日本WPA : Japan Waterless Printing Association

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日本WPAの活動  - 2008年10月 -

水なし印刷がきっかけで東レが国連から表彰

10月23日、国連の「ヒューマニタリアン賞」を水なし平版の製造メーカーである東レ(株)が受賞した。

同賞は、遡る1996年から国連関係者の活動に対して授賞されていたが、2005年からは、2000年国連ミレニアム・サミットで採択されたミレニアム・ゴール(Millennium Development Goals; 2015年までに達成すべき21世紀の国際社会の8つのゴール)から、毎年1つのテーマを選び、国連関係者にとどまらず、その分野で大きな貢献が認められる企業・個人・団体へ授与されるようになった。
 表彰式は、毎年、国連デー(10月24日)前後に国連本部で開催されるUNA-NY主催のアニュアル・パーティーにて行われた。

受賞の経緯としては、2007年アニュアル・パーティーのプログラム製作に際して、同年のテーマが「水問題」だったこともあり、東レは、VOC(揮発性有機化合物)の発生量を大幅に抑制すると共に、回収廃液を発生させずオフセット印刷できる環境配慮型製品「東レ水なし平版」によるバタフライロゴ付き印刷物で協力した。それがきっかけとなり、当社の省エネ・温室効果ガス削減に貢献する炭素繊維事業や水処理事業に対する取り組み、並びに「東レ水なし平版」をはじめとする環境配慮型製品群の開発などについて評価され、2008年の受賞候補に挙げられた。

詳細→http://www.toray.co.jp/news/manage/nr081020a.html

2008年10月24日

笹徳印刷がW2インキをテスト、そのVOC値を測定

愛知県豊明市の笹徳印刷の商業印刷部工場を訪問し、インキメーカー、版材メーカーの方々と協調して、10月20日、バージョンアップされた水洗浄性インキ(W2インキ)の印刷テストと同時に、W2インキのVOC放散量測定を行った。
春先にW2インキのリリースバージョンで第1次テストを行ったが、地汚れ、艶不足、インキが堅いことによる着肉不良の難点が露見され、その改良が待たれていた。今回のバージョンでは、メーカー側は一連の社内でのテスト、一部顧客での先行テストを踏まえ、商用として使えるとの確信のもとに提供された品物であった。
テスト版としては、昨年度のある会社の環境報告書を使ってみた。空のグラデーションのかかった模様、軽い写真模様にして、局所に暗部が詰まった車のグレーバランス写真があり、他方では森林模様が描かれていた。これをまず、最初に、通常の水なしインキを使い菊全5色機で印刷する。用紙はFSCと再生紙のミックス品の特殊な用紙であった。工場内は無窓・密閉型工場で気密度の保たれた工場である。
洗油で自動ブラン洗浄をかけた後で、印刷テストにかかったため、洗油の残留VOCが拾われてしまったのは残念であった。昼休みを経て、それが落ち着いた時の測定値は(以下数値はppm)
フィーダー部 32.5、第1胴(から胴) 28.3、第2胴(墨版) 59、第3胴(藍版) 52、第4胴(紅版) 52、第5胴(黄版) 53 という値を示した。
ちなみに、同室内の反対列に配置されていた菊判歳5色機(水なし専用)のVOC値を計測した。
第1胴(墨版) 38.4、第2胴(藍版) 47、第3胴(紅版) 37、第4胴(黄版) 35、第5胴(ニス) 37と言う値であった。 
通常の水なしインキでの印刷を確認してから、比較資料として取り置き、インキ洗浄にかかる。このとき、洗油がローラにかかり、インキ洗浄を行うが、大量のVOCが飛散された。各胴から3000ppm台と言う値が出て、ピーク時の値は4500ppmを示した。
次に、W2インキと入れ替えをはかる。暗部のインキが着肉不良気味に見え、00ワニスを墨インキに若干投入する。微妙な森の色の再現不良が気になり、紅と藍インキに00ワニスを滴下して着肉性を高めた。
W2インキでのVOCを測定する。洗油洗浄の直後に、W2インキを投入して印刷したため、刷り出し当初は、VOCを拾ったが、インキの調肉に当たっている間に落ち着いた値になってくれた。その測定値は:
第1胴(墨版) 44、第2胴(藍版) 50、第3胴(紅版) 46、第4胴(黄版) 36、
この値では通常の水なしインキとW2インキとの優位差が見られない。ただし、W2インキはMethod21から見ると、鉱物油が入っていないため、VOCの発生が本来は少ないはずである。洗油の残留の影響があったと考えられる。
比較のために水系洗浄液WW-1でインキを洗浄し、その時のVOC値を測定した。その結果(以下数値はppm)、
第1胴(墨版) 257、第2胴(藍版) 382、第3胴(紅版) 415、第4胴(黄版) 277、となり、洗油洗浄から見ると1/10以下を示してくれた。
水系洗浄液と言うだけあり、洗浄後の仕上げ洗浄に、水を数滴ローラにかけて残留インキを落としてくれる。
総評としては、艶は以前のバージョンから見ると数段改善された。工場内使用条件に合わせての調肉をした形で出荷してくれると一般水なしインキと同列に扱える、VOC抑制の効果には目立ったものがある、と見た。
このテストの自信のもとに、来年度の環境報告書にはより進化した形を整えたいとしていた。
なお、日本WPAはこの水洗浄性インキの製品化のコーディネーターとしての責務から、会員企業への一層の普及を図るため、W2インキに関するアンケート調査を実施している。

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W2インキのVOC発生量の計測風景

2008年10月20日

環境新聞で水なし印刷の着実な広がりを取り上げられる

環境新聞は1973年創刊の環境業界新聞としては、最古の新聞の1社であり、週刊で発行部数は8万部に及ぶ。本紙は文星閣の取材とともに、水なし印刷の特性を大きく取り上げてくれ、VOC削減、使用する水の削減、排水の削減をもたらすことを強調してくれている。

WHO(世界保健機構)の定義によると、VOCとは沸点が50℃〜260℃の揮発性有機化合物(有機化合物とは大気中で気体状となる炭素を基本骨格にもつ化学物質)のことを指す。これに該当する石油系溶剤である軽油が、一般に使われる油性インキには約30%位含有されていることが問題視されている。
このVOCの引き起こす問題としては、室内における人体への影響があり、頭痛・めまい・中核神経や腎臓及び肝臓への機能障害などが取り上げられている。印刷室内の環境を考えると、仕事の種類によっては埃を極端に嫌う為に密閉度の高い室内で生産を余儀なくされる場合があり、難分解性であるVOCが印刷室内の人体に影響を及ぼすことになる。VOCを滞留させないように十分な換気が必要になるわけであるが、そのまま大気中に放出すると、次に室外における問題を引き起こす。つまり、大気汚染の問題で、VOCはその二大原因物質である浮遊粒子状物質と光化学オキシダントの生成への関与が指摘されている。事実、東京都環境局の発表によると近年のオキシダントの広域化、発生頻度に抑制がかかっていず、主に、都内の中小工場から出るVOCの削減なくして、オキシダント抑制が効きにくいとの見解に立っている。

環境新聞10月1日号で掲載された水なし印刷の記事.pdf

2008年10月 7日

バタフライロゴとW2ロゴをあしらったCSR REPORTが初登場

CSR REPORTは環境面、各種コンプライアンスを配慮した企画のもとで印刷物が作られている。この度のDIC株式会社が世に出した同社のCSR REPORT 2008は、世に始めて、バタフライロゴとW2ロゴをあしらった、意欲的なREPORTとなった。印刷物の製造工程でVOC放散量が従来方式より、1/10ほど切り詰められる水なし版、W2インキを使った印刷にチャレンジされた。その出来栄えは、大変にカラフル、艶の面でも従来印刷方式と同じレベルに仕上がっている。同社の意欲的な取り組みに敬意を表しすとともに、新しい潮流にぜひ、つなげたいものである。

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DIC株式会社のCSR REPORT 2008

2008年10月 5日

WATERLESS CURRENT2008年10月号を送信

今月号は皮肉にも今米国で、DI 印刷業者のWPAへの加盟が増加してきている。その中に1社が取り上げられた。また、チェコの国際的な印刷関連商社Uniwareの驚異的発展が記述されている。

DI 印刷業者は持続性の行進に参加する
東レの水なし版ユーザと違い、Presstek DI水なし印刷の導入社数は増え、環境信任ロゴも広まってきている。DI 印刷会社は湿し水の不要な水なし印刷だけを誇っているのではなく、無処理版であると主張できるのだ。現在、DI 印刷会社はさらなる持続性を求めてその領域を広げている。
そのような会社の1つ、ハーロン社は、メリーランド州ゲイザースバーグ(米国)にあり、carbon footprint(炭素の足跡)を減少させるのに100%の風力と無処理版作業を使っている。Herron Printing & Graphicsの社長・ランディ・ハーロンは炭素の足跡を減少させる能力として、Presstek 34DIのデジタルオフセット印刷機が主力であると考える。
「5年以上前に、我々は従来の4色印刷機用にDimension platesetterを入れ、Presstekの無処理版を実行することにより、炭素の足跡の減少を始めた。」「2年前に、我々は、競争力を保つたには従来の4色印刷機をアップグレードさせる必要があると分かった。」それで、我々は従来型の5色機と入れ替えるより、むしろPresstek 34DIに取り替えりことにした。
「DIではかなりヤレが少なくなり、印刷品質を改良してくれ、従来のオフセット印刷機上の準備時間を節約してくれる。」ハーロンは企業経営をできるだけ環境に優しくすることに腐心している。例えば、彼の社用車はハイブリッドのトヨタプリウスである。同社は、また、すべての紙屑と段ボールを再生し、Presstek 34DIプレスでは植物性インクを使用している。

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フルサービス指向の印刷会社、Herron Printing & Graphicsは風力発電とか、Presstekの 34DIデジタルオフセット印刷機を駆使して、環境に優しい印刷物の提供をしている。オンラインとコールセンターを通して顧客サービスを提供している。

「私たちが採用した中で最もエキサイティングな方法の1つが100パーセントの風力発電に変えたことだ。」と、ハーロンは付け足した。光熱費はエネルギーが炭素ベースの燃料で発生したよりおよそ20%高くつくが、石油依存への減少を図ったステップである。「私は低炭素化を目指し、Herron Printingがなしえた前進を非常に誇りとしている。」ハーロンはまだ減少させた炭素の足跡を売り出しにかけていないが、彼は、既存の顧客達が同社の取った行動を喜んでくれると信じている。「私たちは、また、それが新しい顧客獲得での競争性で有利な立場に立てると思う。」と、彼は言った。同社はPresstek 34DIプレスにより成長利益を得ている。
ハーロン社の売上は、作業の速いターンアラウンド(迅速手離れ度)のもとで、高品質、小ロットの4色物をこなせる能力がつき、ここ90日間で能力は倍増してくれ、1年では20%は上がっている。その前年比の成長の25%が直接、Presstek DIに起因しているとハーロンレポートは述べている。

チェコのビロード革命は水なし印刷につながる
チェコスロバキアの1989年12月の「ビロード革命」以来、新たに創られた共和国は印刷工業を含む、工業部門での急速な発展を経験した。WPAの最新のスポンサー会員、Uniwareは共産党政府の非暴力打倒、「ビロード革命」(チェク語: sametova revoluce、スロバキア語: ne.na revolucia)の後、3年足らずに設立された。11月16日から12月29日までのイベントでは、1989年の革命で最も重要なものの1つが見られる。
12月10日にグスタフ・フサーク大統領は、1948年以来のチェコスロバキアにおける最初の非共産系政府を任命して、辞職した。アレクサンダー・ドプチェクは12月28日に連邦議会の議長に、バツラフ・ハベルは1989年12月29日にチェコスロバキア大統領に選出された。現在、チェコ共和国は安定した政治風土と勢いある経済力を持った、完全に民主的な国となった。
経済の変化と民主的な管理の好結果は明らかで、住民の生活水準の向上はめざましく、ヨーロッパ連合のいくつかの規格水準に接近してきている。Uniwareの創設者であり、かつ、現理事のAntonin Krizが1992年にプラハでこの会社を創設した。
会社は現在、Horovice、Ostrava、Brno と、隣国となったスロバキアにはSkalicaオフィスと支店網を誇っている。基本的な社是はサービスとサポートを重視した、最高品質技術を提供することである。
Uniwareはいつもその状況と顧客の要求に合った特別のオファーを提供しようとしている。
レコメンデーション(推薦)、参照、さらに、長い期間の協力の可能性に基づいて、彼らは慎重に供給者と相対し自分達の適正製品を選ぶ。さらに、強さの第一歩として素晴らしいサポートをし、最高の品質解決策を顧客最に提供できるということだ。
Uniwareによって代表された会社のいくつかが、米国のCTP/イメージセッターメーカーのECRM、印刷用色測定計測機メーカーのX-Rite、UVレーザー光によるCTP装置のメーカー・スイスのLuscher、デジタル印刷機メーカー・東レ水なし版の代理店・Xanteである。
Uniwareは印刷機の分野では、三菱枚葉・輪転印刷機、桜井の枚葉印刷機、A3とかB3サイズのハマダ枚葉印刷機、コニカミノルタのデジタル印刷機、KIPのCADやGISの向け大判レーザープリンタの代理店をしている。
Uniwareは販売とサービス素晴らし実績により、メーカーから多数の賞をこの数年かいただいたが、これを誇りに思っている。同社が水なし印刷でも、他分野と同様の成功を遂げることを願っている。

2008年10月 4日

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