露され、印刷産業の中小事業所も意欲的な取り組みをする姿が見られた。
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その中で、イシイ株式会社(会員企業)は全グラフィックデーターをクラウドで「Ishii Dam-Server」に管理し、関西の主要企業K社、P社の広告・販促グラフィックデーターの一元管理をすることで、両社の制作合理化に大変寄与されている様子を展示されていた。
まさに、今、印刷業界が提唱しているワンストップ・サービスを10年近く前から実践されていたのだ。
加えて、最近、堺工場の枚葉印刷機は全台、水なし印刷に切替えられ、湿し水をなくすことでの品質の安定、環境貢献を貫く姿勢を打ち出されている。

2012年7月 7日

旨さを科学する総合商研(会員企業)の掘り下げた働きぶり

札幌プリントピアが新築されて間もなくの頃、当時の、加藤社長に新社屋を案内してもらったが、2階の1室に、味香り研究所なる部署があり、ビーカーやらフラスコが置かれていたことを思い出す。これが一端の母体を担い、2004年に(株)味香り戦略研究所が子会社として設立された。
同社は総合商研の連結決算会社として大変ユニークな活動をされている。色の世界ではCIELABにより、数値・座標軸で表されるようになったが、味・香りの世界でも限りなく、数値・座標軸で明示できるようになってきている。何とこれは日本で生まれた技術で大変誇らしい内容のものだ。
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ビールのレーダーチャート         醤油のレーダーチャート
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などと、表現できる。
無論、これは、高性能な味香りセンサーを駆使して始めてできることで、九州大学の都甲・林研究室始め多くの方々の努力で、できあがった技術と仕組みである。
この味香り戦略研究所が介在し、旨みを科学してお墨付きをつけた商品が、なんと、「イオン」で今、売れに売れている安くて、その上旨い発泡酒Barreal(バーリアル)である。
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この発泡酒の缶に、味香り戦略研究所の旨みの比較データーが表示されているのはすばらしい。実に、説得力があって分かりやすい。
商品開発をするにあたり、総合商研が指向するやり方は、我々の印刷ユーザーがぜひ、取り組んでいただきたい方向性であろう。「イオン」のバーリアルのような大型商品だけでなく、地方で食品・お菓子、農産品作りをしているユーザーは味香りを科学する、これはぜひ、活用していただきたい方法であろう。

2012年7月 1日

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