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当協会事務局長の基調講演「日本の印刷産業を世界の動きから考える」が業界紙に掲載される

2006年12月30日

「印刷クラブ」に当協会事務局長の講演録が以下のように報じられた。

東洋インキサカタインクスの50:50の合併会社で、両親会社の顧客である印刷会社や製版会社に情報や技術サービスを堤供しているga-city(ジーエーシテイ)は、12月5日午後2時から5時すきまで、恒例のジーエーシテイセミナ一を両国第1ホテルで開催した。

例年は技術セミナーが多かったが、今年は「激変期の印刷産業を考える」という視点で4名が登壇。
2つの基調講演と特別講演が行われた。開催に先立ち、同社の肥田木社長があいさつした。
次いで、基調講演に日本WPA事務局長・五百旗頭忠男が演壇に立った。

基調講演「日本の印刷産業を世界の動きから考える」日本WPA事務局長・五百旗頭忠男

米国と日本の印刷出荷高とGDP、利益率等の資料から印刷出荷と経済指標の関係が見えてきた。米国では印刷出荷とGDPの相関関係は10年前には消滅してきてしまっている。同時に、旧来の印刷ビジネスモデルも消滅してしまっている。
1995-1998まではインターネットの出現が印刷需要を押し上げ、印刷出荷高の伸び率はDTP伸び率を上回ったが、それ以降は乖離現象を起こしている。2000年12月印刷出荷高はピークを迎えた後、急速な下落に見舞われこの6年間で約20%の出荷高落ち込みとなっている。
おかしなことに、GDPが増えると印刷出荷高は減少し、GDPが減少すると印刷出価高が増加する逆相関関係が見えている。

これはGDPが増加すると企業の利益増加により情報化投資が増える。すると印刷出荷が減ってくると見られる。好調な米国経済に支えられ、一般企業は総じて印刷回避につながる情報化投資に走る傾向が見られる。


■米国の印刷界

米国の商業印刷の出荷予想、2006年:$91?92B、2007年:$87?88B、2011年:$75?77Bと発表されており、先行きも楽観できない状況である。米国の商業印刷においては、Googleなど他のメディアに侵触される傾向は継続する一方であろう。

また、オフィス・スーパーの登場などで印刷物の流通経路の変化が見られる。ネットによるpdf流通が頭をもたげて来て、印刷物を印刷しない傾向に拍車がかかる。これらのデジタル・メディアへの指向は、アナログに比べてそのメディア特性から広告効果の反応がすばやく読み取れ、さらにそのヒット率(宣伝効果)が高く、ますます傾斜していく。インターネット・ネイティブ(ネット世代)が社会での中核者になる時代では、デジタルメディア、しかも、ユビキタス・モバイルが当たり前の世の中になるだろう。
この動きに備え、印刷業者の中には本業から広告サービス、マーケティングサービスなど他業種への移行も日立っている。


■欧州の印刷界

欧州では過去5年間で8万社の印刷会社の相当数が消滅している。英国では、100数十年の老舗であるBritish Printerがネット系のPrinting Weekに吸収されるなど、メディア革命、インターネットの台顕による攻勢を受けている。
また、EU圏に東欧諸国が加盟したことで、これらの国からは一段と低価格攻勢をかけてきており、それが助長されて今や、中国、アジアでの低価格印刷なども加わり価格が不安定になっている。
また、倒産した印刷経営者は発注代行会社となって、発注者と結びついて印刷サービスを請け負う現象が出て、さらなる混乱を来している。


■日本の印刷技術協会にあたるPIRA(バイラ)がみる欧州の印刷界の未来

・印刷界の未来は、その作業が顧客や最終印刷ユーザーに転移して行く。
・2005年、デスクトップ・カラーの市場は400億ポンドで、印刷会社の受注が相当量を
 占めているが、将来、これが発注者の手元へ移行して行く。
 小売商の多くはカラー請求書や領収書を既成の事務用品でなく、白紙の仕上げ紙に
 印刷していく。
・10年以内に多くの商業印刷業は「分散ドキュメント出力産業」となり、サービス化の
 道を歩むだろう。一般的に、ドキュメントの年産は最終ユーザーの予元に近づいていく。
・特別加工が必要なものや、例外ものの処理力が商業印刷業者の独自能力と
 なっていくだろう。
・印側会社は紙印刷から、データーベース管理、折込み・メーリング、顧客代行予約、
 フルフィルメント、在庫管理、反応集計などへと幅広い業務をこなしていくだろう。
・コンテンツ・マネージメントやワークフローシステムが標準化することで、発注者や
 関連業者との情報運搬や、最適印刷出力ファイルとの交換などもやりやすくなる。
 進歩した情報通絡法で印刷会社は管理や営業機能の自動化を図れ、
 納期ぎりぎりの仕事をネット操作で引き寄せてこられる。
・進歩した情報連絡法により、「印刷手配ネット」を形成でき、これが営業の
 手伝いをしてくれる。印刷機側から顧客に空き情報をネットで通知し、印刷会社は
 生産に専念できるだろう。
・発注者は印刷機の空き情報から最適会社を調べ、仕事を自動ワークフローで
 選定印刷会社に送ればよい。


米国のDavid Worlockに「印刷物はネットからの合法的な派生物と見るのかもしれない」と、言わしめるまでになってしまった。この言葉から、以下に記す、印刷業者が新市場へ参入してゆき、新しい再生の道が計れるであろう。


■コミュニケーションプロセスで再生する7つの再生戦略

○4つのコミュニケーション戦略

 1)送り手戦略=メッセージ創作能力の開発
 2)メッセージ伝達戦略=送り手から受け手へ独自の伝達能力を身につける
 3)受け手戦略=ユニークな方法で独自の受け手対象を持つ
 4)フィードバック戦略=受け手が送り手に戻す、特別な方法を提供する、

○3つの生産戦略

 1)コミュニケーションロジスティクスへの特化
 2)日用品印刷への集中特化
 3)オフラインメディア戦略への集中

○具体的な事例

1)栃ナビ!:栃木県内の遊び、ショッピング、イベントなどの情報を集めた生活リンク集、
 消費者の書き込み情報が地域マーケティングのデーターベースと化している。
2)ぷらざ読者のファンクラブ(地域の消費者と組んで産直消費・商品化への取り組み)

と、熱弁を振るってくれた。


次いで、ジーエーシティ技術顧問の泉和人氏の技術論の基調講演、特別講演として帆風の宮城荘一郎氏の「グッドカンパニーを目指して」、アスコンの林征治氏の「お客様とのビジョン共有、アスコンの過去・現在・未来」が続けられた。

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