日本WPA : Japan Waterless Printing Association

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日本WPAの活動  - 2008年11月 -

ニッチの分野で活躍する水なしUV印刷

株式会社アンリ(大阪市東成区深江南2丁目8番37号 電話06-6975-0284)は大阪地区でテレホンカードでは名を売った会社である。1985年に社長・野々下洵氏が創業した。時あたかも、テレホンカードの全盛期であり、瞬く間に年商30億円の規模まで成長した。ところが昨今、テレホンカード市場は委縮し、多くの同業者は事業の見切りをつけて撤退してしまった。愛機のハイデルベルグGTOVにISTのUV装置をつけて仕事をこなしていたが、湿し水を使うと、色目の変化の事象が出て、これをどうしても解決できなかった。ならばと、アドバイザーの見解を取り入れ、10年前に水なし化へ踏み切った。GTOVには通水ローラが附属されていず、自らの手で通水ローラ加工を施した。匠の技と執念でGTOVを水なし専用機に作り上げたわけだ。
水なし化により色目の変化の事象は解消されたが、校正刷り(オフセット校正)と水なし印刷刷りでは微妙に色眼が合わないことが出てきたが、色目の変化のない印刷物を納めることができ、顧客の納得を得られるようになった。
昨今では図書カード、ギフトカード、レンチキュラー印刷、スキミング防止カードな度、多様な新需要に分野への進出を図っている。業績もニッチの分野ゆえ、安定していて、野々下社長の顔もほころびがちである。水なしを実にうまく使いこなし、業績を上げておられた。

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水なしUV専用印刷機に作り替えたアンリ株式会社のGTOV

2008年11月30日

日本WPA第15回セミナー見学会・近江八幡市で開催

日本WPA第15回セミナー見学会は環境に厳しい県、滋賀県の近江八幡市にあるアインズ株式会社の環境先進工場を総勢、69名の参加者を得て11月20日(木)の1時から開催された。この会には全印工連水なし印刷研究会の方々も、11名参加された。
工場単に先端の印刷機をそろえているだけでなく、営業マンのPCと工場の進捗管理、原価管理が直結していて、仕事の進み具合を製造・営業で共有する仕組みを作り上げていた。今年からはこの管理部門はフレックス制になっていて、朝7時から夜中まで仕事の進み具合を営業マンも捕まえられるようになった。また、校正もpdfリモート校正で遠隔出先機関でもリアルタイムに出力できる。
滋賀県の広報紙プラスワンは完全に水なしオフ輪に移行して印刷されていた。このオフ輪機(A横輪転機)は9月からは100%水なし運用に切り替えている。
水なし剥離機を導入したおかげで、月間5000版の水なしCTP製版が楽にこなせられるようになった。ハイデルベルグのコールド箔押し印刷機・フォイルスターが菊全機と菊半機の2台を装備されたが、多様な原反、素材の印刷加工をこなしていた。
枚葉機の分野の水なし比率は相当上がってきている。これからの課題はUV水なしへのチャレンジであるとしていた。
この春先、ハイデルベルグのA3アニカラー機(キーレスアニカラー印刷機)を導入されたが、これは前準備での損紙率を大幅な削減を狙ったものである。しかも、新人の女性オペレーター二人でこの機械をこなしていた。
印刷技術の向上と伝承を狙い、社内マイスター制度を作っている。26歳までの方は、ギムナ(徒弟)であるが、経験と試験を重ね、星1つから5つまでのマイスター昇進の道が開かれる。
驚いたことはとにかく工場内は清潔そのもので、自分たちで夏休み中に床ペンキを塗布したのだと言う。
14:30からホテルニューオウミに場所を移し、大森社長のあいさつ、田畠会長のあいさつ、奥継雄全印工連水なし印刷研究会会長のあいさつ後に、アインズ株式会社の谷康夫取締役から、アインズの環境への取り組みにつき、体験談を講演していただいた。同社は創業130年以上を迎えた会社で、時代とともに、たゆまざる前進を重ね、近年は環境意識の高揚を図った、ものづくり、社会貢献を目指されている。
樹脂パレットの採用、グリーン購入ネットワークへの加入、2003年には水なし印刷の導入、チームマイナス6%への参画、2006年には環境見積書の運用を開始、FSC認証取得、水なし印刷によるCO2削減証明書の発行、エコ通勤推進キャンペーンの実施、琵琶湖環境ぺーパーLBEPの提唱、また、商品群としては、グリーンプラ、オリジナルマウスパッド、ポケットティッシュボックス、ミルクうちわなどのユニークな環境商品を作り上げている。
マザーレイク琵琶湖を抱える滋賀県は環境にはことのほか、熱心な県で今後とも、環境を意識して水なし印刷を通して印刷ものづくりに励まれるお考えを力強く述べられた。

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セミナーに熱心に聞き入る参加会員

2008年11月22日

精英堂印刷はまたまた、2008年・第18回シール・ラベルコンテストで「経済産業大臣賞」と第20回世界ラベルコンテスト「最優秀賞」を受賞

精英堂印刷株式会社の水なしオフセット間欠輪転機による「夢時計」と名付けた作品が受賞した。
全日本シール印刷協同組合連合会主催の「全日本シール・ラベルコンテスト」における『経済産業大臣賞』受賞は2回目、日本を代表して出展された世界ラベルコンテストの『最優秀賞』は3年連続7回目の受賞と言う快挙である。
網点一つ一つが忠実に再現でき、高精細で美しい仕上がりを得ることができる水なし印刷技術をベースに、今回の作品ではRGBデータからFMスクリーン製版を行い、色再現領域の広い広演色印刷を採用している。他にも、オフセット印刷の新たな手法としてトランプの裏面部分には同社が独自に開発したスクラッチ印刷、金属のメタリック感を際だたせるリオトーン加工、セキュリティ技術としても応用できるマイクロ文字、マイクロ模様など、最先端技術を盛りだくさん取り入れたものである。
連続受賞の快挙、おめでとう!


今年受賞した作品・夢時計

2008年11月 6日

Waterless Current2008年11月号を会員に配信

日本WPAweb-to-print米国見学団一行、10名がシカゴに来たことをとらえ、歓迎会をCongress Plaza Hotelで開催された、その特集記事が掲載されている。さらに以下、PETER BOOTH水なしにかける思いの見解が掲載されている。

PETER BOOTHは水なし印刷の擁護で語る
オーストラリアのFishprint社のPeter Boothは水なし印刷の利点、および現状認識の考えを我々に送ってきた。本文は我が会員のためにもなり、公表させていただく。
古い真実はもう今日の世界の福音ではない。当地での2、3の以下の事例を上げる。

「水なし印刷を行うと高くつく。」
この見解は、10-20年も前には当てはまったが、IPAの価格はここ5年間で急上昇し、湿し水添加剤、IPA代替品に変わってきている。
当地では、営利事業として水のコストは劇的に上げざるをえないとされている。また、水なし現像機対水あり現像機の使用薬剤の寿命、それらの切り替え時の停止時間、および廃棄物処分の付加費用を考慮に入れると、私は、水なしが優位になると思う。
さらに、1カ月あたりおよそ1500ドルにもなる、ヤレ紙の節約は言うまでもなく、水棒とか湿し添加剤、湿し循環装置の維持費用は不要となる。
よって、これらの要素をすべて加えたら、水なしが費用、環境、および品質面で勝者になると思う!
2番目の例として、UVは非常に汚くて、動力食いで、高価につくと思われている!
この考えは、確かに、15年前には当たっていたし、従来のUVではそうではあるが、現在の新しいランプ技術は日進月歩で変化しており、旧来のパッケージ技術と比べると、動力は減少し、長寿命に変化してくれている。
そして、キーレス(壷キーなし)になり、インクカートリッジになった機械を使うと、本紙8枚で前準備がすんでしまうが、これはかなり、説得力のある議論となろう。
通せる紙・原反の範囲は広くなり、品質も格段に上がることは言うまでもない。
(洗浄でどれほど汚れるのか、私は知らないが? 通常の走行はCMYKであり、日々洗浄をするのは、マットニス、艶消しニス、サテンニスをきりかえるときではないのか?)
それで、本当にこの動きに水を差しかねない話が当地では聞こえるが、私はあえて国際的にものを申したい。
東レ、機械メーカーそれに、WPAが同盟の形でどうかして水なしで協力してもらいたいものだ。すると、私たちユーザーは皆、利益を得られるだろう。

2008年11月 5日

日本WPA第15回セミナー見学会のお知らせ

琵琶湖を抱える滋賀県は、無リン化洗剤、排水規制、下水道整備で他県より、一歩進んだ環境行政の実を上げた県です。早くから環境配慮の印刷に取り組まれた、滋賀県のアインズ株式会社様の竜王工場の見学会、さらに、営業部主導で水なし印刷への誘導を図られた体験談をお聞きする催しを下記のとおり開催いたします。明治10年のご創業、地元密着の業態から、時代に合わせて業態変革を重ねられ、工場内で製品加工が完結する合理的な仕組みを構築されています。滋賀県広報誌「滋賀プラスワン」は全国的にも珍しい、唯一、水なしオフ輪で印刷されている広報誌です。他のオフ輪2台、枚葉の主力印刷機ハイデルベルグのSM102-12P始め枚葉機でも水なし化を進められました。この度は、コールド箔押しユニットをつけたXL105‐10LX+フォイルスターとCD74では、特殊印刷加工をワンパスで上げることにチャレンジされています。
日本WPAの見学団が10月末に渡米し、水なし印刷での印刷ネット通販を勉強してきますので、そのホットな報告もさせていただきます。秋深まる近江の里で落ち着いた見学、勉強と情報交換の催しです。二日目はゴルフコンペを開催いたしますので、ぜひ、ご参加くださいませ。
【ご注意】恐れ入りますが、アインズ株式会社様と競合関係にある印刷会社様はご遠慮させて下さいませ。
【日本WPA会員・協賛会員様、ならびに全印工連水なし印刷研究会様】参加費は1名様に限り無料とします。追加参加者はおひとり様3000円を当日、徴収させていただきます。都合により日程の一部変更が生じることがございます。その節は、ご連絡申し上げます。(参加者には参加者要項を11月10日ごろお送りします。)

集合日時と場所
とき: 平成20年11月20日(木)、12:00集合
ところ:滋賀県・近江八幡駅南口、タクシー乗り場付近 注)水なし印刷セミナー見学会の専用バスが 待機しています。12:15にご乗車いただき 、アインズ株式会社竜王工場(滋賀県蒲生郡竜王町鏡2291-3 TEL:0748-58-8101(代))へ参ります。 自家用車での参加はご遠慮ください。

セミナー見学会日程
12:15〜12:45 近江八幡駅より竜王工場まで専用バスにて移動
12:45〜13:00     工場内の見学についてのご注意、班編成
13:00〜14:00  工場見学、見るべきポイント
              1)滋賀県広報をオフ輪機で水なし印刷でこしている現場の見学、
              2)新鋭機SM102-12Pでの水なし印刷、
              3)XL105-10LX3 フォイルスター(インライン箔押し機)
14:00〜14:30 専用バスにて講演会場・ホテルニューオウミへ移動
14:30〜14:45 歓迎の辞 アインズ株式会社・社長・大森七幸様
              開催の挨拶 日本WPA会長・田畠久義 
              挨拶 全印工連水なし印刷研究会・会長・奥継雄 
14:45〜15:30 体験報告「アインズ株式会社で実践した営業部主導による環境配慮の水
              なし印刷への誘導」
15:30〜16:00 渡米報告「水なし印刷による印刷ネット通販事例、OvernightPrint.comの
              成功談」
16:10〜18:00  参加者による懇親会、新会員のご紹介
18:00 散会、会場のホテルニューオウミから近江八幡駅までは徒歩1分です。
                                                    以 上

ゴルフコンペのご案内
11月21日(金)の早朝より竜王ゴルフコース(0748-58-2111)にて、日本WPAゴルフコンペを開催します。ご希望の方に別途、ご案内させていただきます。参加者は11月20日、ホテルニューオウミに投宿(宿泊代9,500円)していただきます。

第15回セミナー見学会 返信アンケート.doc

2008年11月 1日

PrintFullfilmentService社で年率30%の伸張をはかる、印刷業の成長の姿を見た


日本WPAのweb-to-print米国見学団、10名はGraph Expo 2008展の見学を兼ね、LouisvilleにあるPrintFullfilmentService社(PFS社)を10月28日(火)に見学した。PFS社は全米のweb-to-print portal(印刷ネット通販)の第2位のサイトのOvernightPrint.comの子会社・印刷工場で、この分野こそ、印刷業の成長分野であるとの実感を得るものであった。OvernightPrint.comは年率30%の成長を図り、今や、米国だけでなく、ドイツ、英国、フランス、オーストリア、ロシア、ポーランド、アイスランドの7カ国でサイトを開いていて、来年はイタリーとスペインへ進出するという。
昨年、IGAS展で我々は、Mozaic社の社長・Dale Fordを招へいして、米国での水なし印刷の実情の講演をいただいた。IGAS展では、OvernightPrint.comを作り上げた主、カリフォルニア大学の電子工学を修めた、弱冠、34歳の大男、Farheap Solutionsの社長、Bred Heapが見学に来ていた。偶然の遭遇にして、二人は意気投合し、54歳のDale Fordが印刷ネット通販を始めたばかりの、Bred Heapの手助けをすることになった。BredはIT周りでは優れた才能を持つが、印刷ものづくりでは素人でDaleのような人材を欲しがっていたのだ。
Daleは間もなく、Mozaic社を去り、PFS社を設立する。ちょうど、Bredがドイツでの通販サイトを立ち上げていて、ドイツで印刷工場の建設をする時であり、Daleはドイツに渡って、新しい印刷工場を立ち上げる。このドイツのOvernightPrint.comの印刷通販サイトは、この10月で1年を迎えたが、採算分岐点に到達したというから驚異である。
OvernightPrint.comのビジネスモデルは、大変斬新なものである。Bredは数年前、ある印刷会社から受注を請け、印刷通販のweb-to-printサイトを構築した。出来上がったものを注文主に見せたところ、そんな高くつくとは法外と、クレームをつけられた。Bredは怒り心頭に来て、ならば売らないといい出し、自分でこのサイトを運用して印刷ネット通販を開業してしまった。これが今日、年商、150億円企業まで成長をはかったのだ。まだまだ、伸びる余地は無限にあるとしている。ほどなく、欧州のある有名な印刷ネット通販サイトを取り込むようであるし、いずれは対面印刷販売の分野へ進出しようとしている。
OvernightPrint.comは日本の著名な印刷ネット通販サイトと違い、SOHO層を相手にしたBtoCの形のものである。顧客の年代としては、30歳代前後と言うところか。知名度をはかる手立てとしては、Googleの検索広告へ今まで、総額1億円を投入している。Google Matrix(SEO対策)そのものが営業部隊と位置付けている。営業マンを雇えば、毎月、固定給を支払わねばならないが、Googleではスポット的に費用をかけるだけでの変動費ですみ、これがネット通販の良さとしていた。
OvernightPrint.comのグループにはコンピューター技術者が120名いるとしていた。サイトの少しだけの使い勝手の悪さが商売に響くが、自社で手勢を抱えているため、迅速な修正対応ができる。また、サーバーの不具合が生きても、30秒以内にバックアップが立ち上がる仕組みを作り上げている。
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カラット印刷機(菊半才・キーレス・アニックスインキング・水なしDI印刷機)が4台

PFS社の中を見学させていただく。何と、水なし印刷で印刷現場を固めていた。Rapida74G-5+coaterが1台、Karatが4台、それに最近、Rapida105-8+coaterを入れたのだ。74GとKaratはキーレス・アニロックスインキング方式で、壷はまったく平らにして印刷している。付け合わせは独自に開発した、面付けソフトにて、壷が平らな状態で印刷ができる仕組みにしている。完璧なCMSがとられていて、どの台の機械で刷っても全く同じ再現性が出るのだ。そのために、温度湿度感知センサーを印刷工場内の随所にめぐらし、コントロール室で常時監視している。1カ月に1回、テストチャートの印刷をして、狂いを修正していた。納品されるインキについても、色相点検までする厳格さである。
水なしを使う理由は、印刷時の変動要因が少ないからである。また、アニロックス・キーレスインキング装置は水なし印刷ですると安定してくれ、抜群の前準備に早さと、複数印刷機間のCMSが取りやすいとしていた。名刺だと、67丁、はがきだと18丁付け合わせをして印刷しているが、面損が起きにくい方式が水なしなのだ。ヤレは10〜15枚ですみ、いきなり本紙刷りに入れる。
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名刺は67丁の丁付けで印刷、ゴーストリピートマークは皆無、壷は平らにして刷る

同社のIT管理室は圧巻であった。進行管理は無論のこと、工場内の全温度・湿度を管理していて、このデーターがサーバーに蓄えられ、日々の温度湿度管理をすることは無論、管理精度上げた、事故の起きない新方式の編み出しに役立っている。物流コンベアーの遠隔カメラでの物流の監視もここで行っている。ITと印刷技術の究極の融合の姿を見た。
通販である以上、複数商品の受注が多く、先に出来上がった商品を一時商品保管のための中間倉庫の必要性が出てくる。この倉庫は、加工室の上の中2階に設けていて、中間品の入庫、そろった商品の出庫は、伝票なしのPC上での管理で、完全なバーコード管理になっていた。
3直交代制でまさに、Overnight(48時間以内)で出荷できる仕組みを作り上げている。Louisvilleに拠点を構えたのは、ここがUPSの中継地(エアーハブ)で、夜中の1時集荷の飛行機便に乗せると、全米にこの日の朝、10時には荷物がつけられるのだ。これがシカゴ市だと、夜10時が締め切りとなる。
工場内の素晴らしい仕組みについては、11月20日に開催される、第15回セミナー見学会でより詳しくご報告させていただく。

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