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日本WPAの活動  - 2005年4月 -

W2インキの放散速度量 2005年4月7日技術委員会発表内容

今まで所定の印刷テストサンプル「午後の紅茶 ポッポあやや」で冊子を作り、この印刷物の放散速度をJWPA技術委員会では調べていた。
印刷物という製品体だけではなく、インキ・洗浄液の素材単体から出るVOCを確認して判断することに今回は取り組んでみた。
<今回の分析方法>
 いままでは印刷物から出るVOC放散分析を行ってきたが、今回は印刷材料そのものを?小型チャンバー法によるVOC放散試験および、?GC-MSを用いたVOC関連の成分分析も行った。
?小型チャンバー法によるVOC放散試験
これはPETフィルムにインキを転写し、乾燥したサンプルを作成して、小型チャンバーでサンプル検体のVOC放散試験を行った。
検体にあるブランクとは基盤のPETフィルムそのものである。

5検体1日・3日・7日放散量明細pdf

5検体放散速度7日推移表pdf

?GM-MSを用いたVOC関連の成分分析
HS-GC-MSにより検体から揮散する成分について分析を行った。また、検体をアセトンに溶解させ抽出された成分についてGC-MSにより分析を行った。

GC-MS分析検出成分

今回の速報から読み取ると、以下のようなことが観察できる。
<W2インキについて>
 ・VOCが皆無ではないが、比較4サンプル内では群を抜いて低い。
  この表で見る限り、T-VOC値はW2インキでは208、水なしSOYでは620、水ありSOYでは979、水ありNON-VOCでは585と出ている。<5点放散試験表>
 ・含有VOC成分は数種類に限定されている。
 ・今回分析を実施した「W2インキ印刷物VOC放散分析」に検出されている脂肪族炭化水素・芳香族炭化水素・ハロゲン類・アルデヒド類は、インキ以外から放散、検出されていたと考えられる。
<W2用洗浄液>
 ・アセトン抽出分析を実施した結果、脂肪族炭化水素およびアルコールアミン・ハロゲン類が検出された。極微量ではあるが、有機溶剤が使用されている可能性はないか。このアルコールアミンはアルカリ性を示す成分につき、「インキ洗浄時の保護めがねの着用」をうたっているのかもしれない。 
 ・工業油由来の有機溶剤は極少量使用されているにすぎない。
<洗浄後廃液>
 ・洗浄液が検出された最たる成分は、W2インキおよび洗浄液に由来する成分であった。両者に由来する成分に該当しない検出成分は、印刷機に残存していた成分が洗浄時に抽出され、分析に検出されたものではないかと考えられる。 (発表・日本WPA-C委員)

2005年4月30日

講演「中小企業こそ、循環・共生型の仕組で生き抜こう!」

平成17年4月22日(金) 184名様出席者の下で盛会裏に開催できました。ご参集誠に有難うございました。以下、講演録です。

講師:東京都教育庁総務部契約管財課 赤羽 哲様
「青空が大きく見えた子供の日」と都民から感謝の言葉をいただいた。このことは、国に先駆けてディーゼル規制を柱とする「環境確保条例」を定め、施策を着実に推進して多くの都民の共感と支持を得た成果である。
出る杭は打たれる。前例がないからやらない。常識の更新を図らない企業は、雪印や三菱自動車のように存亡の危機を迎える。また、赤城の山も今宵限りのセリフでNHK会長を辞任し、翌日相談役に就任したが、更なる辞任で混迷の極めを創造した大企業病もある。
一方、「前例が無いだからやる」方針で、アサヒビールを奇跡の復活に導いた樋口広太郎氏、「風で織るタオル」をネーミングに、独自の差別化に成功し、世界に冠たる中小企業に成長させた、愛媛県今治市の池内タオル(株)の敬服すべき経営者もいる。
(注・常識の更新をはかれない方、会社とは社会正義上取引は許されない。環境へ配慮される会社は取引対象の大きな条件と考える。さらに、社会弱者へ配慮した印刷ものづくりをしていただきたい。)
1 音の出る印刷物について
視覚障害者の場合、印刷物を受け取っても何が書いてあるか解りません。そこで、情報提供の方策として、SPコードが開発されました。大きさと概要は、縦横18ミリ(切手程度)で1つのコードで800文字を凝縮することができます。
専用の読み取り機で再生が可能であり、区のバリアフリーマップや銀行協会案内・会社案内などに多く利用されるようになってきました。
SPコード印刷及び疑義照会先
日本視覚障がい情報普及支援協会  03?3208?5023
 
2 新商品の開発に向けて
燃やすと黒煙、3K職場の解消、日本の山を守る、東京=地方、A版に対応する、
子供にとって・・のコンセプトの基に、ウディー君(間伐材机)・エコさん(ゴム廃材)の呼称で開発したエコロジー型の児童・生徒机・椅子。

3 印刷のプロとして 
OA機器の普及や高性能化により、オンデマンド印刷や高品位印刷が家庭でも可能です。また、インターネットにより、活字媒体から電子データで確認なども可能です。   
一般的な印刷契約に当たり、製造固定費(企画・原稿料・フィルム経費など)と製造変動費(印刷・製本・用紙代など)が必要ですが、発注する側はあまり製造固定費については考慮しません。その理由を考えたことがありますか? だから、製造固定費が着目される点なのです。
会社案内の失敗例、このような印刷(物)ができれば・・・・。
(注・環境をうたい文句にする会社が、環境ロゴをつけた自社カタログを制作されていたが、その表紙はプレスコート加工されていた。環境を思うコンセプトに統一していただきたい。)

4 これまでの経験を生かし
都立城東高校の創設に参画して、都立工芸高校の改築を担当して、大学院卒の新規採用教員の免職に当たり、郷土を想いて・・・。

5 発注する側として
  1 このような企業には仕事の発注はしたくない
  2 検査が終了したら速やかに支払え
  3 もっと、もっとPRをしてください!

P1010036.JPG
会場風景

2005年4月24日

水なし印刷研究会設立記念・セミナー&見学会を開催します(終了しました)

  ●全印工連水なし印刷研究会のご入会の薦め
  ●多数ご参加いただき有難うございました

新発足を見た全印工連水なし印刷研究会と日本WPAとの共催で「新概念の都市型印刷工場」を掲げる、株式会社新藤様の見学をいたします。同社の持つ歴史と技術を新しい形の印刷ビジネスに発展させ、より質の高いサービス展開をされようとする姿勢をぜひご覧いただきたく存じます。

 国技館と江戸東京博物館の目の前に建つ瀟洒なビルが新しい印刷工場です。大きくとった配送荷受場、吸音装備の印刷室には両面8色機を始とするハイデルベルグの4台の水なし専用印刷機と水ありオフセット機がずらりと並んでいます。
 プリプレス室には水なし専用CTPと水ありCTPが装備、しかも、ポストプレスまでの一環設備をものの見事に垂直階ごとに設置されています。都心で、環境にやさしく、高品質、高サービスを提供する、見事な仕組みが構築されています。6Fの多目的ホールの江戸版画のレプリカ、屋上小庭園は安らぎを与えてくれます。ぜひ、見学を通し新しい刺激を受けていただきたいものです。

 2月に当会の有志数名が、欧州の水なし印刷の先端技術を学ぶために、視察旅行をしてきました。京都議定書の発効を意識しつつ、印刷工場でできる限りのVOC除去を図れる可能性を追求してきました。サンケミカル社のDr.Fritzから大変有意義な水洗浄性インキの可能性を聞かされました。氏の情熱とその内容の一端をセミナーでご披露します。
 セミナーではオランダのパッケージ会社、M.Y.Carton社が開発した、FM6なる、特色物の実用的な印刷付け合せ法をご報告いたします。6色固定インキ+FMスクリーン+水なし印刷(これは近く導入)の組み合わせで、あらゆる特色をインキの壷入れ替えでなく、固定インキのかけ合わせで再現しようと言う技術です。M.Y.Carton社では商用運用を3年間行い、特色物を「付け合せ印刷」で差別化をかけ、欧州一の生産性を達成しています。
以下の日程で行いますが、ぜひ、この催しにご参加くださいませ。

急告「予定以上の参加応募をいただき申し訳ありませんが、この受付は終了させていただきます。」
17年4月13日
              
第7回水なし印刷セミナーと見学会「都市型印刷工場の見学」

●集合時間:平成17年4月22日(金) 午後13時00分(全印工連水なし印刷研究会の方)

●講演会会場・集合場所第一ホテル両国 5F 会議室「清澄」(きよすみ)

●工場見学先株式会社 新藤 様

●日程:
13:00?       第一ホテル両国5階 全印工連水なし印刷研究会集合
            ここから併催行事となります。
13:20?13:40 1報告「水洗浄性インキ・IRODRY W2の可能性」
            印刷で発生するVOCの大きい要素は洗浄液ですがこの洗浄液はアルカリ
            水溶液につき、VOCは全く発生しません。しかも、この洗浄廃液は自社内で
            リサイクルできる可能性を持っています。
13:40?14:00 2報告「FM6で特色の付け合せ印刷が可能となる」
            報告者:(株)文星閣・社長・奥継雄、(株)山田写真製版所・副社長・山田秀夫
            文祥堂印刷(株)、日本WPA・五百旗頭忠男
14:00?14:30 3講演「中小企業こそ、循環・共生型の仕組みで生き抜こう」
            東京都教育庁・総務部契約管財課・課長補佐・赤羽哲様
            森林の間伐材で学校机を作り、その森の地域ブランドを打ち立てる、
            21世紀に中小企業者が行きぬく循環・共生のモデルをかつて打ち立てた。
            都市型印刷会社でこそ、ユニバーサルデザイン、音の出る印刷、環境を
            意識する印刷をこなし、都民との共生の仕組みにとりこんでいこうではないか
14:30?14:45 徒歩で(株)新藤様(見学会場へ移動)
14:45?      株式会社新藤様、挨拶・?新藤・常務取締役・鳥羽一豊様
            4班に分かれて工場見学、第1班に全印工連研究会の班が入る。
15:15?15:30 全印工連研究会の方は早めに第一ホテル両国25F「さくら」へ移動、
15:30?16:00 全印工連研究会の方と日本WPA理事の方とで顔合わせ、今後の会の
            運営につき、意見交換。(「さくら」にて)
16:10?18:00 参加者による懇親会

●会費:当日徴収させていただきます
【全印工連水なし印刷研究会・会員様】講演・見学:3000円、懇親会:3000円(合計6000円)
*注意1)日本WPA会員外は研究会扱いとみなします。
*注意2)水なし印刷研究会の月額会費は無料です。今回のように催し度に実費をいただきます。

●その他
都合により日程の一部変更が生じることがございます。その節は、ご連絡申し上げます。参加者には参加者要項を追ってお送りいたします。

水なし印刷研究会設立記念・セミナー&見学会

部署・役職参加者氏名セミナー・見学会懇親会
参加不参加参加不参加
参加不参加参加不参加
参加不参加参加不参加

貴社名
電話FAX
連絡担当者E-mail

2005年4月22日

第7回水なし印刷セミナー見学会を(株)新藤様で開催(184名の参加者をいただき、盛会裏に終了しました)

184名様のご参加を得て、終了いたしました。有難うございました。

第7回目の水なし印刷の催しは、新発足を見た全印工連水なし印刷研究会と日本WPAとの共催で「新概念の都市型印刷工場」を掲げる、株式会社新藤様の見学をいたします。同社の持つ歴史と技術を新しい形の印刷ビジネスに発展させ、より質の高いサービス展開をされようとする姿勢をぜひご覧いただきたく存じます。

 国技館と江戸東京博物館の目の前に建つ瀟洒なビルが新しい印刷工場です。大きくとった配送荷受場、吸音装備の印刷室には両面8色機を始とするハイデルベルグの4台の水なし専用印刷機と水ありオフセット機がずらりと並んでいます。
 プリプレス室には水なし専用CTPと水ありCTPが装備、しかも、ポストプレスまでの一環設備をものの見事に垂直階ごとに設置されています。都心で、環境にやさしく、高品質、高サービスを提供する、見事な仕組みが構築されています。6Fの多目的ホールの江戸版画のレプリカ、屋上小庭園は安らぎを与えてくれます。ぜひ、見学を通し新しい刺激を受けていただきたいものです。

 2月に当会の有志数名が、欧州の水なし印刷の先端技術を学ぶために、視察旅行をしてきました。京都議定書の発効を意識しつつ、印刷工場でできる限りのVOC除去を図れる可能性を追求してきました。サンケミカル社のDr.Fritzから大変有意義な水洗浄性インキの可能性を聞かされました。氏の情熱とその内容の一端をセミナーでご披露します。
 セミナーではオランダのパッケージ会社、M.Y.Carton社が開発した、FM6なる、特色物の実用的な印刷付け合せ法をご報告いたします。6色固定インキ+FMスクリーン+水なし印刷(これは近く導入)の組み合わせで、あらゆる特色をインキの壷入れ替えでなく、固定インキのかけ合わせで再現しようと言う技術です。M.Y.Carton社では商用運用を3年間行い、特色物を「付け合せ印刷」で差別化をかけ、欧州一の生産性を達成しています。
以下の日程で行いますが、ぜひ、この催しにご参加くださいませ。

急告「予定以上の参加応募をいただき申し訳ありませんが、この受付は終了させていただきます。」
17年4月13日
 
              
第7回水なし印刷セミナーと見学会「都市型印刷工場の見学」

●集合時間:平成17年4月22日(金) 午後12時30分(日本WPA会員の方)
                          午後13時00分(全印工連水なし印刷研究会の方)

●講演会会場・集合場所第一ホテル両国 5F 会議室「清澄」(きよすみ)

●工場見学先株式会社 新藤 様

●日程:
12:30         第一ホテル両国5階 集合(日本WPA会員の方のみ)
12:30?13:00  日本WPA・依田英祐会長の挨拶、日本WPA第3期決算報告
13:00?      全印工連水なし印刷研究会集合 ここから併催行事となります。
13:20?13:40 1報告「水洗浄性インキ・IRODRY W2の可能性」
            印刷で発生するVOCの大きい要素は洗浄液ですがこの洗浄液はアルカリ
            水溶液につき、VOCは全く発生しません。しかも、この洗浄廃液は自社内で
            リサイクルできる可能性を持っています。
13:40?14:00 2報告「FM6で特色の付け合せ印刷が可能となる」
            報告者:(株)文星閣・社長・奥継雄、(株)山田写真製版所・副社長・山田秀夫
            文祥堂印刷(株)、日本WPA・五百旗頭忠男
14:00?14:30 3講演「中小企業こそ、循環・共生型の仕組みで生き抜こう」
            東京都教育庁・総務部契約管財課・課長補佐・赤羽哲様
            森林の間伐材で学校机を作り、その森の地域ブランドを打ち立てました。
            これは21世紀に中小企業者が行きぬく循環・共生のモデルともいえましょう。
            都市型印刷会社でこそ、ユニバーサルデザイン、音の出る印刷、環境を意識する印刷をこなし、都民との共生の仕組みにとりこんでいこうではないかと語りかけてくれます。
14:30?14:45 徒歩で(株)新藤様(見学会場へ移動)
14:45?      株式会社新藤様、挨拶・?新藤・常務取締役・鳥羽一豊様
            4班に分かれて工場見学、第1班に全印工連研究会の班が入る。
15:15?15:30 全印工連研究会の方は早めに第一ホテル両国25F「さくら」へ移動、
15:30?16:00 全印工連研究会の方と日本WPA理事の方とで顔合わせ、今後の会の
            運営につき、意見交換。(「さくら」にて)
16:10?18:00 参加者による懇親会

●会費:当日徴収させていただきます
【日本WPA会員・協賛会員様】講演・見学:無料、懇親会:3000円
【全印工連水なし印刷研究会・会員様】講演・見学:3000円、懇親会:3000円(合計6000円)
*注意1)日本WPA会員外は水なし印刷研究会扱いとみなします。
*注意2)水なし印刷研究会の月額会費は無料です。今回のように催し度に実費をいただきます。

●その他
都合により日程の一部変更が生じることがございます。その節は、ご連絡申し上げます。参加者には参加者要項を追ってお送りいたします。

第7回水なし印刷セミナー見学会

部署・役職参加者氏名セミナー・見学会懇親会
参加不参加参加不参加
参加不参加参加不参加
参加不参加参加不参加

貴社名
電話FAX
連絡担当者E-mail

日本WPA技術委員会報告書

日本WPAは平成16年度事業より、「水なし、みずあり印刷物のVOC放出量分析」を行い、少しでも印刷物からの、印刷室からのVOC放出の削減につながることの調査と研究に着手している。以下は、その委員会の活動報告書である。

日本WPA技術委員会 会議報告書「水なし、みずあり印刷物のVOC放出量分析」
とき:平成16年6月15日(火) 午前11時?12時 ところ:日本WPA 会議室
出席者:日本WPA技術委員会委員

5月8日、文星閣様で印刷した水なし印刷物、水あり印刷物の「放散速度測定結果報告書」を分析会社より受け取る。
放散試験の結果、明らかに水なし印刷物は水あり印刷物に比べT-VOCの値が低いことが判明される。(水なし印刷物=17600、水あり印刷物=42800)
この表を見る限り、アセトアルデヒドは、住宅基準で示されている値を超えている。400であるべきところ、水ありでは526となっている。
厚生省ガイドライン指針値物質は*がついている13物質である。
これらのことを勘案し、さらに、別の角度の試験を重ねる必要がある。第1は、原点に立ち返り、鉱物油インキでの、水あり印刷物、水なし印刷物の検査試験である。第2は、この印刷物の時系列変化による放散速度の把握である。第3は、UV水あり印刷、UV水なし印刷の放散速度試験である。
第1の試験刷り、放散速度試験は文星閣様のご協力を得て、近々、実施する。
このとき、第2の試験も合わせて行う。
第3は、できれば精英堂印刷様に印刷試験をお願いしてみる。
この試験内容の版権は日本WPAが所有する。関係方面への発表と利用はまずは、会員企業にさいしょとするが、第2の試験の後に公知させていただく。

日本WPA臨時技術委員会録 
平成16年10月18日(月) 午後1時30分?3時 ところ:日本WPA会議室
出席者:日本WPA技術委員会委員

精英堂印刷様で一連のUV印刷のVOC放散試験のために、水ありUV、水なしUV、水なしハイブリッドUVの3種の試験パターンに則った刷り本を上げていただいた。その放散値につき、1日、3日、7日の時系列変化を見た。UV印刷のVOC放散値は油性インキの値と比べると確かに低い。また、7日後の値は1日の値の1/4位に減衰してくれる。
UV印刷のVOC放散値の低い利点はあるが、逆に脱墨の欠点、オゾン発生と言う欠点も持つ。日本WPA会員は、油性インキの使用例が多く、油性インキのデーターを出すことを先に進めるべきではないとの見解になる。
油性インキでは、水ありと水なしのVOC放散値には「2倍以上の差」が見られた。(水なし印刷物=17600、水あり印刷物=42800)
この要因は何であろうか。インキの差か、湿し添加剤の差か、印刷機の差か…。
今少し、試験値(N数)を収集して見る必要がある。
根本に返り、日本WPAが手間隙、金をかけて、この印刷物のVOC放散値のデーターを出す意味はあるのだろうか。大局から見ると、重箱の隅をほじくっている感はしないだろうか。もっと他に取り組むべきことがあるのではないか。自問自答を委員会で重ねてみた。
インキ団体とてこのようなVOC放散データーを出していないと言う。また、インキ会社の視点からはこのような取り組みをしないだろうと言う。それならば、我々、印刷会社の団体として自らこのようなデーター出しをして、環境問題に取り組む姿勢を鮮明化することに意味が出てくるのではないか。いや、上述の「2倍以上の差」は水なし業者にとって、よりN数を増やし、確固とした数字に積み上げた確証を出すべきではないのか。
ゆえに、油性インキの水あり、水なし印刷試験を継続することにする。また、当面は費用もかかるが、時系列変化を見ることも行う。
今後の方針
1)次回の油性インキ試験:変数要因を絞り込むため、同一インキ、できれば同一印刷機でもって、水なし印刷試験、水あり印刷試験を行い、それぞれの刷本を得る。この刷本のVOC放散データーを比較してみてはどうか。(できれば野毛印刷社様に依頼してみる。)
2)このデーターは次回試験の分析結果をみて、会員を対象に公知をする。ただし、発表の仕方には慎重を期し、データーの一人歩きを防ぐ一方、その社会的責任を自覚してゆきたい。

日本WPA技術委員会録
平成16年12月21日(火)  午後4時?4時45分 ところ:日本WPA会議室
出席者:日本WPA技術委員会委員

11月27日 野毛印刷社様で印刷試験していただいた、水あり・水なしのVOC放散速度試験の数字が分析会社より算出された。A委員の見解では、3日目 水あり7600と水なし6950、7日目 水あり6270と水なし4300は確かに差が出ているものの、桁違いの差が現れていないので、これは許容範囲とみるべきである。
上に記した今後の方針1)の内容で印刷すべきであったところ、水ありと水なしの使用インキを変えて印刷してしまったので、検査目的が狂ってしまった。そこで、A委員は該当インキ成分を調べて見たが、そこからはこのデーターに導かれる納得いくものが見えない。
さらに、脂肪酸、アルデヒド、アルコールの項目の値を算出してみた。

算出表     3日目           7日目
脂肪酸     なし 454.7        221.5
          あり 612         133.5
アルデヒド     なし 286         215
          あり 271          202
アルコール    なし 147.4        68.3
          あり 208.1        5.9B
この数字からは特筆される結果は見えてこない。このマシンは常用として水ありであった。
委員の見解では以前、文星閣様で試験の数字では明らかな差があったとしている。
水なしの時系列でのVOC減少はなぜか、早くなっている。
以前の数字とつき合わせて今後の運用を考える。本件については、A委員がこの内容に則り、見解を出してみる。具体的にはメールを通じて相談をはかる。

2005年4月12日

ネットEMSのバージョンアップ研修会を実施

印刷ネットEMSの今年度バージョンアップ研修会を実施いたしました。

2005年4月11日

印刷物のVOC放散速度の測定までの経緯

                            平成17年3月
                            株式会社久栄社 社長・田畠久義
VOC(揮発性有機化合物)の測定
 印刷物から発散しているVOCの測定にいたったきっかけは、2003年11月のある得意先からの1件の問い合わせであった。当社で印刷したその得意先の環境報告書(水なし印刷+Non-VOCインキ+環境対応型ホットメルト)で、配布先の読者から、「同書を読み始めると、咳やくしゃみなどのアレルギー反応が出るので読むことが出来ない」という苦情があり、報告書より放出しているものが何か調べて欲しい、という内容のものであった。
 問い合わせを受けた当初は本の構成部材(用紙・インキ・製本用糊)の構成物質を調べ、それらの放出量を調べるということを計画した。その計画に従い、測定するべき物質を明確にするため、各メーカーに調査の依頼をしたが、
・メーカー側で明示(公表)してくれない部分がある。
・構成物質としてあがった物質の数が非常に多い。
・人体への影響が科学的に不明確の構成物質が多い。
ということがわかった。結果、このまま調査をすすめても、労力や時間の割には意味のある情報が得られるかどうかが不確実で、調査が行きづまってしまった。
 そのような時に、ご協力いただいていたインキメーカーより、教科書に対するアレルギー発症問題のなかで用いている測定方法(小型チャンバーによる放散速度測定)についてのご提案をいただいた。教科書は子供が長期間にわたって使用するもので、VOCに対する人体への影響調査が進んでおり、いわゆる「教科書問題」としてひとつのカテゴリーになっていたが、その教科書問題と今回の問い合わせのあった件がよく似た事例であると判断し、この測定方法を取り入れ、実際に問題になった環境報告書の測定にいたった。

印刷物のVOC発散量の測定結果
 環境報告書をそれなりの費用をかけて分析会社で測定した結果、50項目にわたっていろいろなVOC項目が発散していることが判明した。その後、詳しくVOCを分析・調査した結果、ホットメルト糊に原因があるらしいことがわかり、次回の環境報告書でその部分を改善したところ、特有の嫌な臭いもなくなり、苦情も発生しなくなった。
 環境報告書の件はこれで解決したわけだが、その調査過程において、今回の環境報告書の測定値と、同報告書とほぼ同ページの教科書の測定結果(教科書協会発表)との比較で、トータルVOCが非常に少ないのに気づき、この要因が水なし印刷やNon-VOCインキに起因するのではないかと考えた。だとすれば、まさに「水なし印刷の優位性」の科学的な証明になるのではないかと思い、全く同じ印刷物を水なしと水ありで印刷し、同条件下で測定することを試みた。

Non-VOCインキの真実?
 当社は水あり印刷の機械を持っていないので、テスト用の印刷物制作には全面的に文星閣様にお願いすることにした。その時、より顕著に差が出るようにインキも同一のものとせず、水あり印刷には通常の大豆油インキを、水なし印刷にはNon-VOCインキを使用した。ところが実際印刷して計測してみると水なし印刷の方がT-VOCが低いものの、思ったような差が出ない。いろいろ調べてみると、実はNon-VOCインキが原因で、通常の大豆油インキと比較してNon-VOCインキの方がVOCの高く出る場合があることがわかった。大豆油と鉱物油のVOC排出量を比較した場合、炭化水素系のVOCは大豆油の方が圧倒的に低いものの、アルデヒト系やケトン系はむしろ大豆油の方が多く出る。インキ業界でいうVOCとは一般的なVOC7類50項目のことではなく、鉱物油のことを漠然と指すことがわかり、Non-VOCインキとはVOCを発散しないという意味ではなく、インキ製造過程においてVOC(鉱物油)を混入していないという意味であった。
 そこで、今度は同じ大豆油インキで印刷方法のみを変えて再テストを行ったところ、期待通りのT-VOCの差が検出された。

環境負荷の「数値化」
 この小型チャンバーによる放散速度測定であるが、「水なし印刷」という技術に対し概念的な環境適応性の証明には有効なものの、1回の計測に相当な金額と時間がかかるため、個々の印刷物を測定し、タイムリーにクライアントに提出する事が出来ない。そこで、文星閣の奥社長の提案もあり、放散速度測定による水なし印刷の優位性の証明は、日本WPAの主導により継続していくこととし、当社は文星閣様の協力を得て、別の方法で個々の印刷物に対し環境対応印刷での優位性を数値化していく方法を考案した。
 これは実際の当該印刷物に対し、「水なし印刷」および「Non?VOCインキ」の両面から、それぞれ絵柄面積率およびインキ使用量を実測し、VOC削減量を計算により求めて数値化するものである。
 当社では前者の放散速度測定を「(印刷物の)消費過程における環境適性の数値化」、後者の計算による測定を「製造過程における環境適性の数値化」として区別し、環境対応印刷の優位性の証明としてきた。どちらも、発展途上の技術であるが、より統計データを蓄積し、価値あるものに積み上げをしていきたいと思っている。   以上

2005年4月 7日

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