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日本WPAの活動 - 展示会 -

IPEX2014報告(1)

2014年3月26日

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この展示会にここ6回、足を運んだ筆者にとって、一見、なんとも寂しい思いのする展示会ではある。アナログ・デジタル両分野の主要なる印刷機械メーカーが出品しない中、前回の1/3規模なる大幅縮小を強いられた展示会になってしまった。来場者も相当に減ってしまっていると見受ける。ところが印刷人としてこれを見て、この不透明な時代での自らの進路と生き道をみつけてくれたものとなってくれる価値ある展示会と見直している。drupaより100年も古い163年の歴史をもつIPEXはここで起死回生の知恵を絞り、印刷人にとっては大変見ごたえ、聞き応えのするイベントに仕上げてくれたのだ。
この展示会ではハイデルベルグ、KBA、ローランド、リョービMHI(代理店は出品)が出品中止をし、デジタル機械勢のHP、ゼロックス(代理店は出品)、キャノン、リコーは軒並み出品しなかったのだ。しかし、World Printing Summitなる経営者向けセミナー、Master Classesなる実務者向けセミナー、Future Innovationなる印刷の未来を掲示する特設展示、burnnettsなる関連業者数社の協賛のもとでの小型中古5色機を使ってのMakeready Challenge実演、小森の協賛の下での小森の菊全5色機+コーターによるオンディマンド実演でのグリーン化を訴求した「Ecozone」、先進的な印刷受注の具体的な成功例を掲示したInspiration Avenueはすばらしい内容のものである。丹念に見て聞いていると全期間の時間が必要となる。併設のCross Media Productionは1日遅れで開催されたが、特設セミナー3会場が用意されているものであった。これらは販促、出版、パッケージ・POPを課題にクロスメディアの実技セミナーを分けて講習してくれている。今の旬の実務家講師を引っ張り出してのセミナーは大変聞き応えのするものである。
日本ではPage展が27年の歴史を経て大変、充実した内容のイベントに定着してきているが、ある意味で方向性が限りなく近いイベントにIPEXは変質・進化してくれたのだ。IPEXの良いことに入場者は事前申込みをすれば、展示会入場、全セミナーの受講が無料になっていることだ。それに登場してくれた講師連は経営者、実務家達で今の時代で体験した旬の話を惜しげもなく話をしてくれるのはわが国ではみることのできないお土産となってくれた。
昨年半ばに、IPEX運営に危機感を持ったInforma社のEvent Director、Trevor Crawfordは、IPEX会長に何と、斬新的な生き方をしている出版印刷・メディア企業のSt.IvesのCEO・Patrick Martellを引っ張り出したのだ。彼は自らの企業体をリストラして新メディア企業に作り変えた男で正に旬の方であるが、さっそく、360委員会なるIPEX実行企画の委員会を組織し、ブランドオーナー、クロスメディア企業、出版、印刷のこれと思う方々に委員を就任してもらい、来場してくれる印刷人を喜ばせ、元気付かせる内容のイベントに仕立てると、打ち出したのだ。印刷の展示会の運営に出版社の親玉が登場する、危機感の裏返しでもあろうが、我々には着想できないことである。
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コマ数が減ったので会場の奥は開きスペースとなってしまった。

IPEXの変調事象はまさに、先進国の印刷界の状況を象徴するものである。drupa2012に期待をかけ大枚をはたいて出品した主要の出品者たちは、期待値に届かない結果を危惧し、かつ、自らの業績も考え、従来の形の展示会出品を修正せざるを得ない状況に追い込まれてきた。少し前までは世界の印刷機の年間出荷高は9000億円位あったが、この時点では半分の規模になってしまったのだ。この事態が重くのしかかり、結果として著名印刷機メーカーの倒産現象も起きてきたのだ。また、印刷機械メーカーの連衡合併が今、起きてきているのだ。出品者側の経費の節減は避けられなくなり、これがPRINT、IPEXにも余波が波及してきているのだ。当然、来年度のIGASにも同じ事象が現れてこよう。
IPEXは英国を基盤とした歴史のある展示会で、時の最適の方々が登場し、印刷国際展の作りかえをしてくれていると筆者は評価する。英国の出版界とて今は大変な時期ではあるが、何と言っても英語人口は日本語人口の比ではなく、その懐が深いのだ。ゆえに、その復元力の力強さを感じさせられた。クロスメディアは印刷界の方向性であるのは確かだが、print centric(印刷が基点)と信じ、行動し、成功実績を着実に作り上げてくれているのに感心させられた。

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