日本WPA : Japan Waterless Printing Association

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日本WPAの活動  - 2007年7月 -

EWPA会長・Detlef Braun氏からの報告

6月中旬、ドイツのオッフェンバッハ市のローランド社で実技対話形式のUV水なし実演会を開催した。

ローランド社でこの種の催しものをしたのは初めてであったが、UV水なし印刷では厳しい仕事の領域で大変効果的なことに関心が集まった。実演は非吸収性のプラスチック材で、ベタが多く、しかも細かい白抜きの入った模様のカード類の印刷を行った。UV水あり印刷ではこのような非吸収性の材料に印刷するのに、水とインキのバランスが大変取りにくい。当然スピードも上げられない。ところが、UV水なしではこのような制約はなく、しかも、白抜き部まできれいに再現してくれる。機械メーカー、参加者ともUV水なし印刷が見直された一日に始終したと言う。

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MANローランド社での実技対話形式のUV水なし実演会の風景


9月5?6日には、ハンブルグ市のイリス・グラフィックス社(リョービテクニカルセンター)でEWPA主催によるリョービ755機を使用しての「水なし印刷の勉強会」を開催する。水なし印刷を環境側面から見直し、多様化して行く被印刷素材への使いこなし方を勉強する会としている。中央ヨーロッパでも水なしの声が高まってきつつある一端と言えよう。

2007年7月29日

Printed Electronics市場が求める印刷技術の進化

東洋インキグループ創立100周年記念プライベートショウが7月25日‐26日、ザ・プリンスパークタワー東京で開催された。

先進国での印刷出荷高は実質ダウンする閉そく感の漂う中にあって、印刷技術を見直し、未来への夢を膨らませてくれる、「活気の素」を与えてくれた催事であった。決してモノ売りを前面に出したものでなく、参加者への大きなソリューション、ヒントを与えてくれた。

セミナー、「FRID用印刷型導電材料とその応用展開」を興味深く聞かせていただいたが、講師、大春敬氏のプレゼンは印刷技術をさらに進化させてより高付加価値への転用を目指すもので、実現の可能性の高い技術である。具体的な落としこみにも触れられ、Printed Electronics市場が求める印刷技術の進化と言う点では、「水なしオフセット印刷」がその頂点を極めていこうという見方を示された。

日本WPAの中に、Printed Electronics研究会を設け、水なし印刷技術をPrinted Electronicsに転用させる勉強を重ねているが、ある会員はこの度、新連携にのっとる認定企業の申請を行い、過日、その認定を得ることができた。その研究テーマは、まさしくPrinted Electronicsの1項目であった。

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説明スライドの内容の一部

2007年7月25日

Waterless Current2007年8月号を会員に配信

タイのプーケット島で活躍するMillenniun Graphicsが掲載されている。
354㎢の島には、120軒のホテル・リゾート設備がある土地柄である。いかに質の高い印刷物をすばやくこなすべきか、タウィーサルク・アイクワニック社長のモットーは、「科学と芸術の調和」であり、2000年にはマックでのデザイン力をこなす体制を取っていた。この時、WPA、に入会し、2003年に製版機を組み込んだ水なしDI印刷機、PresstekブランドのリョービDI印刷機の導入をはかった。仕事も順調に伸びたところで、不幸にして、2004年インド洋津波で島は大被害を受けるが、その後の、強力な復興計画のお陰で島の復興ははかられている。そこで、彼は菊半歳のDI印刷機、KBA 74カラットを震災後に思い切って導入した。これが功を奏し、プーケット島では評判の高い印刷会社として名声をはしている。

AdobeとFedEx-Kinkosの取引が米国の小企業印刷業者を怒らせる
6月初め、AdobeはFedEx-Kinkosの印刷オンラインシステムとAdobe ReaderならびにAdobe Acrobatソフトウエアを結びつける契約をしたと発表した。これによりプリント・バイヤー(印刷発注者)がReaderとAcrobatソフトの中で印刷発注をしてしまう道が開ける。
小企業印刷、クイック印刷のオーナーたちは、すぐさまこれに異を叫び出した。そこで、6月15日、NAPL(米国オフセット印刷業者組合)とNAQP(米国クイック印刷業者組合)はAdobe社・CEOのBruce Chizenに、AdobeとFedEx-Kinkosの合意内容について、公開質問状を送った。The digital Imaging Customer Exchange Board of Directors(デジタルイメージ・ユーザー経営者交換会)も独自の公開状を同じように出した。日本ではこの報道はされていないが、米国ではその結末がどうなるか、注目されている。

ワシントン市にあるMozaic社はグリーンの金賞を目指すべく、環境にやさしい印刷材料、印刷方式、グリーン電力に取り組んでいて、米国内でのグリーン金賞に値する、環境啓蒙を続けてくれている様子を報じている。

2007年7月23日

精英堂印刷でW2インキの性能確認・VOC放散量試験

日本WPAはオフセット印刷工場で、さらなる環境改善をはかる、印刷材料の開発支援に当たってきた。

このたび、インキメーカーの協力を得て、水洗浄性インキの改良テストを精英堂印刷(米沢市)で実施した。前回のテストでは、黄インキの地汚れが起きたが、今回、この改善を図ったジャパンカラーのW2水なしインキで日本初のハイデルベルグ 105XL-6LX-UV機を使ってテストを行った。
18,000回転の最高スピードでテストを行ったが、前回起きた地汚れはものの見事に解消され、全く起きず、かつ、そのスピードに追随してくれるインキであることが確認された。50倍ルーペで確認したが、網点の点質は従来の水なしインキを上回る再現を見せてくれた。ツヤはまずまずの水準に落ち着き、実用範囲と判断した。一連のテスト時に発散されたVOC放散量の測定結果を以下記述する。

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ハイデルベルグ105XL-6色UV仕様機(日本初)でW2インキのテストを行う

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105XL機の仕様詳細

昼食後に測定 単位ppm

印刷室 13

従来水なしインキ印刷時   壺の上
第2胴排紙側・墨 19      第2胴・墨 21
第3胴排紙側・藍 16      第3胴・藍 10
第4胴排紙側・紅 29      第4胴・紅 9
第5胴排紙側・黄 31      第5胴・黄 12

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その測定風景

先ほど使った、従来水なしインキを洗浄して洗い落とし、W2インキを壺にいれる。このとき、機械の洗浄タンクに内蔵されていた、W社の洗浄液(UVインキ用の洗浄液)をインキにかけたところ、洗浄時には大変高いVOC放散値が露見された。

第2胴給紙側・墨   3200
第3胴給紙側・藍   1900
第4胴給紙側・紅   1800
第5胴給紙側・黄   2800

この時、印刷室内も残留VOCに見舞われ、50?70を示してくれた。そこでこの残留VOCの減衰が図られるまでテストを中断した。15分後に先の通常値13ppmまで下がったことを確認してローラにW2インキを巻いて印刷テストを再開する。

  W2インキ印刷時
第2胴排紙側・墨   26
第3胴排紙側・藍   29
第4胴排紙側・紅   28
第5胴排紙側・黄   21

このとき、W2インキは従来の水なしインキと比べ、そのVOC放散量がさらに低下したとは見受けられなかった。低沸点インキで、共沸により飛ばされたと解釈できよう。
W2インキの印刷結果は冒頭の通りであった。思い起こせば、このプロジェクトの立ち上げを主張し始めて、3年が経過する。よくぞここまでの品質水準に到達したかと、関係者のご努力に感謝したい。最後に、中性水系洗浄液での洗浄作業を行った。
4胴目のブラン手洗い洗浄をテスト品D液で行ったが、落ちは今ひとつであった。この時のVOC放散量は40?60ppmを示す。
5胴目のブラン洗浄は、テスト品E液で行ったが、これも落ちは今ひとつである。VOC放散量は60ppmを示す。ことVOC放散量は大変低い値ではあるが、落ちの性能改善の必要がある。
W3洗浄液X2(中性水系洗浄液)でローラ洗浄を行った。インキは解けてくれたものの、インキの掻き取りが今ひとつ以前の、小森機での結果と比べはかれていない。ところが水で2度洗いをするとものの見事に落ちてくれた。ローラ洗浄のこなし方についてはより精査する必要を感じた。しかし、ことVOC放散の観点からみると、70?120ppmしか放散されていない。試しに第2胴でW社の油性タイプの洗油で洗浄してみたところ、600?900ppmと言う値になった。瞬間では1800ppmを記録してくれた。W2インキの洗浄液ではそのローラ洗浄でのVOC放散量は至って低いことが確認された。
W2インキは今や、商用水準に到達してくれた。この専用洗浄液のさらなる改良が望まれる。

2007年7月20日

「水なし印刷」に取り組む中国(珠江デルタ地区)の先進印刷企業訪問記

中国が世界の工場と呼ばれて久しく、同時に世界一の人口を抱える中国は、一大印刷物消費国でもある。

今回、世界で一番、印刷産業の発展を遂げている注目地、珠江デルタ地域を日本WPA田畠会長、奥副会長、小川理事は6月24日から27日まで水なし印刷での連携を模索しつつ訪問した。

訪問先はそれぞれ特徴ある印刷会社で「世界市場に向かって突き進む印刷会社」と、「世界市場と国内市場の両方を手掛ける出版印刷会社」、世界一のビール消費需要に相応した「国内需要向けビールラベル専門印刷会社」であった。


世界一の平台(枚葉印刷)を保有する印刷会社:LEOペーパー社
創業25年で世界一

中国 4000年の食文化を支える広州市から、整備された高速道路網を縫って、車で2時間の鶴山市の郊外に、菊全多色機(4色?両面8色機まで)を総計85台(製版から製本までの全ての機械は、総計6000台とのこと)が、24時間稼働するLEOペーパー社の印刷工場がある。珠江上流の西江と呼ばれる川沿いの畑作地帯に忽然と姿を現す7?8階建てのビル群が、LEOペーパー社の印刷工場である。

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真中が総帥(役員)元大日本印刷香港の出身者

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LEOペーパー工場はまるで新しくできた一つの印刷町である.町の模型図

LEOペーパー社は、創業25年(1982年創業)であり、日本の印刷会社から見ればまだまだ若い会社。香港を拠点にして創業し、たった一台の手上げ袋の加工機を導入したのが、1982年、その10年後の92年には本格的な商業、書籍、紙器印刷に乗り出し、印刷技術の向上に磨きをかけ、2002年には米国に販売拠点を設けて急成長路線に乗った。

現在は、中国本土、鶴山市の印刷工場、香港の本社を含め、世界7拠点で販売活動を行っている。この鶴山市の工場も手狭になり、中国本土の他地域での工場建設を計画中であり、総数5工場を目標にしている。

印刷物は、毎日90コンテナを欧米向けに出荷
印刷物は、全て欧州、米国向けで中国向けは全くなく、日本向けも滅多にない。日本向け印刷物のない理由は、要求品質が以上に厳しいことと日本語環境が難しいことである。一日の生産は、平均で90コンテナ分、最盛期に140コンテナを出荷するという。
    
この生産量を支えるのは、安価で豊富な労働力とその労働力を最大限に引き出す労働環境、生活環境の整備と充実した人事制度や教育制度である。敷地内に、24時間営業の銀行、郵便局、娯楽施設、スポーツ施設を備える一大アパート群を建設し、27000人を敷地内に住まわせている。社員の不満を解消するために、最高責任者の総裁が、ウイークディはこのアパートで共に生活することもあるとのこと。平台の印刷工場は、温度・湿度管理は行き届いており、オペレーターの動きは極めて活発である。

我々を案内してくれた総裁が現場に現れても、目礼する程度で仕事の手を休めることはない。また、要所要所には、生産高に関する各チーム別の日々のデーターが張り出してあり、従業員の向上心を刺激しつつ、生産高の向上、効率の向上に務める手法は、世界共通である。教育ルームには、各印刷機メーカー別に、印刷機の動く模型がおいてあり、この模型を使って印刷技術の基礎を学ぶ工夫がされているのには驚いた。

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ローラ・胴周りの駆動モジュール、これで印刷時の原理がつかめる

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第6工場24台の枚葉機と製本部門があったが、この生産管理部門(約20人)ですべての工場の生産を管理(能率は高い)

一人当たりの労働効率の驚異的な高さ
LEOペーパーには、このように驚かされることがこのように多数あったが、その極めつけは、これらの大量の印刷物を扱う営業マンは、世界で40人しかいないこと、またこれらの全ての印刷物の工程管理を、殆どが女性であり20人足らずでこなしている点にある。日本の印刷業にとって一種の脅威であり、驚異である。好むと好まざると、中国の印刷業界とどのように折り合いをつけていくかが、日本の印刷業界の課題であることは間違いない。

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印刷機の人員配置組織図

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個別機の生産実績表、OEE実績を表示


水なし印刷への取り組み
LEOペ?パーの企業理念には、品質や倫理観の向上、社会への貢献と同列で「環境保護」が唱われている。これらの企業理念が対外向けの見せかけではないことは、欧米の有力出版社がこぞってLEOペーパーに印刷物を発注していることからも窺えるが、「環境保護」にも必要な投資を惜しまず、廃液等は完全に自社で最終処理を実施している点にも現れている。「水なし印刷」は、輸入水なしインキ(日本製)の価格高にも拘わらず、環境保全の意識から採用を開始しており、ここ数年、新規ないしは更新する印刷機(年間5?10台程度)は全て「水なし印刷」が可能な仕様となっている。水なし化にも大きな関心を寄せており、中国での水なし化の先駆者となる意気込みが示され、日本WPAと具体的に実のある連携をすることを約束してくれた。

CTPシステムの先駆者:金杯印刷
先進技術の収得に邁進

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出版物が得意の金杯印刷

広州市から日本の鉄道技術で建設された高速列車で一時間の距離(今回は車で移動したが)にある東莞市に、日本を含むアジア地域で最初にサーマルCTP版を実用化した会社があり、それが今回訪問した金杯印刷である。
1995年のDRUPAで展示されたCREO社のサーマルでセッターを、同年に購入しCTPでの印刷を開始した。93年には、FM印刷を手掛け、ハイファイ6色印刷を、売り物にしていた金杯印刷にとっては、次世代の印刷システムであるCTPを導入することに全く躊躇なかった。
水なし印刷も、1990年頃に香港工場でテストをしたくらいの未来志向の会社である。

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FMスクリンにはわれわれより早くから取り組んでいた。驚いたのは95年に発表されたCTPをいち早く導入していたのだ。我々より数年早い設備投資の実態をみた。

英語辞書印刷で差別化
1971年に創業し、紙器印刷から書籍印刷までの印刷物を手広く印刷し、20台(120胴)以上の印刷機と1000名の従業員、3工場を有する中国の中堅印刷会社である。
金杯印刷は、海外向けと国内向けの兼業印刷会社であり、海外向けには、英国のOXFORD大学や、LONGMANの辞書や出版物を中心に海外向けの教育関係の印刷物が主たる品目である。33gベースの辞書用紙を両面機で、しかもフルカラーで印刷する技術は、金杯印刷ならではの技術に対するこだわりが感じられる。

英国と米国に販売拠点を持ち、更なる飛躍を目指して創業者の息子さんである2代目の若社長(33歳)が、工場敷地に寝泊まりしつつ、香港本社と東莞工場を日夜往復する行動力に感心することしきりであった。

水なし印刷は20年前にテスト
「水なし印刷」は、20年前にテストしたがシステムが未完成で断念したが、昨年より、これからの印刷会社には必須の技術として取り組んでいる。両面印刷機が主力であることから、見当精度の向上が図れることが目先のメリットであるが、「環境問題」が印刷会社として避けて通れない道であるとして「全台の水なし化」を目標としている。  

創業者は、香港印刷組合の理事長でもあり、珠江デルタ地区の印刷関連団体の種々の役職を兼ね、業界発展のために活動中である。東莞市と隣の深セン市を含む江デルタ地区は、印刷産業の世界的なハブになろうとしている。印刷関連団体の活動には、環境問題の含まれていることを、香港政庁の環境関連の役人が「水なし印刷」を見学に来たことを例に出して説明をしてくれた。当然、WPAの活動への理解も深く、JWPAとの連携も視野に入れて今後も交流していくことになっている。

世界一のビール消費国をFM6印刷で支える:萬昌印刷
600社のビール会社がしのぎを削る国

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広東萬昌印刷はラベル印刷がが得意

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日本WPA一行の熱烈歓迎看板

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同社では工場幹部と意見交換の会議をもった。

工場中国が世界一のビール消費国になって3年以上が経っている。何せ、人口が多いのが最大の理由。一昔前は、火の出るような老酒や白酒が最も好まれる庶民の酒であったが、非経済的なビール(アルコール度数換算では最も高価なアルコール飲料)を飲むようになったのは、中国の生活、所得水準の向上が一役買っている。但し、ビールは体を冷やす飲み物との認識があり、冷やさずに飲むのが正調中国風。

中国には、600社以上のビール会社があり、有名な青島ビールはその一社でしかない。ビール会社は、600社の競争を勝ち抜くために、中身の勝負よりは、見かけ、見栄えの勝負に拘っている。中国には、缶ビールは存在せず、全て瓶で製造しており、瓶の形やラベルに相当なこだわりがあり、ラベルは半年に一度デザインを一新する(当然中身は変わらない)。

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工場内の約10台の枚葉機にはロールシーターが敷設されている

ラベルの年間印刷枚数:130,000,000枚
これらの、ビ?ルラベルを専門に印刷している会社が、広州市から車で一時間の距離にある萬昌印刷である。創業は1987年でまだ、20才の会社で総経理(社長)も、30代後半の若手、工場は、2ヶ所にあるが合計18台の6色?7色の菊全機を所有し、生産性の劣るラベル印刷機は一切使用していない。グラビヤ、フレキソ印刷も手掛け、従業員は1100人、ラベルの印刷枚数は、1億3千万枚で、ビールラベル印刷でのシェアは中国一とのこと。原反の用紙はロールで購入し、自社で印刷寸法にカットし枚葉印刷を行っている。

FM6の導入で生産性が20%アップ
ビール業界における過当競争は、ラベル印刷業社間でも過当競争になっており、生産性の向上は至上命題である。昨年度は、20%の生産性向上を達成したとのことで、その決め手は、日本の業界でもあまり手掛けていないFM6の導入によるとの説明を受けた。ラベルは殆どが特色印刷であり、ロット毎に色変えをなくてはならないが、FM6であれば色替えの必要がない、しかも付け合わせ印刷ができる。

更に驚いたことに、印刷用紙は、幅1020mmを使用し、両端の印刷余白は1?2mm、菊全印刷機の横幅は1030mmであり、1020mmの用紙なら理論上は印刷可能であるが、誰もそんな冒険はしない。菊全機は、菊全用紙幅である939mmの用紙を使うのが常識。FM6の積極的な導入と最大の印刷面積を稼ぐ常識はずれの用紙幅の使用、一種のバイタリティーとも言うべき物である。

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このすり本はすべてラベルである。

水なし印刷はFM6で再挑戦
「水なし印刷」は、水なし用インキの特色の手当がつかず、一次中止に追い込まれたが、FM6の導入により特色問題が解消されれば、再度挑戦するとのこと。日本のビール会社のラベルも印刷しており、日本に親近感を持っており、何らかの形で日本の印刷会社との交流を期待しているとのこと。まだ、若々しい会社のエネルギーとチャレンジ精神は、大いに参考になった。

2007年7月11日

株式会社アイカ・ドリーム工場でVOC放散量を測定

7月9日(月) 日本WPAのVOC測定班は株式会社アイカドリーム工場を訪ね、印刷機からどれぐらいのVOC放散量が出ているか、計測して調べてみた。

A0判のサンデープレス4000は毎時8万回転の速度で回っていたが、完全に、水なし版専用で使っている。そのVOC放散量は思いのほか低いものであった。水なしであるが故、湿し水からのVOC放散量が一切ないためと思われる。(単位ppmc)

        上胴   下銅
第1胴黄版  31    9
第2胴赤版  43    8
第3胴藍版  19    7
第4胴墨版  10    8

次に、リソピア1号機AY-600(水なし仕様)の下銅のみを計測したが、4胴とも値は0ppmcであった。
リソピア2号機AY-700機は第1胴と第4胴が0ppmc、第2胴(藍版)が56ppmc、第3胴(赤版)が48ppmcを示していた。

これらは風のたまりの問題、印刷模様とスピードにより左右されるが、総じて低い値である。
注目したのは、製本のホットメルト部は1号機で0ppmc、2号機で6.1ppmcにすぎなかった。

文字通り、環境面でもドリーム工場であった。


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ハイデルベルグ・サンデープレス4000のVOC放散量を測定

2007年7月 9日

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