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WATERLESS CURRENT 2010年2月号を送信

2010年2月27日

WATERLESS CURRENT 2010年2月号の巻頭記事を掲載する。

研究によると、植物性インキの方が油性インキの性能を凌ぐ
米国のウィスコンシン・スタウト大学で行われた研究のおかげで、印刷会社がオフセット印刷のために植物性インクを使う別の理由がわかってきた。我々は、アパレル・コミュニケーション学部のH.Naik Dharavath博士とキム・ハーン博士準教授に感謝したい。
大学の親切な許可をいただき、全33ページの研究論文をWATERLESS CURRENTの本号に納めるように編集した。読者には、調査に当たり、インキの腰、粘度、タック、水との馴染み、または物性につき、用意した2セットの内容は知らされていない。(よって、このリポートの結果に影響を与えた。) 
我々は、IWPAのウェブサイトから、またはcontact@waterless.orgのeメール連絡のもとで入手できる、詳細な報告書を読むようにお勧めする。印刷人(または、機械オペレーター)は印刷プロセスと関連したいくつかの変数と属性を管理しなければならない。
一般的にモニターされる属性はベタ濃度(SID)、ドットゲイン(DG)、および印刷コントラスト(PC)である。この研究のために、ドットゲイン(DG)、印刷コントラスト(PC)の属性と両方のインクの色域(ガモット)だけが、これらのタイプの印刷インキの違いを調査するために使われた。イメージ詳細、または品質のほとんどはこの網がけした色調部を使って評価する。

研究の目的
この実験的研究の目的は、プロセス(CMYK)オフセット印刷で使用される油性(鉱物油性)と植物性ベースのインクで、測定できる印刷属性(または、特性)と色域で違いを特定することである。
以下の問題が調査された:
鉱物油性と植物性インクの印刷コントラスト(PC)値は、CMYKでの違いがあるか?
鉱物油性と植物性インクのドットゲイン(DG)値は、CMYKでの違いがあるか?
2つのインキの色域ガモット)に違いがあるか?

研究の制限
研究はオフセット(平版印刷)印刷システムに制限されて、素材はウィスコンシン・スタウト大学のグラフィック・コミュニケーション研究所のものを使い、この見地は、他の印刷環境にあてはまると見なされない。濃度計測の要件として、ドットゲインと印刷コントラストの属性だけを、2つの網点チャートを比較するために使われた。さらに、鉱物油性インキと植物性インキの色域を比較した。

植物性CMYKインキ
植物性インキの揮発性有機化合物(VOCs)は低レベルで、その結果、VOCの放出を最小に抑え、大気汚染を減少させる。
また、植物性インキの脱墨性は油性インキと比べると良好で、用紙の再生面でも見直されている。現在、およそ100の米国のインキメーカーが少なくとも1種の植物性インキ製品を生産していて、この数は毎年、上昇している。(Soy Ink, 2009,para6を参照)
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溶剤性CMYKインキ
最も一般的に使用されたインキは溶剤性インキであるが、これは被印刷素材での迅速な乾燥時間とセット性があるためだ。顔料は石油に浮遊し、溶媒はアルコールから構成されている。インキの乾燥時に、アルコールと石油は蒸発し、VOCが放出される。石油由来の油性インキは30以上の%のVOCを放ってくれている。
溶剤インキの主要な利点は比較的安価であり、軟包材ビニールにでも印刷を可能にしてくれる。その被印刷素材は、乗り物用グラフィックス材、掲示板、バナー、および粘着転写材などに使われる。
不利な点は溶剤から発生した蒸気と用済み溶剤を処分する必要があることだ。
溶剤性のインクは特別なコーティングをしなくとも一般に防水性があり、屋外での使用に耐える、UV耐光性を持っている。
溶剤性インキを使った高速印刷では、ヒーターとブロアーの組み合わせによる、特別な乾燥装置が求められる。溶剤性インキは2つのサブカテゴリーに分けられる。
溶剤インクは、特別なオーバーコートをしなくとも、耐久性を有するが、印刷部分は換気を施す必要がある。
穏やかな、または「エコ」タイプの溶剤性インキは、水性インクと同じくらい安全とは言えないが、印刷室内、特別な換気なしで囲まれたスペースで使われるように意図されている。穏やかな溶剤性インキは近年急速に人気がでてきた。つまり、インクコストがかなり低下してくれ、それらの色品質と耐久力は改善してくれている。

溶剤性CMYKインキ対植物性CMYKインキ
植物性インキのVOC量は半分未満しか含まれず、より少ないアルコールで済み、また、アルコール代用品で簡単に作業ができ、溶剤なしで洗うことができる。よって、植物性インキはVOC放出を減少させてくれる。このインキのVOC排出量は、30%以上のVOC放出量から2〜4%ほどの放出量に減らしてくれる。
植物性インキの製品は脱墨再生工程も容易で、結果、より危険でない沈殿物となってくれる。植物性インキは、石油溶剤系インキよりよく機能する傾向があり、多くの印刷人は、それら評価し始めている。しかし、植物性インキの不利な点は特に非塗工紙での乾燥がかかる点だ。乾燥を加速するために、ほとんどの植物性インキにはいくらかの石油系溶剤を混ぜていて、その溶剤の添加量はインキメーカーによって、そして印刷機の形式とインクの色によって変えている。
ヒートセット・ドライヤーの過程では、純粋な植物油インキを使用できない。

データ分析と研究調査結果:植物油インキ対溶剤系インキ
独立したテールでのt検定は、統計違いが両方のインクの印刷特質(ドットゲインと印刷コントラスト)の平均値の間に存在するかどうか見極めるために行われた。比色分析のデータとEは、両方のインクの色域を比較するために使われた。2つの色の違いを比較する時に、より高いEはより大きい色の変化の表示であり、 より小さいEは少ない色変化を示す。しかし、色違いの主観的な判断は人によって異なるものである。

ドットゲイン
植物油性インキのドットゲインと鉱物油性インキ(CMYK)のそれと比較する時に50%網点部で重要な違いが見つかった。植物性黄色インクのドットゲインがより高い一方、鉱物油性インクの4色インキ(CMYK)のうちの3色(CMK)のドットゲインは植物油性インキより高かった。
植物油(VO)インク対溶剤性インキ(SB)の色色域比較

Pdf内の説明:SBとは鉱物油性インキ。VOとは植物油性インキを指す。
植物油(VO)インク対溶剤性インキ(SB)の色色域比較.pdf

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