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「これぞ、究極のオフセット印刷」と言える・・・ヨシダ印刷株式会社のEco UV(低出力UV)印刷

2012年12月18日

5年前にお邪魔したときは、あるメーカーのぶ厚い製品カタログを印刷されていた。今日でも同社の技術が信頼され、そのカタログをこなすものの、紙カタログの量は減ってきている。他方、クライアントの販売戦略の都合上、急ぎの小ロット物のニーズは一段と高まってきている。
従前の油性インキ印刷機では乾き待ちのために後加工へ回すのに1日置かねばならない。
タチの悪いことに、バンヌーボなどの乾きにくい紙をデザイナーたちは使いたがる。
当然、ロットが落ちると印刷現場では加工高は上がらず、労多くして功上がらずの悪循環に陥る。
ヨシダ印刷(株)(金沢市)では従前機の更新時期が来たのをチャンスに、この春先、思い切って、今の仕事に合う印刷機の導入を検討した。地方部ではポスターの仕事は見逃せず、B全4色機とし、乾燥装置の選択を重ねた。市場での設置実績数を見ると、低出力UVが群を抜いていて、低出力UV(Eco UV)に的を絞った。同社は平成4年から水なし印刷を売りとしてこなしている上、現場でもこの技術が確立されている、さらに、水ありUVではとかく、水とインキのバランスを取るのに腕を要するが、水なしUVの方が水がないための垂直立ち上げと安定性を評価した。
泣き所は、水なしEcoインキが現存せず、手探りで「内外インキ」と一緒になって、最適インキを作り上げていった。これには半年近くかかっている。「内外インキ」も大したもので、同社に泊まり込みに近い状態で、技術陣が詰めかけてインキの改良に励んでくれた。
結果として、高めの温度でも追随する水なしEco UVインキを誕生させてくれた。実はこの新台機には水なしでは必須と言われる、胴ごとの温調装置を付けていない。印刷機全体のインキ温度を制御をする装置は付けている。水なしインキには比較的高温度で刷れるタイプのインキと、低温度で刷るタイプに2種のインキがある。水なし元祖の文祥堂印刷の技術陣は前者のインキで通していた。ヨシダ印刷も前者の方向のインキが良しとしている。このインキでは結露の問題は起きず、エッジピッグも起きないのだ。当然、裏移りとか、ブロッキングの事故は皆無である。UV照射を受けないとインキは乾かないので、インキかすによるピンホールも起きない。これは現場にとっては、理想形のインキと乾燥法と言える。
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苦労した点はそこそこのツヤを出すことである。ロングデリバリーにするとインキのレベリングが図られ、ツヤが出ようが、この工場ではそこまでの場所が取れない。新版の仕事ではクライウアントはこのツヤで十分と評価してくれるまでにインキレベリングの詰めを行った。
工場の機械を見せていただいたが、当然のことながら、機械にパウダーが付着せず、夕方でも機械は綺麗である。朝刷った仕事を午後にはひっくり返して印刷し、直さま、加工部門に回している。即日印刷など問題なくこなせるようになった。機械には自動化装置が入っているので、その立ち上げは素早い。よって、色目のうるさい校正は全て本機校正で行うが、苦にはならない。今までと全く違う印刷フローを作り上げてしまったのだ。UVであり、ドライダウンは全く起きないので例え、立会校正に来られて、見返しの色合わせをしてもドライダウンのことを気にしなくてもすむ。出来上がった刷り本にはパウーダー残りはなく、清潔感のある品位の高い印刷物に仕上がる。品質を重視している点は、この機械では印刷中に品質管理ができるカメラをデリバリー部に取り付けている。1枚づつの本紙の品質管理もこれでできるのである。これとて、紙が乾燥して出ているからこそ、擦れが起きず、取り付けた効果が出てくると言える。
この機械の横に4/4反転機が設置されていたが、気がついたことには、反転機では8版揃わないと印刷にかかれないが、こちらは4版揃えば印刷ができ、最終的にはこちらでこなした方が手離れが良くなることが間々ある。恐らくや、1年ほど経てば、このEco UV機に仕事を集中して使いこなす仕組みを作り上げるのでないかと見た。
実に従前の流れを一新した印刷ワークフローが組める。そのメリットは相当に大きい。唯一の泣き所は、インキ代が相当高いものにつく点である。やはり、インキ代を下げて頂くには、ひたすらこのインキのユーザー数が増えてくれないことにはできないであろう。
水なし印刷の仲間でぜひ、この優れた仕組みを享受するようにし、合わせて、インキのコストダウンを図れるようにぜひ、してみたいものだ。
次回訪問時は、VOC測定器を持参して、従前機の値と比較させていただきたい。この機械の放散VOC値はゼロに近いものになっていると確信する。
和久田専務、小原マネージャー、この技術を確立してくれた是安マネージャーにこの技術への着想とご努力、それに、ご成功の結末に心より敬意を払いたい。

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