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日本WPAの活動  - 2009年11月 -

PGGがLCA日本フォーラム様の2009年度表彰を受ける

2009年度、LCA日本フォーラム(会長:山本良一東京大学教授)が主催した第6回LCA日本フォーラム表彰の受賞者が決定した。
本表彰制度は、我が国におけるライフサイクルアセスメント(LCA)手法の研究開発・普及・発展に寄与した取り組みを顕彰する目的で、LCA日本フォーラムは表彰制度を平成16年度に発足したものである。
表彰対象企業はほとんどが、大企業の中にあって、中小企業ながら印刷サービス分野で顧客を巻き込んだ改善活動を実施した清水印刷紙工株式会社に対して会長賞が表彰された。
この主たる内容は清水宏和氏が創作した印刷サービスCO2排出量算定ソフトPGGが評価されたものである。
PGGはこの度、日本WPAの手でファイルメーカープロで仕上げられ、一層使いやすくなった。その特徴を下のFlashムービーでご覧いただきたい。

2009年11月30日

Print2009 報告「MSPへの移行が進行」

五百旗頭事務局長は9月11日から15日にかけて、Print2009での世界水なし印刷人会議への出席をかけてPrint2009に出かけた。11月20日の第16回セミナー見学会で、その報告を行った。以下、その概要である。

不況で印刷出荷額の低下、米国の識者の予想でも今年度の米国の印刷出荷高のうちオフセット印刷の部分は10%近く下がるとみている。来年度も同じぐらい下がるとの見通しもある。過日、N-EXPO KANSAI環境展につめた勤務者の報告によると、展示会場のパンフ類ではPCプリンター出力とか、デジタル印刷出力の「にわか印刷物」が横行していたと言う。実感としても、印刷物の需要が以前から見て、落ちてくる感がする。中小印刷業にとってハードコピーを追っかける従前の印刷の商売だけでは先が見えてくる感じをうける。印刷を生業としてきた、我々、中小印刷業者はどちらを向いて走ればいいのか、これという確とした答えを見いだせないでいる。
私共が定期的に集まる、中小印刷業者の会では宅配型フリーマガジン作りをしていて、地方部で一定の安定したビジネスモデルを作り上げてはいるが、正直言って、安定はしていても飛躍的成長が見えない。
Print2009では欧米の水なし印刷協会の会合があり、ここへ参加しつつ、何か中小印刷業のヒントになるものはないかと、3日間の駆け足訪問でブースを歩き回ってみた。そこで見聞きしたことを報告させていただく。
Print2009展は私のいた3日期間は、集客の少ない結果となった。閉館時、過去のPrint展では列をなしてタクシー待ちをするのが通例であったが、何と、タクシーが人待ちをしてくれていた。
場内も人が閑散で、会場ブースの所々穴があく様であったが、しり上がりに来場者は増え、一定の商談には結び付いたと主催者は発表している。また、冷やかしでない購買に真剣な方が来てくれていたとしているものの、総じて出品者はこの展示会に浮かぬ顔つきで終わったのでなかろうか。有力出品者の責任者が言うには、5日間は長いよ、最後は疲れてしまったと言う。これは人の流れが少なかったからではなかろうか。
印刷展示会の花形は重量印刷機械である。昨年のグラフエキスポ展までは、iron playerなる重量印刷機械の占める出品ブースの割合が米国の展示会では、減少し続けたものの、本展示会では、コマ面積、出品機ともその歯止めがかかったものとなった。ハイデルベルグは最大ブースを確保し、Prinectを掲げたロイヤルカスタマーを意識した展示をしていた。しかし、ローランドは機器を展示せず、サプライ商品展示、サービスコンサル、コンセプト展示に始終していた。
やはり、この景気後退が大きく影を落とした展示会となった。機械メーカーに言わせると、新鋭械を買いたい顧客はいるが、金融機関がなかなかファイナンスをつけてくれないとぼやく声が多い。2年前までのハイデルベルグ社は展示会終了時に、販売成果の実数を発表してくれたが、今や事態は急変してしまっている。
日本ではお目にかかれないがKBA社はこの場で、Rapida106-4/4・8色機を展示実演したが、500枚の台数ものの手離れの速さの実演をした。ダイレクトドライブと16,000回転を組み合わせ、1時間で17回の仕事(34台)をこなす様に見とられてしまった。結果、17台、25億円の販売成約に結び付けたとしていた。以前の展示会から比べると小ぶりの成約数字だが、やはり、実演の仕方で販売成果が出た好例ではないだろうか。
この展示会で新しい技術の芽は着実に出てきていた。目立ったのがLED-UVでリョービは新機種105サイズの機械で実演してくれた。米国のメーカー・Air Motion Systemsは展示会後にLED-UVの発売をするとしていた。
さすが米国で、展示方式を見ても斬新な形が見受けられた。KODAKの「Pipeline of Innovation」展示は、機械展示は一切なし、プレゼンテーターの説明に合わせ、商品カテゴリーの記載された、仮想円盤がパイプから流れ出て、参観者が並んでくれている長いライトテーブル上を走行してくれる。好みのカテゴリーの円盤をつかみ、手元に引き寄せると、商品説明ページが開く。その説明に則り、参観者は所定の係員と話ができ、または、展示コーナーに向かう。このデジタル展示装置は今後の展示会で使い回しをするという。
この展示の別のコーナーにはコダック製品ユーザー、識者を呼んでのライブのトークショーがなされていたが、これは遠隔地にまで放送を流していた。展示会へ来られない方への情報提供サービスである。
デジタル系のメーカーの出品者がこのようなことの専売ではなく、ハイデルベルグも、小森もネットを使っての小まめな副次情報を流し、印刷会社の気を引かせる手立てをしていた。
ある米国の識者の話だと、景気が回復しても印刷需要はかってのようには戻って来ないと見ている。これにはうなずける側面がある。わが国でも民主党政権になり、CO2削減目標が一気に25%に引き上げられた。これを実現するにはわが業界でも今の印刷の仕組みを変えないことには達成できない。ますます、CO2の見える化が促進されようが、こと、CO2排出量でカウントされるとCO2排出量を食う紙印刷はハンディに映る。
主催協会の会長・Mark Bradtjenの主張では、「Corporate Darwinism(ダーウィンの共生進化論)は今や死んだのだ。これからの出品者は個別対応、ニッチをさらに掘り下げよ。もっとマーケティング視点に立って先を考えろ。」と、言い出している。Prtint2009のサブタイトルでうたわれた、My Printはそのためのツールともしている。
マーケティングの国だけあり、展示会の登録受け付け、登録名札カードの交付、来場者の登録名札カード(二次元バーコード入り)の携帯、訪問したブースでは名刺の代わりにカードをスキャンしての受け付けと一連の来場者管理をつかむ仕組みを導入していた。これはX.Press Leads Convention Data Servicesの製品で人の流れとか、売れ筋商品までつかめるとしている。よりきめ細かな対応がシステムとしてITを駆使して作り上げられているのだ。
印刷業は製造業の範疇に入っていたが、より顧客の要望を満たすことが肝要で、Print Service Providerであるべきと、されてきた。ところが、クロスメディア化の時代になり、Graphic Service Providerになるのだと、言われ出した。クロスメディアの分野は、印刷会社の専管分野でなく、あらゆる異業種からの参入があり、競合も一段と激しい。加えて、昨今はメディア事情の変化と、想像を絶する不況色で、米国では単なる広告には金をかけてもらえなくなり、販売結果を出してくれる販促物、仕掛けを作りだすことが求められてきている。これに対応する企業形態が、Marketing Service Provider(MSP)である。ここで云う仕掛けの素晴らしい点は、ITを駆使して、販促の自動化、データベース化を狙っていることだ。加えて、これをテコに、クライアントとはサプライ・チェーンの関係を乗り越えた、パートナーシップ関係を構築して行き、真の販促結果を出す印刷物を新しく作り出そうとしている。
中小印刷会社が目指す一つの方向性がMSPであるとこの展示会で実感させていただいた。
目立たないブースしか構えていなかったが、SmartCampaign PURL technology、MindFire、Printable、Responsive Solutioms、InterlinkONE、Easypurs、Direct Smile、XMPieなどが一気にPURL(個人別サイトに消費者を誘導し応答と集計を行うツール)を用いた、マーケティングツールを出品してきたが、これはわが国ではまだ、見られていない動きである。
中小印刷業はより顧客密着の姿勢で営業に精を出さねばならないが、その仕組みに嵌ってくれるのが「印刷物を通したデジタル応答」の仕組みともいえる。
米国にはマーケッターという独立自営の職種がある。彼らはメディア予算を任され、印刷にとらわれずに予算を再配分し、メディアを縦断してもっと全体観の方法で消費者とのコミュニケーションをとれる能力のあるパートナーを探そうとしだし、印刷会社にとっては、ある意味では印刷離れを結果として引き起こす役者とも映る。
しかし、印刷会社にとっての朗報は、今日の市場のニーズに目を向け、その再発見に努めると、まだ、多くの印刷関与物がマーケッターを使って掘り起こせることだ。
仕事ごとの受注に勤める印刷会社の姿勢から、繰り返し生じる継続収益の流れを発生させるプログラム(ASP)を売る、マーケティングサービスのプロバイダーへの移行を図るのがMSPなのだ。 結果として、新しい印刷人はその利益構造を大きく改善できるようになるとしている。
この移行における重大な要素は、統合マーケティングサービスを身につけてゆくことだ。
ある市場にDMなどでメッセージを投入し、統合マーケティングによる複数の接触ポイントと多数の個人別サイトを使うやり方に斬新さがある。今までは、マーケッターは報道機関を選び、市場にメッセージを押しつけるpush型でいた。
しかし、今日の消費者はえてして運転席の中にいたりするのだ。消費者はより便利な接触法を要求し、しばしば、より利便性に基づいたメディアとのコミュニケーションを好んでくれる。消費者の選択嗜好の変化を利用することによって、マーケッターは、顧客層のより大きな市場占有率とより大きな認知シェアを得る可能性が出てくるとする。
この新しい統合マーケティングサービスのための主要なセールスポイントは、目に見えた返信応答の改善結果が出てくれることだ。マーケッターは伝統的なDMキャンペーンでは一桁代の数字の反応率に慣れきっていた。この新しいマルチ接触、マルチチャネルのアプローチを実施することによって、かなりマーケティング投資におけるリターンはむろん、反応率を増大させることができることをマーケッターが知ってくれ、結果、彼らがこれを提案する印刷会社に力を入れてくれるようになってきている。
印刷会社が新しい形態と新しい事業戦略の製品とサービスを始めるその仕組みとは、
eメールを統合するサービス…ダイレクトマーケティングキャンペーンとウェブ、データベース、およびデータマイニングのサービスのマーケティング、ウェブ・ツー・プリント、さらにより多くの付帯サービス…この新しいツールを含むので、この新しいビジネス形態をマーケティングサービスプロバイダーと呼ぶのだ。

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【1】ダイレクトメール、計算書、取引書類、または、eメールキャンペーン、【2】送られた書類には個人別応答サイトが記入、例)www.domain.com/Tadao Iokibe、【3】個人別サイトには調査質問が列記/反応追跡の管理サイト、/お礼のeメール、手紙、お礼DMを送る、(返答はデータベースとして保存)、【4】警告! 営業部へeメール、【5】セールス電話 (マーケティング用データベース)

一般には、個人別URL名を連絡メディアに埋め込む。 個人別URLは、通常、受領者の名前(上の例にではwww.tadao iokibe.domain.com)を入れたウェブアドレスとしている。 この個人別URLまたはウェブアドレスを経由して、受取人はプログラムで作られた申し込みまたは実施要請に関連した個人別のマイクロサイトへ行き着く。まず、歓迎と個人別調査ページから始まっている。 調査ページの目的は、既存の顧客情報と照合してうえ、さらに、未来のコミュニケーション接触のために、個人別に受領者の追加情報を書き加えてもらうことだ。
このテクニックはまた印刷物を媒介として、ウェブと接続させている。(そこで、反応はリアルタイムに監視されて、追跡されることができる)。さらに、受領者が反応したら、それは、マーケッターが迅速な行動をとることを可能にする。例えば、個人別マイクロサイトを退室すると、自動的な感謝のeメールまたは追加の直接的なメーラーを生成することもできる。それは、すぐ電話、eメール、または訪問との行動の要求への受領者の興味に反応することを可能にして、販売代理店またはコールセンターにeメール警告を自動的に送ったりするもできる。最終的に、反応とすべての新しい情報を含むこの更新で取得されたデータは、個々の顧客の360度の眺めを築くことを通して、顧客データベースの中に収納される。
さらに、効果的な統合マーケティングプラットフォームにより、あらかじめ決められた測定基準に基づき、キャンペーンを修正し、改良する能力をつけることができる。達成された結果に基づいて、反応追跡、成功の測定を許す管理画面をカスタマイズもできる。
しかし、このような斬新な仕組みをITとマーケティングに疎い中小印刷会社がこなせられるのであろうか?
驚いたことに、多様なPURLの仕組みを売り込んでいるベンダーの中で、世界の印刷会社に既に、350組ほどこの仕組みを売り込んだ実績を持つベンダーが存在する。このベンダーは印刷会社以外にも250組ほど出していて、このベンダーは何と、全米第6位のソフト販売の伸長率を誇っている。これはASPの仕組みで販売されていて、印刷会社への教育はネットを通し1対1で行ってくれるのが、ミソである。このようなこまめな手ほどきをしてくれ、他のベンダーが言う「マーケッター」を介することなく、印刷会社が自分でこの仕事をこなせるのが、印刷界に浸透している要因と見受けた。また、自社のデジタル印刷機がフル活用されるので印刷会社からの食らいつきがいたって高いとしていた。
初年度が100万円ほどの初期使用料とし、パスワードを与えられるのでASPは使い放題となる。PURLは1サイト(1個人)につき5円ぐらいであるが、初年度の初期使用料100万円分を全額このPURLの代金でお返しする特典を付けるという。つまり、20万口弱のPURLが無償でついてくる。
2年度のASP使用料は何十万円と言う感じであるが、PURLは有償(@5円ぐらい・購入量で単価の差あり)で購入していただくという仕組みである。
個人別URLだけを売るということはしない。キャンペーンとセットにし、デジタル印刷されたDM、結果集計と報告の全体のキャンペーン統合サービスの形で売ることで、印刷会社は顧客密着度を上げられる。
スポンサーのサイトを見に来た訪問者はどのような閲覧の行動をとったかなど記録が残る。ほとんどの場合、氏名を残してくれるため後日の接触がいたってしやすくなる。これらの集計作業はデジタルで処理されていて、自動的な集計、または場合によっては簡易プログラムを組んで自動応答すらできる。
MSPとは顧客との接触度が単に御用聞きでなく、顧客販促の自動集計にまで踏み込む、いわば、クライアントと対等のパートナーシップを築ける点に大きな意義がある。
印刷ものづくりの合理化、生産性向上も印刷会社として、意義のあるものだが、現下の状況からみると、マーケティング指向を高めてこそ中小印刷会社の生き道が生まれると信じる。
国際水なし印刷協会(IWPA)の理事会に出席させていただいた。
我々が持参した印刷物CO2排出計算ソフト、PGGは他の国の理事から高い評価を受け、欧州と北米で取り組む姿勢を示してくれた。水なし印刷会社がカーボンフットプリント、カーボンオフセットで一種の先導を切り、世に役立つことを世界規模で行ってゆく、との意見の一致を見た。
カリフォルニアの理事からは、カリフォルニアには、電気製品の効率に関する電気製品効率基準があり、また、建物に関する建築物の省エネ基準(Building Energy Code)がある。新しい建物には今後、建築にかかったCO2排出量を明示することになるという。印刷物でも早晩、カーボンフットプリントは避けられないとしていた。
オランダの理事Ruud Kempersは、精力的に大口の印刷クライアント客を回り、水なし印刷のよさを強調するなかで、カーボンフットプリントの提出を求められているとしている。CO2の負荷からみると、コールドセットオフセットのCortina水なしオフ輪転機は、水ありヒートセット輪転機に比べドライヤー容量の差で、俄然、脚光を浴びてきていると報告してくれた。
展示会は単に見るだけの場でなく、生きた情報の人の交流の場であることに大きな意義がある。
この展示会では14部門にわたり90ものセミナーコースが設けられていた。その他、展示場内の随所に小レクチャールームが設けられてミニセミナーが開催されていた。専門学校がシカゴに特設されたと揶揄したジャーナリストもいた。
印刷展示会の形が大きく変わっていく感じを受けた。ソフト類、ソリューション類の展示は丁寧に説明をしないと理解が得られず、まして、なお、その実績評価はメーカー側の言質だけでは分からない。よって、セミナー、ミニレクチャー、トークショー、ネットでの解説が多用されだしている。このような連続的な教育的な手法を通じた売り込みを図っているところが、売り上げ増につなげていると見た。
展示会の出品は多大な費用がかかるが、それに見合う成果が出てこないと出品者の出展意欲は減退してゆく。国際印刷展はさらに集約してゆく感じを受けた。
あっという間の3日間の滞在であったが、おかげで大変元気をいただくことができた。旧来の範疇での印刷はしぼむかもしれないが、印刷人は、アントレプレナーシップ(企業家精神)を持ち続けてこそ、未来が開けて明るくなると感じた。

2009年11月23日

第16回セミナー見学会が天地人の郷で開催

11月20日(金)、日本WPAは54名の参加者を得て、第16回セミナー見学会を米沢市で開催した。その工場見学先は今年度の日印産連主催の印刷産業環境優良工場コンテストで経済産業大臣賞を受賞された精英堂印刷であった。この受賞の背景を勉強したい一念で、今回の見学会となった。
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印刷産業環境優良工場コンテストの経済産業大臣賞の表彰盾
米沢駅から20分ほどの周囲が森の広大な工業団地の一角に大きな1階平屋建て(1部2階建て)の印刷工場としては理想的な工場である。さすがに東京と比べると寒さの度合いが違う中で、参加者54名全員12時50分には精英堂印刷に集合した。社員の皆様に歓迎され、食堂にて鈴木社長から歓迎の挨拶があった後、会社幹部の皆様から工場の説明後4班に分かれて見学を開始した。全員頭にキャップをかぶりコースを回る。現在の同社は、ラベル・パッケージ印刷に特化されて、函のデザインからプリプレス、印刷、検査、加工、製函までをワン・ストップで製作されている。
まず見学第一印象は、従業員の皆様は仕事に誇りを持ち、元気はつらつと映ったが、これは重要な要素である。工場の掃除は行き届いている、ゴミ1つ、チリ1つ落ちてない、これは日ごろから、落ちたごみはすぐ拾うと言う、即戦即行のしつけが出来ているからであろう。
後で聞くところによると、きれいな工場からしか良い印刷物は生まれないという、理念がしっかり行き渡っているからだった。曰く、5Sの徹底である。同社はTQCを達成するために、小集団活動を活発に時間外で行っている。「この活動の年に1回の発表会では、最優秀賞には30万円、2位賞には20万円、3位賞には10万円、外に努力賞には5万円などかなりの賞金を出します。今回の最優秀賞は3名の班でした、どのように賞金を配分したかは分かりません。」とのお答えであった。
枚葉印刷機はハイデルベルグ機と小森機それぞれ水なしと水ありが共存しているが、原則は水なし印刷としている、つまり顧客から水ありでやってくれと要請がない限り、通常は水なし印刷で行なう。環境を全面に出した受注戦略を徹底している言う感が深く受けられる。
また、紙粉対策はどうしているか?との質問には、最初にブロワーで吹き飛ばして、また機械で最初にごみ取りをしているが、これで効果は出ていると答えてくれた。
ヤレ率は0.5%前後で大変素晴らしい。はっきりと回答されなかったが、質問者がうちは0.4%位と言われていたのに対し、それより若干高いと答えられた。
いわゆる品質管理、お客さんに対してクレーム品を出さない、と言うことを工場内に徹底されている、各工程の後に検査機にかけてチェックをし、最終的には目視でチェックをしている。パッケージという最終顧客の眼に直接触れる商品だけに、クレームに対するチェックは非常に精緻にやられている。会社の理念からして、工場清掃につながっているのではないかと感じた。
同社の特徴の一つに、資材のリサイクルを徹底してやっていることだ。
井上常務のお答えで、例えば、リサイクル目標99.9%に対し、結果は99.85%であった。リサイクルするためにどう分別するかがポイントになる。まずやらなければならないのは、その使用目的を把握することである。集積された紙がどう使われるかを、引き取り業者に聞かなければならない、その使用目的によって分別している。トイレットペーパーになる紙は、それように、段ボール紙に再生する紙はそれように分別をしている。
また、ある種の紙は焼却後セメントの添加物資材に再生転用される。セメントの中に異物を混入させないよう、例えば金属片、プラスチック片などを取り除いて分別している。事細かなリサイクルを徹底させるため、分別基準表を作って社員に配布している。
「水あり、水なし、UV、油性と多種に渡った印刷方式をこなしているが、予備紙は相当使うのではないか?」との問いに、
「予備紙は一般的に10%を切っている、また全部一律と言うことはなく、化粧品など非常にうるさい製品には、相当余分に予備紙を付けることもあります。」
「UV・油性のローラーの維持管理は?」との問いに、
「油性とUVインキには、UVローラーで対応している。ブランは、そういう訳には行かないので、完全に分けている。今日は油性、明日はUVと言う集中運用を心掛けている。
当然の事ながら、最後は函、ラベルなどになる、普段、我々が見ない設備もある。感心したのは、三条機械の水なしラベル印刷間欠輪転機を高度に使いこなしていることである。水なしのおかげでFMスクリーン、マイクロ文字なども見事に再現され、毎年のシール大賞の受賞につなげている。
 今年度の経済産業大臣賞の受賞にふさわしい工場で、参加者全員、これからのあるべき印刷工場の姿を勉強させていただいた。精英堂印刷の鈴木社長、社員の皆様大変ありがとうございました。

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精英堂印刷(株) 鈴木社長が見学者に歓迎のあいさつ

2009年11月22日

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