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韓国で水なし印刷のブレークが起きてくる…

2008年2月20日

韓国の業界誌・印刷界に以下の記事が掲載された。2月4日にはAju Rental(東レ・韓国代理店)のShi−Hoon Kim氏が大韓教科書・Kim,Yong Min氏ほか3氏が来日、熱心に日本の水なし印刷の実情を聴取された。一行は、近々、日本WPAへの入会手続きを取ってくれることとなった。

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2月4日に来日された一行、Aju Rental(東レ・韓国代理店)のShi−Hoon Kim氏が大韓教科書・Kim,Yong Min氏ほか3氏

以下は、韓国の印刷業界誌・印刷界に掲載された、日本訪問の水なし印刷レポート。
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東レ水なし平版印刷の専用自動現像機を導入した大韓教科書
- 1月17日から2日間日本の水なし印刷会社を訪問、今年中に水なし印刷物を韓国市場に -

大韓教科書は東レの水なし平版印刷方式(以下水なし印刷)専用の自現機を投入、韓国印刷市場において水なし印刷による環境にやさしい印刷市場を開拓していくことを宣言した。
昨年11月と12月にすでに城南工場で水なし印刷テスト印刷を成功させた大韓教科書は、1月17日から2日間にわたり印刷産業本部の金理事が生産管理、営業管理責任者を率いて、韓国の総代理店であるAju Rentalの関係者とともに、水なし印刷会社である(?)文星閣と?新藤を訪問、水なし印刷の現場を見学し水なし印刷の現場管理と今後の市場展開などの意見交換をしながら、今後の日韓の積極的交流を通じた発展を模索することとなった。
今回の導入にあたって大韓教科書の金常務理事は「韓国印刷市場の現在の過当な価格競争のなかでも、自由に活動できる新しい市場創出とともに、社会的に印刷産業がもつ環境に良くないという認識を改めることが緊要である」と前置きし、「この二つを解決することのできるものとして、水なし印刷の導入そして環境にやさしい高級印刷市場を創出しなければならないという結論に至った」と説明した。
また「二度にわたる印刷テストで得られた印刷物を通し、自信をもつことができた」とし「今後も印刷産業のリーダー企業として積極的な広報活動を通し、環境に優しい印刷市場を拡大していく」と自信を見せた。
水なし印刷版の韓国代理店であるAju Rentalは「大韓教科書をきっかけとして、水なし印刷の環境にやさしい印刷市場が拡大するならば、印刷業界の廃水排出産業というイメージを『環境にやさしい産業』として一新することができる」とし、「現在10社あまりの印刷会社が導入を検討しており、市場拡大を通じて、水なし印刷が韓国市場に浸透していくことを期待している」とした。

住宅街に位置する環境にやさしい企業 – 文星閣
昨年6月にも韓国訪問団が訪問した文星閣の中嶋製造本部長は、今回の訪問団をむかえるにあたり、文星閣が住宅街に位置していることをみても日本では水なしが環境にやさしい印刷として受け入れられているかがわかる、と冒頭の挨拶をおこなった。20年以上の水なし印刷の歴史をもつ文星閣では、印刷現場と営業でのノウハウや、今後の市場展望に関する質問があった。文星閣からは同社の高品質印刷、環境関連印刷物に関する紹介とともに、水なし印刷資材価格のため上昇する印刷単価を、生産性向上、高い品質管理でカバーできると説明した。また短納期を要する高品質印刷物の受注の場合には水なしが適していると紹介しながら、水なし水性インキであるW2インキを使う場合はインキローラーを洗浄液でなく水で洗浄するため、VOCが全く排出されないと話した。今後の印刷市場の関しては、「日本も韓国と同じで少量多品種印刷が増加する傾向にあるが、印刷準備時間が短く生産効果が高い水なしこそ、このようなトレンドにマッチしている」と説明した。

徹底したCMS構築を通じて高品質の水なし印刷物を – 新藤
1931年創業、76年の印刷の歴史とともに約130名の社員で年間50億円の売り上げを上げている新藤は印刷物を発注する顧客(企画会社)にCMS構築を通じて得たICCプロファイルをCDにいれサンプルとともに提供、これにあわせた作業データの作成を依頼しており、最終印刷物と作業データの差をへらしている。
4年前水なし印刷を開始し、保有する9台の印刷機のうち半分(全体の印刷物量の60%)が水なし印刷。水なし化を始めたとき、どのようにして水なし印刷発注を増やしたか、またいまの日本企業の水なし印刷と印刷物に対する理解度についての質問にたいし、赤井営業本部長は「初め水なし印刷指定の発注はそれほど多くなかったが、日本企業は環境を重視しており、ここ2年ほどは環境にやさしい企業イメージをアピールできる水なし印刷指定が増えている」と話し「現在ではホンダ、リコー、富士通、トヨタのような大企業が環境報告書を制作する場合、水なし印刷が指定される」と説明した。また「導入初期には思考錯誤があったものの、いったん安定すれば一定品質の高品質印刷物を生産することができるため、印刷会社の売上伸張とイメージ効果を同時に期待できる」と話した。

インタビュー(写真:大韓教科書 印刷産業本部 金常務理事)
リーダー企業として水なし印刷による環境にやさしい印刷市場をきりひらく
Q:まず今回の日本における水なし印刷会社訪問を通じての所感をお願いします。
A:2日間の短い日程ではありましたが、日本の水なし印刷現場を見て感じたことは、全般的に印刷市場や環境水準が韓国よりも進んでいるという印象を受けました。まず水なし印刷では印刷現場環境の温湿度管理が徹底しておこなわなければならず、現場の環境管理が徹底して行われていること。また徹底したCMS構築でICCプロファイルを出力会社に提供しこれにあわせた作業データの作成を要請し、データと印刷物の差を縮めています。
また国としても環境関連の印刷物を水なし印刷指定で発注しているところを見ても、印刷産業ではうわべだけでない実質的な環境重視の認識が一般化していると感じました。私どもは近い将来、韓国でも必ず環境にやさしい印刷に対する重要性が増し、この印刷市場が拡大すると予想しており、業界のリーダーとして水なしによる環境に優しい印刷市場をみずから開拓しようと考え、水なし印刷を導入するにいたりました。

Q:昨年の2回にわたる印刷テスト結果はいかがでしたか?
A:大韓教科書では水なし導入以前より印刷環境の温湿度管理のための設備を備えており、印刷機にもチラーが装備されているため、現場設備を新たに設置する必要はありませんでした。また印刷機とに標準化されたICCプロファイルを持っているため、2回の印刷テストでは冷却機付きのハイデル8色機と三菱4色機で、日本の水なし印刷会社と大韓教科書両方で同一なデータで印刷した結果、使用紙によって若干の差はあったものの、ほぼ同一色調の印刷結果を得ることができました。
少量の印刷テストだったため、水なし印刷の長所を全て経験することができませんでしたが、その過程で完成した印刷物をみて、今後われわれの印刷市場での可能性に対して確信を得ることができました。

Q:水なし印刷は水の管理が不要で、版現像過程では排水が発生しないなどの長所にも関らず専用資材の単価が上がるため印刷市場への導入は簡単ではありません。単価上昇による負担をどのように解決していくお考えでしょうか。また今後どの程度の割合を水なし印刷で印刷する予定でしょうか。
A:一般的な中小印刷会社を基準として試算してみると、既存印刷より20%程度印刷単価が上昇するということは事実です。しかし、市場がもう少し活性化した場合は、10%程度は単価調整が効くのではと考えていますし、大韓教科書の効果的な生産システムを通じてもさらに減らせることができると思います。また水なし印刷を通じて環境にやさしい高品質印刷市場を新しく創出ことにより、過当な価格競争をする必要がなくなるため、それなりの価格設定行い十分な利益構造を作ることができると見ております。

Q:韓国印刷市場で水なし印刷がもちうる最大の魅力は何だとお考えですか?それは韓国印刷市場でどのように受け入れられると考えていますか?
A:水なし印刷はまず高い生産性と、水を使用しないため市場で要求されている短納期を要する印刷物に積極対応することができます。また短い印刷準備時間とともに一定の印刷品質を維持することができるため、最近増加している少量多品種印刷にも対応できるのが長所だといえるでしょう。
そして版現像過程で排水が発生しないことの他にも、水なし水性インキを使用した場合はローラー洗浄液ではなく水洗浄が可能なためVOCが発生しません。水なし印刷で企業関連印刷物を制作するならば、顧客に対して印刷物にも環境を考えた環境にやさしい企業だ、と言うイメージもたせることができるため、自動車、化粧品のカタログ、美術館紹介印刷のような高級印刷に使用すれば、差別化を通じてかなりのイメージ効果が出てきます。

Q:2008年の年大韓教科書の主な計画はどのようなものがありますか?
A:まず韓国印刷業界に新市場を創出するため、水なし印刷市場の本格的な開拓に総力をあげて取り組むつもりです。いま、いくつかの企業と交渉中ですが、今年中には1、2ヶ所程度の企業印刷物を水なし印刷で印刷する計画です。またいままで徹底して実行してきたカラーマネージメントの維持発展に最善を尽くしたいと思っています。それから商業印刷のほうでも活発な営業活動を通じて売上高伸張のため努力します。教科書、教材事業だけと思っている方も多いのですが、すでに大韓教科書では各種月刊誌を印刷しています。その印刷品質は、あるファッション誌の場合、毎月フランスの本社が世界各国で発行された版本の印刷品質を評価しているのですが、毎回上位に入っており、その品質が高く評価されています。
これらを通じて大韓教科書は、世界的競争力をもつ環境にやさしいリーダー印刷企業としてその役割を果たしていきます。今後も期待していてください。

インタビュー(写真:Aju Rental 水なし印刷産業部 羅理事)
■水なし印刷の導入で環境にやさしい企業としての発展を
Q:Aju Rentalの立場としても大韓教科書に水なし印刷版現像機が導入されたことにそれなりの意味があると思います。導入過程について、またAju Rentalが考える今回の導入の意味について教えてください。
A:大韓教科書では昨年6月ころから韓国印刷市場で環境に優しい印刷物というひとつの新しいマーケットを創出していくために、水なし印刷の導入計画を立て始めました。これに水なし印刷関連資材の韓国総代理店であるAju Rentalでは水なし印刷専用現像機と版材を生産している東レ、大韓教科書の3社間の緊密な協力体制のもと、昨年9月、大韓教科書の設備および印刷室、製版質の環境を東レ側で確認作業をおこないました。この結果、現在大韓教科書の温湿度調節設備を含めた印刷環境とシステムが日本の大手印刷会社と比較しても遜色のない優れた環境だという評価を受けました。
これに続き、昨年11月と12月に2回に渡って水なし印刷テストを行いましたが、すぐ導入しても本生産が可能だというレベルに到達できたので、水なし印刷の導入が決定されました。
今回の導入決定で、すでにしっかりとした印刷環境とシステムで認められている大韓教科書は環境にやさしい企業として、さらなるレベルアップのチャンスをつかんだと思っています。また今回の導入は環境にやさしい企業イメージを重視する多くの企業にも新しい印刷物発注のチャンスを与えたということであり、水なし印刷の印刷物がふえていくのであれば、韓国でも印刷が廃水排出産業でなく、環境にやさしい産業としてのイメージを持つことが出来ると期待しております。
印刷産業のリーダーとして大韓教科書の果敢なチャレンジに感謝し、今回の導入が韓国の印刷技術をさらにアップグレードする出発点になるだろうと確信しています。


Q:現在大韓教科書以外に導入検討をしている印刷企業はありますか?
A:大韓教科書以外にも、現在8色枚葉印刷機を保有している6社、UV印刷の2社、輪転機1社で検討中です。UV印刷の1社はすでに自現機を入れており、今年の4月から本格的に水なし印刷物の生産に入る予定です。

Q:短期的にみればインキと版材版材価格による負担がありますが、長期的にみれば人員削減や生産性の向上というメリットが水なし印刷の強みだといえます。印刷会社が導入するにあたって具体的にどの程度の生産性向上と人員削減効果を期待できますか?
A:現時点で水なし印刷版と水なしインキの価格が一般印刷より高いことは事実です。単純に水あり印刷より印刷原価が20%以上上昇するという考えもありますが、水なし印刷は一般オフセットと違い、水管理の必要がなく、自現機などに使用する薬品やアルコールが不要です。また高品質の印刷物を高い生産性で安定的に印刷できるため、トータルコストを計算してみると結果的に約5-10%程度の原価上昇に収まることになります。
また水なし印刷では印刷資材の節減を通じて印刷原価上昇要因を抑制することが出来ます。
次は、日本のある水なし印刷会社の1年間の水なしと水ありの費用比較を算出した例です:
単位:円         水あり   水なし
H液購買費        1,000,000   0
IPA購買費        500,000    0
ローラー交換費用     1,500,000   0 
版現像液回収費用     400,000    20,000
自現機液購買費      1,200,000   200,000
現像機フィルター交換費  0       5,000
合計(コスト差異     4,600,000   235,000
このように、原価的要員では節約になり、またほかには作業時の節約として本印刷までの時間ロスが一台の印刷時10分減らせるので、印刷時間は1台での印刷の場合9%が短縮できることになる。また一人当たりの労働時間が週あたり17時間短縮され、ヤレの減少率は年間22%、生産性も年間30%上がるという効果を得ることができる。このように具体的数値を見ても結果的には2つの印刷方式の原価に大きな差異はないということが分ります。

Q:水なし印刷の強みを生かせる印刷分野と水なしで印刷するのに適した印刷機について教えてください。
A:水なし印刷はシャドウ、ライト部分の再現性、また水を使用しないためインキの色調再現性にも優れ、車や化粧品カタログなど高級印刷物に最適です。また水により生じる紙の縮小がおこらず、フファンアウトなどトラブルが起こりやすい多色機やアキヤマのJ Printなどの両面機、小森SP両面機、ハイデル、三菱の8色機などには大きな強みをもっています。

Q:今後の版材とインキ価格についての展望を教えてください
A:大韓教科書の導入で韓国市場でも水なし印刷が始まったばかりですが、輸入される版材やインキ量が少ないため大幅に縮めるのは難しいです。しかし今後20社以上で水なし印刷が導入されるのならば、導入しやすい価格帯になっていくと思います。韓国の総代理店であるAju Rentalも最善を尽くして韓国印刷市場にあった販売価格をご提示できるよう努力したいと思っておりますので、今後もご期待いただければと思います。
以上

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